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第1章 王都脱出
(13)オランジェ国王の協力
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ティムと王子がヤンの店に戻ると、トマスが待っていた。
「よう! 無事にご帰還、お疲れさま! 飯あるぞ」
「ヤン。ありがとう。助かる。トマス、どうした?」
「帰りを待ってた。重要な話がある」
「分かった。すぐに聞こう」
「おまえら、飯あるって言ってるだろ。食いながら話せ」
「そうだな、ヤン。すまない、愛してる」
「お、おう。オレもだが、今、言うな」
「ふふふ。ヤンも照れるんだな」
「当たり前だ、ティムだってそうだろ?」
「ははっ。それで、話って?」
4人で食卓を囲みながら、話を始める。
ヤンは、錬金術師になるにはもったいないほどの料理上手だ。
「マイスターに、吸血鬼治療薬の調合の話をした。
ある程度、おまえのことも話させてもらった」
「うん、それは分かっている。何も説明しないってわけにはいかんだろう」
「それで、マイスターがおまえに会いたいと言っている」
「それは構わないが、なぜだ?」
「オレには、よく分からん」
「そうか。いつ?」
「いつでもいいと。オレが連れて行くことになっている」
「そうなのか? ずいぶん、急な話だな」
「ああ。深刻な顔をしていた」
「それじゃあ、飯を食ったら行くとするか」
「いいのか? 疲れは?」
「吸血鬼ってやつは、回復が早いようだ」
「そうか。それじゃ、頼む」
香ばしいパンとチーズ、シカ肉のシチュー、それに少しばかりのワイン。
4人の早めの夕食は、和やかに進んだ。
「ルイも、ともに行っても構わないだろう?」
「ああ。連れがいることも話してある」
「良かった。ルイ、行こう」
「うん」
王子は嬉しそうにティムの腕をつかみ、耳元に口を寄せる。
そして、少しからかうように小声で言う。
「どうした? 今回は、置いて行くと言わないのか?」
「もう言いません。実力は知っています。
マイスターと繋ぎをつけておくのは、今後にとって有益でしょう」
「そうだな……」
「それに、わたしがルイと離れたくはない」
「なっ! そ、そんなの。わたしだって」
「さっき血をいただいて、疲労はすでに回復しています。
回復しすぎるほどに。今夜も覚悟してくださいよ?」
そう言って、ティムは王子の耳元にチュッと音を立てて口づけをする。
王子は、耳を押さえて顔を真っ赤にしている。
そんな王子を見て、ティムは満足気に笑った。
***
魔術師ギルドは、街の中心部にあった。
広場を囲むように、いくつかの大きな建物がある。
その中でも一際目を引く建物が、魔術師ギルドだった。
「すごいな。王都のギルドより豪華じゃないか」
「まぁ、こっちが本部だからな」
「なるほど、確かに」
中に入ると、広いロビーには大きな花壇がある。
この国のすべての植物が植えられているようだ。
オレンジ色のローブに身を包んだ魔術師たちが、歩き回っている。
「こっちだ」
トマスに案内されたのは、玉虫色に輝く門らしきものの前。
「なんだ? これは」
「転移門だ。マイスターの執務室には、ここからしか入れない」
「なるほど」
「オレから離れるな」
ティムと王子は、トマスが門に入るのと同時に中に入った。
ぬるりとした不思議な感触の門を抜けると、中は普通の建物内に見える。
トマスが、廊下の突き当たりのドアを叩く。
中から声がして、トマスがドアを開ける。
トマスに続き、ティムと王子も中に入る。
「ようこそ、おいでくださった。ギルドマイスターのリヒターです」
「はじめまして。ティムと連れのルイです」
迎え入れてくれたのは、銀髪の男性。
銀の刺繍がされたオレンジ色のローブが、マイスターらしさを感じさせる。
「実は、あなたがたの素性は存じあげております」
「えっと? それは、どういうことです?」
「そのフードは、わたしが魔法研究の過程で作ったものです」
「……というと?」
