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60話
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かと思いきや、威力が想定以上に無かった。確かに攻撃をノーガードで食らったのでダメージ自体は大きいが、一般的なAランクモンスターの攻撃を上手く防御した時とダメージ量自体は変わらなかった。
ということは推定の攻撃力はBランク、もしくはCランク位?
「こいつら他のステータスの割に攻撃力が低いのよ。だから攻撃を入れることに集中しなさい」
杏奈さんの方を見ると、既に無傷で2頭仕留め終わっていた。
「分かった!」
防御は完全に諦め、反撃を一発でも食らわせることに集中する。
「ガウッ!」
そして先ほどと同じように死角に高速で回り込んでから攻撃を仕掛けてこようとしてきたので、拳を背後に向けて全力で振り回す。
「キャイン!!」
「当たった……」
これも避けられるかもしれないと思いながらの攻撃だったが、あっさりと攻撃は命中し遠くまで吹き飛ばされて動かなくなっていた。
「じゃあ次も……」
残りの2頭もこの勢いで討伐してしまおうと考えたのだが、イザベルさんの弓によって既に両方討伐されていた。
『では先に進むか』
そう言ってイザベルさんは犬の死体に手を翳した瞬間、犬がどこかへと消え去った。
「え?何をしたんですか?」
多分素材を捨てたり消したわけではなく、回収したのだとは思うが、どんな手法を使ったのかが全く分からなかった。
『何をと言われても。アイテムボックスを使用しただけだが。私たちと成長の理が違うウヅキならともかくキサラギも私たちと同じ世界の出身なのだから使えて然るべきはずだが』
「そんなこと言われても使えないものは使えないんですが」
そんな使えて当然みたいな表情をされても困ります。
『使えない?そんな職業スキルなんてあったか……?』
「職業スキル?」
『ああ。【剣士】や【魔術師】等、○○級という表記の無いスキルだ。産まれた時から無条件で獲得している筈だが』
「○○級の表記が無いスキル?【スキル修練】とか【学習】みたいなスキルの事ですか?」
『それは違う。特殊ではあるが、この世界で獲得できるただの一般スキルだ』
「それでないのなら無いですね」
「ねえ、もしかしてそれって美月が持っている【聖者】みたいな事じゃないかしら?」
『ああ、それの事だ。というより、この世界にやってきた別の人間が聖者を持っていたのか!?』
「そうね。間違いなく聖者だと言っていたわ」
『だから次の世代の聖者が見つからなかったわけだ』
「そんなに貴重なんですか?」
『当然だ。【勇者】に並ぶ最強の職業で、持ち主は世界に一人しか存在しないのだから』
「美月って思っている数倍凄い才能の持ち主だったんですね……」
『それが本当なら間違いなく最高の才能の持ち主だ。時間があるのであれば話をしてみたいな。とそれは今は関係ない。本当にキサラギは職業スキルを持っていないのか?』
「はい、持っていませんし取得可能スキルにもそんなものはありません」
『そうか、キサラギは無職なのか……』
「無職?」
『職業スキルを持たない者の事だ。日常生活を歩むことは可能だが、こんな感じでモンスターと戦えず、仮に戦っても一般スキルしか獲得出来ないため弱者とされている。世界に一人しかいない聖者とは違い、20人に1人は居るので左程珍しいものではない』
「弱者……」
『だがキサラギは圧倒的な強者になりつつある。だから当然職業スキルを持っていると思ったのだが……』
「ねえちょっと質問良いかしら。イザベルさんはベッドで睡眠することに関連したスキルを獲得できる?」
『何だそれは。そんな馬鹿みたいな一般スキルは存在しない。あるのは戦闘やダンジョン探索に関連するもののみだ』
