現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

文字の大きさ
40 / 70
第2章 タカギ争乱

第40話 水の都ヨシノに到着した件

しおりを挟む

閲覧いただきありがとうございます。
誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
お気に入り設定など、作者の励みになります。

これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------------------

俺、マリさん、スパさんは、城塞都市ヨシノの城門前に到着する。

壁の高さは15m以上はあるのだろう。そこそこ高い。

門には門兵が常駐しているようだ。

『おお、馬も引かずに移動とはなかなか大変だな。』

「あっはい。ゆったりとした旅も楽しいので。」

『そうか?とりあえずここにタウンリングを・・』

門兵はちょうどタカギでブラウンさんがよく使っていたような水晶を指さす。
俺は自分の右手にはめてあるタウンリングをそこにかざす。

『タカギのミサカだな。よし通っていいぞ。』

そう案外すんなりと門を通過することができた。
ミサカさんのフリをして。
右手のタウンリングはミサカさんの複製品。
俺自身のタウンリングは、魔道通信機と一緒に左手にはめてある。

マリは見るからにマリオネットと分かるのだろうか、特に何か検査されるわけでもなく普通に通過できた。

スパさんに関しては、
『ペットなら首輪かリボンなどを巻いておいてくれ。』
とだけ言われた。

基本的には往来が少ないので、検査もそれほど大変ではない。
マリが言っていた通りだった。

一応ミサカさんに成りすます理由は、単純に俺が発見されたことをまだ国に報告していないから。

俺のスキルの問題もあるが、シズネ先生に何かの考えがあっての事だろう。

タカギから離れて10日。
まだ一度も魔道通信機は鳴っていない。

ヨシノの街に入る。この世界に来て、初めての城塞都市だ。
移動都市のタカギとは違い、道路があり建物が並んでいる。
門から入った通りは、大通りなのだろう、両サイドには色々なお店がある。
ちなみに俺のタウンリングには1000万円以上入っているので、まぁよっぽど無理をしなければ、困ることはないだろう。
お店の店員はほぼすべて女性もしくは老人だ。

洋服屋に雑貨屋、鍛冶屋に武器防具屋、本屋に八百屋に肉屋。
そしてこの城塞都市の名物であり特徴である魚屋などが並んでいる。

この世界では普段の飲み水などは水魔法で賄っている。
しかし、城塞都市ヨシノには琵琶湖が控えている。
そこで淡水系の魚の養殖が盛んで、食糧自給という意味ではこの魚で持っているといっても過言ではない。

クレインが地球のエネルギーをまず吸い上げたため、土地がやせて作物を育てるのには適さない。
結果的に、酪農を行うにも餌がほとんどない。
この城塞都市が生き残っているのはこの養殖魚による恩恵が大きいのだ。
ちなみにタカギでは、住人たちの排泄物をもとに、独自で土づくりから行っているからこそ、自給自足が可能になっている。
もちろん、ヨシノでも農業や酪農も行われているが、そもそも、人口も多いので全員にいきわたっているとは言い難い。

本屋に寄ってみたが、基本マリさんが国立図書館をのぞけるので、ほとんどが読んだばかりの本らしく、紙をそろえれば写してくれると言われたので、結局1冊も買わなかった。

雑貨屋を回って、色々な植物の種を買い揃える。
まだ俺が作成できない魔物の素材でできた商品などあれば積極的に購入していく。
洋服関係も品ぞろえが豊富で、俺たちには作れないから、大量購入。
マリは家具や魔道具などを見て、その用途や利便性などを習得しているようだ。
スパさんは、日用雑貨を色々とみて習得している。
本当にマリオネットは勉強好きなんだろう。知識欲にあふれている。

俺はと言えばとにかく食事、マリさんが色々作成できるが、基本的にタカギにあった調味料しか使用していない。
ここぞとばかりに調味料も買いだめした。

お昼ご飯も忘れて4時間ほど町中で買い物を行っていた。
あらかた見終わったので、俺だけ1軒の食堂に入り、郷土料理を楽しんだ。
魚介類という意味では既に海ではほとんど魚が取れない。
取れてもその街でほとんど消費されてしまうため、出回ることがない。
だからこそこのヨシノの特産品となっているのだろう。

食事も終り、一度城塞都市ヨシノを出る。
ハウスを置いたところに向かう。
何度見ても何も置いていないように見える。
ドアを開けて家に戻る。

パペさんがお出迎えしてくれるので、リビングに行き、購入したものを一通り並べる。
一度ゆっくりとお風呂に入り、リビングに向かうと1杯の冷えたミルクが出てきた。
マリさんが、いつの間にか牛と鶏を購入していたらしい。
牛は食肉用ではなくミルク用。鶏は数羽購入して卵を目的としている。
肉に関しては魔物の肉でよければ本当に沢山あるし、味も悪くない。

リビングでミルクを飲みながらくつろいでいると、マリさんからまた提案をいただいた。

スパさんは基本的に魔力供給のメイン作業があり、日用品や雑貨の作成といっても基本俺しかいないのでそれほど消費するものではない。
そこで空いた時間は3階で農業と酪農を行ってくれるとのこと、しかし、1人では手狭だろうという事もあり、サブとしてもう1体マリオネットを作成するそうだ。

俺は快くその提案を受けて、また魔石集めを行うことになった。
今度のマリオネットも基本的にはスパさん同様に性能を持たせようという事になった。
そこでスパさんの体を一部改変、アダマンチウムの剣になっている2本の腕を追加し、尻尾を追加した。
見た目はスパイダーではなくスコーピオンになってしまったが、スパさんはスパさんだ。

なぜスパさんの改造を行ったかというと単純。
魔石集めのお手伝いをしてもらうためだ。

スパさんの時は一人でずっと戦って魔石集めをしたので、今回はスパさんに魔物退治のお手伝いをしてもらおうという事にしたのだ。

そもそも、躯体がフルアダマンチウムなので防御力が異常に高い。
攻撃力が不足していた点は、2本の剣と尻尾を追加した。
元々、フルアダマンチウムなので追加は魔力を練って変形させることで可能だった。

最初は慣れない体にスパさんも大変そうだったが、1時間もしない間に剣や尻尾を使いこなしていた。

元々マリオネットにはレベルという概念はないが、莫大な魔力量を誇るスパさんは、かなり強かった。
身体が小さくフルメタルの割に軽量の為、高純度魔力結晶の能力を全開にするとなかなかの敏捷性と攻撃力を誇る。

その日は、俺が魔物を作成し、スパさんが討伐、パペさんが解体補助と素材の搬送。
マリさんが解体と新しいマリオネットの作成などを行った。

時間加速を使用した事もあったが、スパさんと同じ2500個の魔石を集めるのに5時間程度しかかからなかった。スパさんがスパスパ切りまくっていた。

素材調達が終わったのが、夜の12時頃だったので、またお風呂に入ってから就寝することにした。

翌朝目覚めると、マリさんが変形前のスパさんそっくりのマリオネットを作成していた。
スパさんと名前がかぶるとめんどくさいので、蜘蛛からとって「モクさん」と名付けた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...