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第1章 初めての町(タカギ)
第23話 最強の師匠が登場しちゃうの件
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みんなで食堂に入ると、それぞれの席に座る。
サルサさんも普段ならバラバラと昼食を取りに来るメンバーが、
一斉に食事に入るもんだから調理場は戦場と化していた。
『しかしすごいの~~。午前中だけで歴代の討伐数記録を5倍以上も塗り替えとる。』
ブライアントさんは真剣に驚いている。
『はい!彼のスキルはこのタカギの収益を恐ろしいほどまでに拡大します。』
ミサカさんはなんだか誇らしげだ。
というか今回の作戦本部長的な役割だから、上手くいっていることがすごく嬉しいらしい。
『昼からは、斥候部隊全員で解体を手伝うよ。
まぁ経験値が欲しいメンバーと多少攻撃メンバーに入れてくれ。』
『狩猟部隊も全員呼び戻す。とにかく解体を済ませてしまおう。
攻撃役は狩猟と斥候から各1名づつ出せば、問題ないだろう。』
カザンさんとユキマサさんは軽いランナーズハイのような雰囲気だ。
疲れているどころか、生まれて以来初めてといっていいくらいの魔物討伐数を狩って、
軽くイってしまっている。
『まぁまぁ待ちなさい。』
午前中の作戦に加わったみんなが本当にお祭り騒ぎで興奮冷めやらぬ中、
食堂にシズネ先生がやってきた。
軽いゴールドラッシュ気分のみんなをなだめながら、席に着く。
『ミサカや、まぁ落ち着いて。
午後からは少し、儂がヤストを鍛えるでの~。』
『『『『えっ??』』』』
ブライアントさんをはじめ食堂に居たメンバーが一瞬驚いて食堂の空気が止まる。
『まぁまぁ悪いようにはせんから、
まずは午前中に狩った魔物を綺麗に解体しておくれ。
そうじゃ、ブライアント、例のあれを儀式室に運んでおいておくれ。
午後は、ヤストのレベル上げには儂が付き合うでの。』
ちょっとかわいいおばあちゃん風の先生が『ほっほっほっ』と笑いながら
みんなに語り掛けていた。
『先生!しかし、ヤストのスキルなら明日までにもう500体は狩ることができます!
多分、1日の討伐数としてはどこの都市でも経験していないレベルです。』
ミサカさんがびっくりしてシズネ先生に詰め寄る。
『ほっほっほっ。』
シズネ先生はまるでそういわれるのが分かっていたかのように明るい笑い声を返す。
シズネ先生の横に座っているマイコ先生が横で補足してくれる。
『これほどの魔物を一気に狩ってしまっても、一気に売り払うことはできません。
それこそ、素材の価格が暴落しかねません。』
マイコさんの言葉にミサカさんとブライアントさんが『『はっ!』』と気づく。
『確かに・・・これほどの素材は流石にタドコロでも一気には裁けんの~』
ブライアントさんが一呼吸置く。
『で、先生はどうやってヤストを鍛えるの?』
カザンさんが何となく屈託のない感じで先生に質問している。
『これじゃ。』
シズネ先生は袖口から一つの小瓶を取り出すとそれを俺に渡してきた。
[アダマンチウムスライムの素材を入手しました。魔物作成を行いますか?(消費MP 200)]
「アダマンチウムスライム?200?」
さっきのマラソンで素材を手にすると、名前と消費MPを読んでしまう変な癖がついた。
『『『『『『『『『アダマンチウムスライム~~~!!!!』』』』』』』』』
食堂に居た先生2名以外のほぼすべての住人が声を揃えて仰天している。
『ほっほっほっ』
シズネ先生の笑い声だけが食堂に響く。
俺は素材を瓶の中に戻し、シズネ先生に渡す。
さすがに食堂で魔物作成はできないから。
『アダマンチウムスライムってあのアダマンチウムスライムか!』
ユキマサさんが驚嘆の声を上げている。
俺にはどのアダマンチウムスライムなのかが正直分からない。
周りの様子はさておき、マイコさんが俺に補足説明をしてくれる。
『そっかヤスト君には分からないわよね。
アダマンチウムスライムっていうのはスライム種の中で特に
遭遇しづらい、超激レア魔物よ。
しかも、経験値に関しては超特大級の取得経験値だと言われているわ。』
なるほど、某RPGゲームのメタル〇ライム的な魔物か。
確かにそちらの方が経験値効率はよさそうだ。
しかもスライム種なら俺の得意のスライム爆弾戦法が使えそうだ。
まぁつかんで投げつけるだけなんだけど。
『本来はもの凄い敏捷性を持ったスライムで、
遭遇しただけでほとんど逃げられてしまうわ。
中には運よく討伐に成功する人もいて、
この通り、素材は流通しているわけ。
ちなみにこの素材はアダマンタイト鉱石を原料とする最高級武具の接着剤として使われ、
治金や鍛冶である一定のレベルに行くと必ず必要になる一品。
この小瓶くらいの量でも、移動都市1月分の収益くらいの価値になるわよ。』
マイコ先生の説明で納得する。
要はレアスライムで経験値ウマウマのレア素材で収益ガッポガッポ作戦ってことですね。
『まぁ素材は市場に卸す気はないがの~~。
火事場がないタカギでもアダマンタイト製武具が作れるようになるかもしれんしの~。
ほっほっほっ。』
『王都以外でのアダマンタイト製の武具など儂は聞いたことがないな~。
なかなか面白そうじゃの~。まぁ後で誰ぞに儀式室へもっていってもらおうかの。』
ブライアントさんも目をランランと輝かせて期待の眼差しに代わっていた。
『というわけじゃから、午後の作業に関してじゃが、
生産できる者は、材料がたんまりあるんじゃし、
すぐに生産に入ればよかろう、それ以外のものは総出で解体じゃな。』
お昼ご飯を軽く食べ終わった先生がお茶をすすりして和んだ。
みんなが色々なことに気を取られすぎて、先生が食べていることさえ気付けなかった。
『ヤストや、1時半ごろに儀式室に集合じゃ。待っとるでの~。』
そう言い残して、シズネ先生はトテトテと食堂を後にした。
なんだかいろいろ起こりすぎてみんなの理解が追い付いていない感じではあるが、
昼食が始まってすぐのあの熱気はゆっくりと落ち着き、いつものタカギに戻った。
やはり、シズネ先生おそるべし。色々と先手を打ってくる。
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