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第2章 タカギ争乱
第40話 水の都ヨシノに到着した件
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俺、マリさん、スパさんは、城塞都市ヨシノの城門前に到着する。
壁の高さは15m以上はあるのだろう。そこそこ高い。
門には門兵が常駐しているようだ。
『おお、馬も引かずに移動とはなかなか大変だな。』
「あっはい。ゆったりとした旅も楽しいので。」
『そうか?とりあえずここにタウンリングを・・』
門兵はちょうどタカギでブラウンさんがよく使っていたような水晶を指さす。
俺は自分の右手にはめてあるタウンリングをそこにかざす。
『タカギのミサカだな。よし通っていいぞ。』
そう案外すんなりと門を通過することができた。
ミサカさんのフリをして。
右手のタウンリングはミサカさんの複製品。
俺自身のタウンリングは、魔道通信機と一緒に左手にはめてある。
マリは見るからにマリオネットと分かるのだろうか、特に何か検査されるわけでもなく普通に通過できた。
スパさんに関しては、
『ペットなら首輪かリボンなどを巻いておいてくれ。』
とだけ言われた。
基本的には往来が少ないので、検査もそれほど大変ではない。
マリが言っていた通りだった。
一応ミサカさんに成りすます理由は、単純に俺が発見されたことをまだ国に報告していないから。
俺のスキルの問題もあるが、シズネ先生に何かの考えがあっての事だろう。
タカギから離れて10日。
まだ一度も魔道通信機は鳴っていない。
ヨシノの街に入る。この世界に来て、初めての城塞都市だ。
移動都市のタカギとは違い、道路があり建物が並んでいる。
門から入った通りは、大通りなのだろう、両サイドには色々なお店がある。
ちなみに俺のタウンリングには1000万円以上入っているので、まぁよっぽど無理をしなければ、困ることはないだろう。
お店の店員はほぼすべて女性もしくは老人だ。
洋服屋に雑貨屋、鍛冶屋に武器防具屋、本屋に八百屋に肉屋。
そしてこの城塞都市の名物であり特徴である魚屋などが並んでいる。
この世界では普段の飲み水などは水魔法で賄っている。
しかし、城塞都市ヨシノには琵琶湖が控えている。
そこで淡水系の魚の養殖が盛んで、食糧自給という意味ではこの魚で持っているといっても過言ではない。
クレインが地球のエネルギーをまず吸い上げたため、土地がやせて作物を育てるのには適さない。
結果的に、酪農を行うにも餌がほとんどない。
この城塞都市が生き残っているのはこの養殖魚による恩恵が大きいのだ。
ちなみにタカギでは、住人たちの排泄物をもとに、独自で土づくりから行っているからこそ、自給自足が可能になっている。
もちろん、ヨシノでも農業や酪農も行われているが、そもそも、人口も多いので全員にいきわたっているとは言い難い。
本屋に寄ってみたが、基本マリさんが国立図書館をのぞけるので、ほとんどが読んだばかりの本らしく、紙をそろえれば写してくれると言われたので、結局1冊も買わなかった。
雑貨屋を回って、色々な植物の種を買い揃える。
まだ俺が作成できない魔物の素材でできた商品などあれば積極的に購入していく。
洋服関係も品ぞろえが豊富で、俺たちには作れないから、大量購入。
マリは家具や魔道具などを見て、その用途や利便性などを習得しているようだ。
スパさんは、日用雑貨を色々とみて習得している。
本当にマリオネットは勉強好きなんだろう。知識欲にあふれている。
俺はと言えばとにかく食事、マリさんが色々作成できるが、基本的にタカギにあった調味料しか使用していない。
ここぞとばかりに調味料も買いだめした。
お昼ご飯も忘れて4時間ほど町中で買い物を行っていた。
あらかた見終わったので、俺だけ1軒の食堂に入り、郷土料理を楽しんだ。
魚介類という意味では既に海ではほとんど魚が取れない。
取れてもその街でほとんど消費されてしまうため、出回ることがない。
だからこそこのヨシノの特産品となっているのだろう。
食事も終り、一度城塞都市ヨシノを出る。
ハウスを置いたところに向かう。
何度見ても何も置いていないように見える。
ドアを開けて家に戻る。
パペさんがお出迎えしてくれるので、リビングに行き、購入したものを一通り並べる。
一度ゆっくりとお風呂に入り、リビングに向かうと1杯の冷えたミルクが出てきた。
マリさんが、いつの間にか牛と鶏を購入していたらしい。
牛は食肉用ではなくミルク用。鶏は数羽購入して卵を目的としている。
肉に関しては魔物の肉でよければ本当に沢山あるし、味も悪くない。
リビングでミルクを飲みながらくつろいでいると、マリさんからまた提案をいただいた。
スパさんは基本的に魔力供給のメイン作業があり、日用品や雑貨の作成といっても基本俺しかいないのでそれほど消費するものではない。
そこで空いた時間は3階で農業と酪農を行ってくれるとのこと、しかし、1人では手狭だろうという事もあり、サブとしてもう1体マリオネットを作成するそうだ。
俺は快くその提案を受けて、また魔石集めを行うことになった。
今度のマリオネットも基本的にはスパさん同様に性能を持たせようという事になった。
そこでスパさんの体を一部改変、アダマンチウムの剣になっている2本の腕を追加し、尻尾を追加した。
見た目はスパイダーではなくスコーピオンになってしまったが、スパさんはスパさんだ。
なぜスパさんの改造を行ったかというと単純。
魔石集めのお手伝いをしてもらうためだ。
スパさんの時は一人でずっと戦って魔石集めをしたので、今回はスパさんに魔物退治のお手伝いをしてもらおうという事にしたのだ。
そもそも、躯体がフルアダマンチウムなので防御力が異常に高い。
攻撃力が不足していた点は、2本の剣と尻尾を追加した。
元々、フルアダマンチウムなので追加は魔力を練って変形させることで可能だった。
最初は慣れない体にスパさんも大変そうだったが、1時間もしない間に剣や尻尾を使いこなしていた。
元々マリオネットにはレベルという概念はないが、莫大な魔力量を誇るスパさんは、かなり強かった。
身体が小さくフルメタルの割に軽量の為、高純度魔力結晶の能力を全開にするとなかなかの敏捷性と攻撃力を誇る。
その日は、俺が魔物を作成し、スパさんが討伐、パペさんが解体補助と素材の搬送。
マリさんが解体と新しいマリオネットの作成などを行った。
時間加速を使用した事もあったが、スパさんと同じ2500個の魔石を集めるのに5時間程度しかかからなかった。スパさんがスパスパ切りまくっていた。
素材調達が終わったのが、夜の12時頃だったので、またお風呂に入ってから就寝することにした。
翌朝目覚めると、マリさんが変形前のスパさんそっくりのマリオネットを作成していた。
スパさんと名前がかぶるとめんどくさいので、蜘蛛からとって「モクさん」と名付けた。
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