「では、地球でしか知らないような一般スキルを獲得可能にはなったかしら?」
『それはあったな。ゲリラ戦闘だったか?これは私たちの世界では見たことも聞いたことも無い。探せばもっと沢山存在するのだろうな』
「なるほど、増えてはいるのね。だけど私や無職の飛鳥と違って獲得できるスキルの選択肢が圧倒的に少ないわね」
『少ない?』
「ええ。美月とイザベルさんはそちらの世界のルールに則った戦闘やダンジョン探索といったスキルしか獲得できないのに対し、飛鳥は【呼吸】や【スキップ】等、地球で確認されている全てのスキルを条件さえ満たせば獲得できるのよ」
『ほぼ全てのスキル。確かに魅力的だが、強くなる上ではあまり関係なさそうに見えるな』
「関係大有りね。例えばさっき上げた【呼吸】で言えば呼吸の効率が上がることで心肺能力が向上し、体力に補正がかかるわ。そして、【スキップ】に関してはスキップに必要な足を上げる動作や跳ぶ動作に補正がかかるから、結果的に蹴りの威力に補正がかかるのよ」
『何だそれは。無茶苦茶ではないか』
「私も良く分からないわ」
『まあ、味方が強くなることにケチをつける理由もないか』
「そうよ。飛鳥が強くなることで将来的に楽を出来るのは私たちなんだから」
『でもどうして飛鳥だけがそんな風になったのだろうか』
「100%そうだとは言えないのだけれど、同じ異世界人である美月やイザベルさんと違って職業スキルを持たない分、スキルは戦闘やダンジョン探索に関係するものしかないというそちらの世界のルールに縛られなかったのではないかしら」
『確かに明確に違う部分はそこだけだものな』
「つまり、飛鳥は異世界で才能が無かったお陰で今地球で強くなれているということよ。良かったわね才能が無くて」
「言い方言い方」
職業スキルを持たない人は異世界で一人だけってわけじゃないんだから。
『とりあえず強さの代償として職業スキルを持っている者のみが使用できるスキルは軒並み使えないということが分かった。アイテムは私が回収しておくことにする』
「ありがとう」
「じゃあ進みましょうか」
俺の強さに関する秘密がわかった所で、先に進むことにした。
ということは推定の攻撃力はBランク、もしくはCランク位?
「こいつら他のステータスの割に攻撃力が低いのよ。だから攻撃を入れることに集中しなさい」
杏奈さんの方を見ると、既に無傷で2頭仕留め終わっていた。
「分かった!」
防御は完全に諦め、反撃を一発でも食らわせることに集中する。
「ガウッ!」
そして先ほどと同じように死角に高速で回り込んでから攻撃を仕掛けてこようとしてきたので、拳を背後に向けて全力で振り回す。
「キャイン!!」
「当たった……」
これも避けられるかもしれないと思いながらの攻撃だったが、あっさりと攻撃は命中し遠くまで吹き飛ばされて動かなくなっていた。
「じゃあ次も……」
残りの2頭もこの勢いで討伐してしまおうと考えたのだが、イザベルさんの弓によって既に両方討伐されていた。
『では先に進むか』
そう言ってイザベルさんは犬の死体に手を翳した瞬間、犬がどこかへと消え去った。
「え?何をしたんですか?」
多分素材を捨てたり消したわけではなく、回収したのだとは思うが、どんな手法を使ったのかが全く分からなかった。
『何をと言われても。アイテムボックスを使用しただけだが。私たちと成長の理が違うウヅキならともかくキサラギも私たちと同じ世界の出身なのだから使えて然るべきはずだが』
「そんなこと言われても使えないものは使えないんですが」
そんな使えて当然みたいな表情をされても困ります。
『使えない?そんな職業スキルなんてあったか……?』
「職業スキル?」
『ああ。【剣士】や【魔術師】等、○○級という表記の無いスキルだ。産まれた時から無条件で獲得している筈だが』
「○○級の表記が無いスキル?【スキル修練】とか【学習】みたいなスキルの事ですか?」
