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天へと届く1つの柱
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先日、関東にて大きめの地震が起きた。ニュースによると一番強いところで震度6弱らしい。しかし、被害はさほど無く電車が数本止まった程度のようだ。とは言っても社会人にとっては死活問題なのかもしれないが。
ただ、それだけならば1日から2日ニュースになった程度で終わるのだろう。今回はそれ以外に大きな事が起こってしまったために大ニュースとなっている。東京湾の陸地から500m程離れた場所に巨大な柱が地震と同時に現れたのだ。
この巨大な柱を巡って連日ニュースが続いていたというわけだ。自衛隊が武器を持ち込んで柱の内部に潜入したところ、この世にいるはずのない生き物たちで溢れかえっていた。この柱が何階分あるのかは分からないが、5階分調査が出来たらしい。
それによると、この世の生き物を合成させたいわゆるキメラのような動物らしい。ライオンとトラを合成させたものや、カブトムシとクワガタを合成させて巨大化させたものまでいたらしい。
それだけならば武器だけでもどうにかなりそうなものなのだが、実際は上手くいかなかった。合成させた生き物それぞれの良いところが現れているのでは無く、能力値を純粋に足されていたのだ。
時速50kmの生き物と時速75kmの生き物を混ぜたら時速75kmになるのではなく時速125kmになっているらしい。物理学的にはおかしいのかもしれないが、流石異形の生き物といった感じだ。
これらの生き物はとても良い素材となった。加工は普通の生き物に比べて難しいようではあるが、非常に良質なものが作れるらしい。また、全てに共通する特徴として、心臓の代わりに石があった。それは触れると消えてしまうが、その代わりとして身体能力が上昇するという代物だった。
ここまで自衛隊が調査を行なっていたが、自衛隊だけでは管理が難しいという。それも当然だ。柱の高さは上が見えない程であり、柱の大きさは東京の近くにある某夢の国なんて比にならない大きさだからだ。
そして国は俺たち国民に助けを求めた。俗にいう冒険者となってこの柱の中にいる生き物を倒し、良質な素材を手に入れてくれというものだった。
人々は危険があるとは理解しつつも柱の中にいる生き物を倒し一攫千金を狙うために数多くの人間が集まった。俺もその中の1人だった。
俺はここで金を稼ぎ成功した人生を歩もうと考えていた。成功したことが必ず良い人生だとは言えないが、成功した人間は高確率で良い人生を歩めるからだ。こんな絶好なチャンスを逃したくはないと金属バットと切れ味の良い解体用の包丁を持って柱へと入った。
そして少し歩くと、犬と猫を混ぜたような生き物に出会った。俺は倒すべく金属バットを持ち殴りかかった。サイズが柴犬くらいだとはいえ、2つの生き物を掛け合わせてある分とても強かった。人間の俺なんかとは比較にならないスピードで翻弄し、隙を見つけては攻撃してきた。俺のスイングスピードでは当たるはずもない。
俺は解体用の包丁も構え、カウンターに徹することにした。相手が飛び込んでくる場所に金属バットを構え、そしてすぐそばに包丁を添えた。攻撃を受け止めつつ相手のスピードを生かして包丁で深く刺した。
そんなやりとりが5回ほど続いたところ、ついに相手の息の根が止まった。とうとう倒すことに成功したのである。
時間は20分くらいしか経っていないが、俺にはこの時間が2時間にも3時間にも感じた。俺はすぐさまこの生き物を解体するべく安全な場所へと移動した。
解体に関しては素人であり、そして初めて見る生き物のため解体には苦労した。ほとんど失敗しているのだろう。しかし問題ない。俺は心臓にあった石に触れた。すると力がみなぎってくる。実際のところ大きな変化はないのではあるが、俺にとっては大きな変化だ。俺は成功への第一歩を踏み出せたのだと。
俺は一歩ずつ進むのだ。
ただ、それだけならば1日から2日ニュースになった程度で終わるのだろう。今回はそれ以外に大きな事が起こってしまったために大ニュースとなっている。東京湾の陸地から500m程離れた場所に巨大な柱が地震と同時に現れたのだ。
この巨大な柱を巡って連日ニュースが続いていたというわけだ。自衛隊が武器を持ち込んで柱の内部に潜入したところ、この世にいるはずのない生き物たちで溢れかえっていた。この柱が何階分あるのかは分からないが、5階分調査が出来たらしい。
それによると、この世の生き物を合成させたいわゆるキメラのような動物らしい。ライオンとトラを合成させたものや、カブトムシとクワガタを合成させて巨大化させたものまでいたらしい。
それだけならば武器だけでもどうにかなりそうなものなのだが、実際は上手くいかなかった。合成させた生き物それぞれの良いところが現れているのでは無く、能力値を純粋に足されていたのだ。
時速50kmの生き物と時速75kmの生き物を混ぜたら時速75kmになるのではなく時速125kmになっているらしい。物理学的にはおかしいのかもしれないが、流石異形の生き物といった感じだ。
これらの生き物はとても良い素材となった。加工は普通の生き物に比べて難しいようではあるが、非常に良質なものが作れるらしい。また、全てに共通する特徴として、心臓の代わりに石があった。それは触れると消えてしまうが、その代わりとして身体能力が上昇するという代物だった。
ここまで自衛隊が調査を行なっていたが、自衛隊だけでは管理が難しいという。それも当然だ。柱の高さは上が見えない程であり、柱の大きさは東京の近くにある某夢の国なんて比にならない大きさだからだ。
そして国は俺たち国民に助けを求めた。俗にいう冒険者となってこの柱の中にいる生き物を倒し、良質な素材を手に入れてくれというものだった。
人々は危険があるとは理解しつつも柱の中にいる生き物を倒し一攫千金を狙うために数多くの人間が集まった。俺もその中の1人だった。
俺はここで金を稼ぎ成功した人生を歩もうと考えていた。成功したことが必ず良い人生だとは言えないが、成功した人間は高確率で良い人生を歩めるからだ。こんな絶好なチャンスを逃したくはないと金属バットと切れ味の良い解体用の包丁を持って柱へと入った。
そして少し歩くと、犬と猫を混ぜたような生き物に出会った。俺は倒すべく金属バットを持ち殴りかかった。サイズが柴犬くらいだとはいえ、2つの生き物を掛け合わせてある分とても強かった。人間の俺なんかとは比較にならないスピードで翻弄し、隙を見つけては攻撃してきた。俺のスイングスピードでは当たるはずもない。
俺は解体用の包丁も構え、カウンターに徹することにした。相手が飛び込んでくる場所に金属バットを構え、そしてすぐそばに包丁を添えた。攻撃を受け止めつつ相手のスピードを生かして包丁で深く刺した。
そんなやりとりが5回ほど続いたところ、ついに相手の息の根が止まった。とうとう倒すことに成功したのである。
時間は20分くらいしか経っていないが、俺にはこの時間が2時間にも3時間にも感じた。俺はすぐさまこの生き物を解体するべく安全な場所へと移動した。
解体に関しては素人であり、そして初めて見る生き物のため解体には苦労した。ほとんど失敗しているのだろう。しかし問題ない。俺は心臓にあった石に触れた。すると力がみなぎってくる。実際のところ大きな変化はないのではあるが、俺にとっては大きな変化だ。俺は成功への第一歩を踏み出せたのだと。
俺は一歩ずつ進むのだ。
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