「あなたが接触した影のギルドと魔術師ギルド。ふたつは、協力関係にあります」
「……どういうことです?」
「正確には、どちらも、この国の王の下にある組織だということです」
「影のギルドは、非合法な組織ではない?」
「ええ。むしろ、王の直属の組織なのです」
「……そうでしたか」
そう言われて、ティムは疑問が解けた気がした。
整備された街の中にある、不自然な廃屋。
吸血鬼であることを隠すフードの存在。
影ギルドにも魔術師ギルドにも吸血鬼がいること。
影ギルドは、暗殺者集団ではなく王の諜報機関なのだろう。
「ということは……、ルイのことも?」
「ええ。存じあげております」
「分かりました。けれど、今はふたりとも旅人として扱っていただきたい」
「はい。承知しております」
「それで、我々は何のために呼ばれたのでしょうか?」
「オランジェと連邦国家全体をともに守るために」
「それはまた、大きなお話だ」
「あなたがたが旅をしている経緯は、存じております。
今、王都が危機に陥っていることも」
「はい。王都の広い範囲に魅了魔法がかけられています。
多くの者が正常な判断ができない状態にあると思われます」
「魔法のことゆえ、我々もすぐに対処し、王都を守りたかったのですが」
「何か問題が?」
「ええ。王都や王権の問題に対処するには、外交官レベルでは足りません。
ラントの王が直接出向いて、話し合いをしなければならない」
「はい、その通りです」
「しかし、オランジェの王は外に出られる状態ではないのです」
「何かご病気でも?」
「いえ。まぁ、病気とも言えますが」
「はい? どういう意味です?」
「オランジェの王は、10年ほど前から吸血鬼になっているのです」
「え? 王がですか?」
「そうです」
「それは、なぜです? それに治療は、なさらないのですか?」
オランジェ王は、優秀な魔術師であり学者でもあるという。
魔術と錬金術の学位を持ち、大学でも教鞭を取っている。
新たな魔法の開発や薬の研究にも熱心だった。
王が研究開発した薬や魔法書が利益をもたらし、国は豊かになった。
それでも、王の学術的好奇心は、やむことがなく。
採取などにも自ら出かけて行く。
そして、10年ほど前のこと。
出かけた先で吸血鬼に襲われ、『血の病い』に感染する。
すぐに対処できたはずなのに、王はわざわざ吸血鬼になる道を選ぶ。
吸血鬼の能力を得て、より研究を進めるためだという。
ただひとつ問題があった。
昼の間の活動が、制限されてしまったことだ。
それゆえ、王都での会議などはすべて代行にまかせていた。
「しかし、今回の問題に対処するには代行では足りません」
「ええ、そうでしょう」
「ですから、王も吸血鬼を治療しようと決意なさったのですが」
「何か問題が?」
「素材が足りないのです。吸血鬼の灰が、まったく足りません」
「ああ、なるほど」
「王は、吸血鬼といえど、戦闘はまったく不得手でございまして。
かと言って、ほかの者を危険にさらすのも嫌だと」
「そんな時に我々が現れたわけですね」
「はい。ぜひ、ご協力いただければと」
「もちろんです。我らこそ、マイスターに調合をお願いしたいと」
「ご理解、感謝します」
「しかし、まだ灰しか集められていないのですが」
「ええ、結構です。こちらは逆にそれ以外の素材は豊富に」
「そうでしたか。では、これを」
ティムは、砦跡で倒した吸血鬼の灰20人分をマイスターに渡した。
さらに、ティムを襲った吸血鬼の灰も取り出して渡す。
「あなたの分と王の分だけで、結構なのですよ?」
「いえ。これは、どうかそちらに。
今後、必要なかたのためにお使いいただきたい」
「それは、ありがたい。王にもお伝えします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「薬はでき次第、トマスに持たせます」
「ええ。感謝します」
トマスに連れられて、ティムと王子はヤンの店へと戻った。
日はいつの間にか沈んで、街は夜のざわめきが聞こえる。
トマスは、店までふたりを送るとすぐにギルドに戻っていった。