『それは違う。特殊ではあるが、この世界で獲得できるただの一般スキルだ』
「それでないのなら無いですね」
「ねえ、もしかしてそれって美月が持っている【聖者】みたいな事じゃないかしら?」
『ああ、それの事だ。というより、この世界にやってきた別の人間が聖者を持っていたのか!?』
「そうね。間違いなく聖者だと言っていたわ」
『だから次の世代の聖者が見つからなかったわけだ』
「そんなに貴重なんですか?」
『当然だ。【勇者】に並ぶ最強の職業で、持ち主は世界に一人しか存在しないのだから』
「美月って思っている数倍凄い才能の持ち主だったんですね……」
『それが本当なら間違いなく最高の才能の持ち主だ。時間があるのであれば話をしてみたいな。とそれは今は関係ない。本当にキサラギは職業スキルを持っていないのか?』
「はい、持っていませんし取得可能スキルにもそんなものはありません」
『そうか、キサラギは無職なのか……』
「無職?」
『職業スキルを持たない者の事だ。日常生活を歩むことは可能だが、こんな感じでモンスターと戦えず、仮に戦っても一般スキルしか獲得出来ないため弱者とされている。世界に一人しかいない聖者とは違い、20人に1人は居るので左程珍しいものではない』
「弱者……」
『だがキサラギは圧倒的な強者になりつつある。だから当然職業スキルを持っていると思ったのだが……』
「ねえちょっと質問良いかしら。イザベルさんはベッドで睡眠することに関連したスキルを獲得できる?」
『何だそれは。そんな馬鹿みたいな一般スキルは存在しない。あるのは戦闘やダンジョン探索に関連するもののみだ』
「では、地球でしか知らないような一般スキルを獲得可能にはなったかしら?」
『それはあったな。ゲリラ戦闘だったか?これは私たちの世界では見たことも聞いたことも無い。探せばもっと沢山存在するのだろうな』
「なるほど、増えてはいるのね。だけど私や無職の飛鳥と違って獲得できるスキルの選択肢が圧倒的に少ないわね」
『少ない?』
「ええ。美月とイザベルさんはそちらの世界のルールに則った戦闘やダンジョン探索といったスキルしか獲得できないのに対し、飛鳥は【呼吸】や【スキップ】等、地球で確認されている全てのスキルを条件さえ満たせば獲得できるのよ」
『ほぼ全てのスキル。確かに魅力的だが、強くなる上ではあまり関係なさそうに見えるな』
「関係大有りね。例えばさっき上げた【呼吸】で言えば呼吸の効率が上がることで心肺能力が向上し、体力に補正がかかるわ。そして、【スキップ】に関してはスキップに必要な足を上げる動作や跳ぶ動作に補正がかかるから、結果的に蹴りの威力に補正がかかるのよ」
『何だそれは。無茶苦茶ではないか』
「私も良く分からないわ」
『まあ、味方が強くなることにケチをつける理由もないか』
「そうよ。飛鳥が強くなることで将来的に楽を出来るのは私たちなんだから」
『でもどうして飛鳥だけがそんな風になったのだろうか』
「100%そうだとは言えないのだけれど、同じ異世界人である美月やイザベルさんと違って職業スキルを持たない分、スキルは戦闘やダンジョン探索に関係するものしかないというそちらの世界のルールに縛られなかったのではないかしら」
『確かに明確に違う部分はそこだけだものな』
「つまり、飛鳥は異世界で才能が無かったお陰で今地球で強くなれているということよ。良かったわね才能が無くて」
「言い方言い方」
職業スキルを持たない人は異世界で一人だけってわけじゃないんだから。
『とりあえず強さの代償として職業スキルを持っている者のみが使用できるスキルは軒並み使えないということが分かった。アイテムは私が回収しておくことにする』
「ありがとう」
「じゃあ進みましょうか」
俺の強さに関する秘密がわかった所で、先に進むことにした。
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