上 下
1 / 1

現れたダンジョン

しおりを挟む
近所にダンジョンが現れたらしい。最近はその話で持ちきりだ。最近は世界中でダンジョンが発生しているようで各国は対応に追われまくっている。当然日本もその一つであり数多く現れたダンジョンの対応に追われているという。

市に一つとか数万人に一つとかだったら良かったんだが街ごとに一つなのが悪いのだ。日本だけで2000近くのダンジョンがあるらしい。

最初は自衛隊に対してさっさと対応しろとの声を上げる人が多かったのだが1000を超えたあたりでそういう人達も察したのか声が上がらなくなるレベルだった。最近では増えすぎたダンジョンの対応に追われている自衛隊に大体の人間が同情していた。

そんな理由もあり近所のダンジョンは一切手がつけられていない。いつになるのかも分からず下手したら数年後の恐れもあるという。

そんなこんなでダンジョンは放置されることになった。

このファンタジー世界の産物に対して興味の湧かないオタクなんているはずもなく、俺は友人である悠人と良太郎に声をかけてダンジョンに潜入することにした。

俺たちはホームセンターに向かい各々の知識でダンジョンと戦えそうなものを買い揃えた。

俺はスコップと塩を買った。スコップは武器として使えることで良く知られているものだ。また、塩はスライムに有効だとよくネット小説で見たので試しに購入してみた。

友人はというと、悠人はバールと洗剤を買い、良太郎はさすまたと高枝切りバサミを買っていた。

俺たちはそのままダンジョンに向かった。

するとすぐにモンスターに遭遇した。ゴブリンだった。

「やるぞ!2人とも!」

「「おう!」」

俺たちはそれぞれ武器を構えた。まずは良太郎がさすまたを構えゴブリンに向かい突進した。そのまま横の壁にゴブリンを張り付けた。

その隙を逃さず悠人と俺はバールとスコップでゴブリンを殴りつけた。

すると流石の威力であり、2人のそれぞれの一撃でゴブリンは死んだのか消滅した。

「思ったより楽だったな」

「そうだね」

「まあ最初だからじゃね」

「それもそうだな」

そんなことを話しながらダンジョンを進んでいった。

その後もゴブリンしかおらず、楽な戦闘しかなかった。

しかし遭遇率が高くあいつらの消滅後に落とすアイテムのせいで荷物が嵩んでいた。

そんなことに文句を言いながら最深部らしいところまで到達した。

そして現れたボスっぽいやつが少し大きめのゴブリンだった。

しかし関係無かった。さすまたで押さえつけバールとスコップで数回殴るだけだった。

めちゃくちゃ弱かった。もちろん素手だったら少し大変だっただろうけども。

何がともあれあっさりとダンジョンを踏破してしまった。

時間で言うと一時間半位だった。

俺らが強いというよりどう考えても敵が弱かった。

少し残念だなと思いつつも楽しかったダンジョン攻略は終わった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...