「おう! 戻ったか。どうだった? 薬は作れそうか?」
「うん。トマスのおかげで、マイスターと話ができたよ」
「そりゃあ、良かった。オレは、トマスに夜食を届けるから。
おまえらは、ゆっくり休んでくれ。楽しんでもいいぞ」
「ははは。ルイ、先に上に」
「うん」
「ヤン。ルイは、あれで恥ずかしがりやなんだぞ」
「悪りぃ、悪りぃ。かわいくて、からかいたくなるやつだな」
「かわいいのは認める」
「ぶはっ! おまえがねぇ。
ここだけの話、おまえは何があっても王子一筋かと思ってたがな」
「それは、その通りだ」
「おっ! 心の浮気は、本気だって言うぞ?」
「ふふふ。オレは、いつだって本気だ」
「どういう意味だよ? 浮気性め~!」
「ははは、言ってろ」
ヤンと以前のように、軽口を叩き合ってからティムは二階へ向かう。
と、店からは見えない階段の陰に王子が座っている。
なぜだか、顔を真っ赤にしている。
一緒に階段を上がって、部屋に向かう。
「ルイ。どうしたんですか?」
「先に行け、なんて言うから」
「あの、ヤンが失礼ばかり言うので」
「あの軽口は楽しい。失礼とは思っていない」
「それなら良かったです」
「でも、少し妬ける」
「何にです?」
「仲が良さそうで」
その言葉を聞いたティムが、王子の唇にチュッと軽く口づける。
「でも、あいつにこんなことはしませんよ?」
「分かってる! 分かってるけど……」
王子の装備を解いて、衣服を脱がせていく。
ひとつ脱がせるたびに、そのすべてを確かめるように唇を落とす。
「ん、……くぅ。あ、ふぅ。ん、んん。な、なに、してる……?」
「大変な一日でしたからね。傷がないか確認しているんです」
「んくぅ……。はぁ、そう、しないと……、分からない、のか?」
「そうですねぇ。繊細な肌の傷は、こうしないと」
「……んはぁ。口の中は、肌じゃない……」
「でも、口の中も切っているかも知れませんよ?」
「んん。……ふぅ、……くっ。あぁ! そこは、体の中だから……」
「ケガがあったら大変ですからね、すべて確認させてください」
「う、うん。……あ、くぅ。ふっ、ふっ、……んあ! ……んっ」
ティムが王子の隅々まで確認していく。
唇も舌も指も、すべてを使って。
ゆるやかに、優しく優しく動く。
いつもとも違い、激しすぎもしない、ゆるやかな交わり。
王子は、ゆったりと追いつめられていく。
声にならない声をあげて、王子は果てる。
それを見たティムもまた。
「……ほ、本気って、……本当?」
「……聞こえてたんですか? ……すみません」
「……な、なんで謝る?」
「オレが独占していいかたじゃないのに……」
「謝るな。独占もしてほしい……」
「本当にいいんですか?」
「うん……」
王子の言葉に、再び反応してしまうティム。
ふたりの夜は、しばらく眠れそうになかった。
*****
砦跡の吸血鬼退治から、オレは考えを改めた。
王子ったら、結構強い!
保護する相手っていうより、パートナーっぽい。
だから、どこにでも一緒に行くことにした。
王子は、結構、喜んでるようだし。
かわいいなぁ~!
魔術師ギルドのオッサンの話には驚いた。
影ギルドも魔術師ギルドもオランジェ王の直轄なの⁉︎
影ギルドって、忍び的なもん?
なるほどなぁ!
地方もひとつの国だから、あり得るよなぁ。
ゲームの中でもオランジェの王は、吸血鬼だった。
ただ、なんで吸血鬼になったのかとかは分からなかった。
メインストーリーに関係ないからか?
初めて知って、オレもなるほど~とか思っちゃってたよ。
吸血鬼の灰は、魔術師ギルドにすべて渡すことにした。
オレの錬金スキルじゃ、宝の持ち腐れになりそうだし。
ギルドと王、どっちにも繋ぎをつけられるってのはお得。
吸血鬼を治す薬も作ってもらえることになって、ひと安心。
これで、いつでも戻れる。
逆に、しばらくこのままでも問題ないってのがいい。
ヤンの家に戻ってからの王子がかわいすぎて。
オレは、ゆったりかわいがってしまった。
ヤンとオレの仲に妬くなんて、どうよ?
しかも、階段で話を聞くとか。
くぅ~! もちろん、第2ラウンドもいっちゃうでしょ!
