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7章 中年は色々頑張ってみる
第62話 ここはどこで今はいつ?って話
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作者の励みになります。
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ゆっくりと目を開けた。
そこは森の一部がぽっかりと開けた感じの空間。
今は昼なのだろう、木々の間からは太陽の光が燦燦と輝いている。
『とりあえずここはどこなのだろう?』と風魔法で上空に上がろうとした。
<飛べない?>
こちらの世界では普段から魔法に頼りっきりだったので、つい魔法で何とかしようとしてしまうが
魔法が発動しない。
ふと自分の左胸を見てみると。
<聖痕がない!!?>
こちらの世界で魔法を使うために必要なアザがそこにはなかった。
そこでふっと気付く。裸だ。全裸だと。
一番初めこの世界にやってきたときも全裸だった。
リーアに草原で発見されてチェスター村に入ることができた。
<みんなは無事なのだろうか?突然消えて心配していないだろうか?>
そんなことをふっと思い返し、『じっとしていられない!』と立ち上がった。
森の中、太陽の光で大体の方角はわかるが、はっきり言って勘としか言えない。
まずは全裸をどうにかしたいと『気配探知』を行ってみるが、全く分からない。
というか、魔法もスキルもすべてなくなってしまった感じ。
体がだるいという事はないが、以前に比べ何もできなくなってしまった。
とりあえず、森を歩いてみると、少し離れたところに山が見えた。
『黒い山』と『白い山』。
そう、以前チェスター村の近くにあった山だ。
という事はここはチェスター村からずーっと西に行った森の中だと思われる。
山の位置関係と大きさからしてチェスター村から歩いて1日ほどの距離だろう。
確かにここまで来たことはなかった。
ゆっくりと森の中を進む。
森の木々はうっそうとしていて、気配探知が使えないので、少しの物音にも敏感になってしまう。
<そういえば以前来た時も、本当は最初こんな感じだったんだな。>と少し懐かしく思えた。
少し歩いていると、動物?魔物?がいるような物音が聞こえた。
とりあえず落ちていた石を両手に持ち、スカンクウルフらしき動物がいつ方向に近づく、
基本的に魔法でしか戦っていなかったので、緊張感のある戦いはかなり久しぶりである。
とりあえず石を投げてスカンクウルフに不意打ちを食らわせる。
以前なら圧倒的レベル差でこの石を投げただけでも一撃で仕留められていた。
しかしどうだろう、石は確かに命中した。少しひるんだスカンクウルフが石を投げつけた私に気づいた。
<あれ、私かなり弱くなってる?>
スカンクウルフが20メートルほどの距離を一気に縮めてめてくる。
とびかかってくるスカンクウルフをもう一方の石で殴りつける。
『キャン!』。スカンクウルフの声が聞こえ2メートルほど離れる。
2撃でも倒せない。スカンクウルフはまだ襲いかかってくる。
その後、更に攻撃をして何とか倒せた。
爪での攻撃を受けてしまったので右腕に小さくない切り傷ができた。
近くに以前教えてもらった薬草を見つけたので傷口に刷り込んでおく。
ナイフもないので近くに落ちていた少しとがった石でスカンクウルフを解体する。
薬草を使ったり、解体をしたのは本当に何年ぶりだろう。
切れ味のほとんどない石で四苦八苦しながらなんとか解体を終えた。
幸い、周りには他の獣たちが居なかったので助かった。
もしいたら、折角の獲物を置き去りにして逃げなければいけない状況だった。
全てを持ち歩くと結構な荷物になるので、数食分の肉と毛皮だけを確保して、
他は穴を掘って埋めた。
本当は燃やしたほうがいいのだろうが今の私は火魔法すら使えない。
この世界に来てすぐの時も魔法は一切使えなかった。
その時はたいしてそれが不便だとも感じなかったし、『ないと暮らせない!』とまでは思わなかった。
周りのみんなが助けてくれたし、実際には近くの川まで水を取りに行くこともあった。
しかし、人間は慣れるというもので、いつの間にか魔法を自然と使うようになり、
火や水に困ることはなくなっていたし、それが普通だとすら思っていたかもしれない。
全てが無くなってしまったことに、リリスに対して八つ当たりにも近い怒りがこみあげてきた。
といっても今がいつなのかすら分からない。まずは、チェスターを目指すべきだろう。
ここから見えた『黒い山』と『白い山』は確かに数年で様相がそれほど変わるものでもないが、
あの山のふもとにチェスターがあったことを覚えているのだから・・・
このままいけば何とか深夜にはたどり着けるだろう。もしチェスターがなかったらと思うとかなり不安になる。
剥ぎ取った皮を腰蓑の要領で巻き付ける。足は裸足。
最初の頃のチェスター村を思い出した。
しばらく森を歩くと森を抜けることができた。途中少しお腹が減ったので、
昔リーアから教えてもらった木の実を少し食べた。
リーアとリースと会わなければ、こんな風に生き残ることもできなかっただろう。
夜も更けてきたこと、チェスターらしき外壁が見えてきた。
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