*****
次の朝。
ギルドに残っていたトマスが戻ってきた。
小さな小瓶を携えて。
「マイスターが、寝ないで調合した。おまえの分だ」
「トマス。ありがとう。おまえも寝てないんだろ?」
「オレも調合を見せてもらってたからな。すごく勉強になった」
「良かった。休まないのか?」
「オレは、飯を食ったら休むが。おまえらは、次があるぞ」
「次って?」
「王が会いたいそうだ」
「なにっ? 今は、こんな格好だがいいのか?」
「大丈夫だ。そういうことを気にするかたではない」
「それならば、いいが……」
「迎えの執務官が来るらしい。飯を食ったら、準備してくれ」
「分かった」
トマスの話通り、王の使いだという執務官がやって来た。
執務官に案内されて、城へと向かう。
城は、魔術師ギルドを大きくしたような建物だった。
城とは、本来は軍事拠点であるはずだ。
だが、ここは研究施設のような造りだった。
至るところに本が並べられ、錬金道具が置かれている。
衛兵も魔導兵が多い。
謁見の間に案内されるのかと思ったが、案内されたのは王の研究室だった。
「お初にお目にかかる。ハンス=オランジェだ。
公の謁見にはせずにおくために、こちらにお呼びした」
「はじめまして。わたしはティム。こちらが、連れのルイです。
ご配慮ありがとうございます」
「おふたりのことは、承知している。
あくまで旅人として扱ってよいというのは本当だろうか?」
「ええ。そのほうが、ありがたいです」
「承知した。このたびは、我が国のギルドに協力いただき感謝する。
砦跡の問題も同時に片づけていただけるとは」
「いえ、こちらも薬を作るのにご協力いただきましたから」
「今、王都で起きていることは承知している。
そのために、わたしも10年ぶりに外に出るつもりだ」
「はい。ただ、未だ、魅了魔法の目的も理由も分かってはいません」
「うん。わたしも影ギルドの者たちに探らせてはいる。
今回の件に、ゴルトが関わっているのは本当か?」
「ゴルトの国自体が、この件を引き起こしたのか。
それとも、一部の者の仕業か。それは、分かりません。
ただ、金色のローブを着た暗殺者と金色のドレスを着た女性。
どちらもゴルトの者だとは思います」
「連邦国家においては、地方の国の反乱は国の根幹を揺るがす。
他国の侵略を許す引き金にもなりかねない。
事は、慎重に進めなければならない」
「ええ。その通りです。それゆえ、我らは旅人として各国を回るつもりです」
オランジェ=ラントは、それにご協力いただけるでしょうか?」
「もちろんだ。オランジェは、現在の王になんの不満もない。
むしろ、素晴らしき統治をされていると思っている。
わたしが、10年も自国に引きこもっていられるくらいに」
「そもそも、これが反乱かどうかも判然とはしていないのです。
それでも、王と王妃が操られたのは確かです。
ですから、一度は全王会議が開かれるかと」
「ふむ。本当にわけの分からない事態だ。
けれど、どのような事態であっても協力はしよう」
「重ねて感謝致します。ひとつ、おうかがいしたいことが」
「なんだ?」
「王の配偶者のかたは、どちらに?」
「ああ。魅了を警戒しているのか?」
「はい。失礼ながら」
「ならば、心配はない。わたしの配偶者は、魔術師ギルドのマイスターだ」
「なるほど。それは、心強い。
わたしの考えでは、今のところ、魅了が効かない者には共通点が」
「なに? それは?」
「配偶者に同性の者を選んでいることです」
「そうか。それならば、納得だ。わたしにも効かないのだな」
「ええ、おそらく」
「それならば、これからも動きやすいだろう。
ところで、このあとは、どこの国に向かうつもりだ?」
「悩んではいますが、どこか信頼できそうな国がありますか?」
「ならば、ロートはどうだろう? 若いが、優秀な王がいる。
彼は確か美しい同性の配偶者を娶ったはず」
「それでは、おそらく魅了されていないでしょう」
「うん。それに、ロートには戦士ギルドの本部と鍛治ギルドの本部がある」
「どちらも味方にできれば、大いに助かりますね」
「その通りだ。わたしから一筆書こう」
「感謝の言葉もありません。必ず、この国を元の平和な国に戻してみせます」
「うん。ともに戦おう」
ティムと王子は、無事にオランジェ国王の協力を取りつけることができた。
予想外の進展に、王子も喜ぶ。
「ティム。すごいな。この国に来て数日で」
「ルイのおかげですよ」
「どこがだ? わたしは、あまり何もできていない」
「何を言っているんです? あなたの素性を知っているからこそ。
わたしの話を聞いてもらえるのです。みな、あなたに話しているのです」
「そうなのか?」
「納得できませんか?」
「うん……」
「それでは、別の理由を」
「別の理由?」
「あなたがいるから、あなたを守りたいから。
わたしは、旅を続けられるのです。それ以外は、どうでもいい」
「ティム……」
「本当ですよ?」
「うん。信じている。じゃあ次は、ロートだな」
「そうですね」
「ロートの王の美しい配偶者に目移りしないか?」
「ははっ。またかわいらしいことを。
その体に証明しましょうか? そんなことは決してないと」
「うん……。してほしい」
ヤンの店に戻ったふたりは、旅支度をすると言って部屋に入った。
出てきたのは、旅支度には長すぎる時間が経過してからだった。
ヤンは、降りてきたふたりに向かって笑って言った。
「床が抜けるかと思って、ドキドキしたじゃないか!」
ヤンの言葉に、ティムは笑って、王子は顔を赤らめたのだった。
***
さっそく王に会えるなんて、ビックリ!
このあたりは、ゲームよりも人の繋がりでどんどん進むらしい。
ゲームだとあれこれクエストをクリアしないと進まない。
だから、何日も同じ国にいたこともあったのに。
リアル~!
って感心してる場合じゃない。
オランジェの国王、実はやり手だったんだなぁ。
引きこもりの吸血鬼って印象だった。ゲームでは。
でも、影ギルドは作るし、自分も優秀な魔術師?
この国が豊かなわけだ。
ギルドマイスターが配偶者ってのもビックリしたね。
そりゃ、あのマイスターがオレに色々頼むわけだよ。
ともかく、次の行き先が決まったのは助かった。
でも、この国に来た目的のひとつがムダだったのは困った。
魔法書……。
なんでだ?
そして、そして王子!
ヤキモチ王子がかわいすぎて、旅支度が進まない。
体中にキスマークをつけまくって、ようやく解放してやれた。
あんなに王子って、かわいかったっけ?
ゲームの中の王子は、ほかの国でイケメンたちと楽しむ。
もっとチャラいキャラだったような?
それは、オレが動かしてたからか?
う~ん。性格が違いすぎるのは、なんでだ?
「よう! 無事にご帰還、お疲れさま! 飯あるぞ」
「ヤン。ありがとう。助かる。トマス、どうした?」
「帰りを待ってた。重要な話がある」
「分かった。すぐに聞こう」
「おまえら、飯あるって言ってるだろ。食いながら話せ」
「そうだな、ヤン。すまない、愛してる」
「お、おう。オレもだが、今、言うな」
「ふふふ。ヤンも照れるんだな」
「当たり前だ、ティムだってそうだろ?」
「ははっ。それで、話って?」
4人で食卓を囲みながら、話を始める。
ヤンは、錬金術師になるにはもったいないほどの料理上手だ。
「マイスターに、吸血鬼治療薬の調合の話をした。
ある程度、おまえのことも話させてもらった」
「うん、それは分かっている。何も説明しないってわけにはいかんだろう」
「それで、マイスターがおまえに会いたいと言っている」
「それは構わないが、なぜだ?」
「オレには、よく分からん」
「そうか。いつ?」
「いつでもいいと。オレが連れて行くことになっている」
「そうなのか? ずいぶん、急な話だな」
「ああ。深刻な顔をしていた」
「それじゃあ、飯を食ったら行くとするか」
「いいのか? 疲れは?」
「吸血鬼ってやつは、回復が早いようだ」
「そうか。それじゃ、頼む」
香ばしいパンとチーズ、シカ肉のシチュー、それに少しばかりのワイン。
4人の早めの夕食は、和やかに進んだ。
「ルイも、ともに行っても構わないだろう?」
「ああ。連れがいることも話してある」
「良かった。ルイ、行こう」
「うん」
王子は嬉しそうにティムの腕をつかみ、耳元に口を寄せる。
そして、少しからかうように小声で言う。
「どうした? 今回は、置いて行くと言わないのか?」
「もう言いません。実力は知っています。
マイスターと繋ぎをつけておくのは、今後にとって有益でしょう」
「そうだな……」
「それに、わたしがルイと離れたくはない」
「なっ! そ、そんなの。わたしだって」
「さっき血をいただいて、疲労はすでに回復しています。
回復しすぎるほどに。今夜も覚悟してくださいよ?」
そう言って、ティムは王子の耳元にチュッと音を立てて口づけをする。
王子は、耳を押さえて顔を真っ赤にしている。
そんな王子を見て、ティムは満足気に笑った。
***
魔術師ギルドは、街の中心部にあった。
広場を囲むように、いくつかの大きな建物がある。
その中でも一際目を引く建物が、魔術師ギルドだった。
「すごいな。王都のギルドより豪華じゃないか」
「まぁ、こっちが本部だからな」
「なるほど、確かに」
中に入ると、広いロビーには大きな花壇がある。
この国のすべての植物が植えられているようだ。
オレンジ色のローブに身を包んだ魔術師たちが、歩き回っている。
「こっちだ」
トマスに案内されたのは、玉虫色に輝く門らしきものの前。
「なんだ? これは」
「転移門だ。マイスターの執務室には、ここからしか入れない」
「なるほど」
「オレから離れるな」
ティムと王子は、トマスが門に入るのと同時に中に入った。
ぬるりとした不思議な感触の門を抜けると、中は普通の建物内に見える。
トマスが、廊下の突き当たりのドアを叩く。
中から声がして、トマスがドアを開ける。
トマスに続き、ティムと王子も中に入る。
「ようこそ、おいでくださった。ギルドマイスターのリヒターです」
「はじめまして。ティムと連れのルイです」
迎え入れてくれたのは、銀髪の男性。
銀の刺繍がされたオレンジ色のローブが、マイスターらしさを感じさせる。
「実は、あなたがたの素性は存じあげております」
「えっと? それは、どういうことです?」
「そのフードは、わたしが魔法研究の過程で作ったものです」
「……というと?」
「あなたが接触した影のギルドと魔術師ギルド。ふたつは、協力関係にあります」
「……どういうことです?」
「正確には、どちらも、この国の王の下にある組織だということです」
「影のギルドは、非合法な組織ではない?」
「ええ。むしろ、王の直属の組織なのです」
「……そうでしたか」
そう言われて、ティムは疑問が解けた気がした。
整備された街の中にある、不自然な廃屋。
吸血鬼であることを隠すフードの存在。
影ギルドにも魔術師ギルドにも吸血鬼がいること。
影ギルドは、暗殺者集団ではなく王の諜報機関なのだろう。
「ということは……、ルイのことも?」
「ええ。存じあげております」
「分かりました。けれど、今はふたりとも旅人として扱っていただきたい」
「はい。承知しております」
「それで、我々は何のために呼ばれたのでしょうか?」
「オランジェと連邦国家全体をともに守るために」
「それはまた、大きなお話だ」
「あなたがたが旅をしている経緯は、存じております。
今、王都が危機に陥っていることも」
「はい。王都の広い範囲に魅了魔法がかけられています。
多くの者が正常な判断ができない状態にあると思われます」
「魔法のことゆえ、我々もすぐに対処し、王都を守りたかったのですが」
「何か問題が?」
「ええ。王都や王権の問題に対処するには、外交官レベルでは足りません。
ラントの王が直接出向いて、話し合いをしなければならない」
「はい、その通りです」
「しかし、オランジェの王は外に出られる状態ではないのです」
「何かご病気でも?」
「いえ。まぁ、病気とも言えますが」
「はい? どういう意味です?」
「オランジェの王は、10年ほど前から吸血鬼になっているのです」
「え? 王がですか?」
「そうです」
「それは、なぜです? それに治療は、なさらないのですか?」
オランジェ王は、優秀な魔術師であり学者でもあるという。
魔術と錬金術の学位を持ち、大学でも教鞭を取っている。
新たな魔法の開発や薬の研究にも熱心だった。
王が研究開発した薬や魔法書が利益をもたらし、国は豊かになった。
それでも、王の学術的好奇心は、やむことがなく。
採取などにも自ら出かけて行く。
そして、10年ほど前のこと。
出かけた先で吸血鬼に襲われ、『血の病い』に感染する。
すぐに対処できたはずなのに、王はわざわざ吸血鬼になる道を選ぶ。
吸血鬼の能力を得て、より研究を進めるためだという。
ただひとつ問題があった。
昼の間の活動が、制限されてしまったことだ。
それゆえ、王都での会議などはすべて代行にまかせていた。
「しかし、今回の問題に対処するには代行では足りません」
「ええ、そうでしょう」
「ですから、王も吸血鬼を治療しようと決意なさったのですが」
「何か問題が?」
「素材が足りないのです。吸血鬼の灰が、まったく足りません」
「ああ、なるほど」
「王は、吸血鬼といえど、戦闘はまったく不得手でございまして。
かと言って、ほかの者を危険にさらすのも嫌だと」
「そんな時に我々が現れたわけですね」
「はい。ぜひ、ご協力いただければと」
「もちろんです。我らこそ、マイスターに調合をお願いしたいと」
「ご理解、感謝します」
「しかし、まだ灰しか集められていないのですが」
「ええ、結構です。こちらは逆にそれ以外の素材は豊富に」
「そうでしたか。では、これを」
ティムは、砦跡で倒した吸血鬼の灰20人分をマイスターに渡した。
さらに、ティムを襲った吸血鬼の灰も取り出して渡す。
「あなたの分と王の分だけで、結構なのですよ?」
「いえ。これは、どうかそちらに。
今後、必要なかたのためにお使いいただきたい」
「それは、ありがたい。王にもお伝えします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「薬はでき次第、トマスに持たせます」
「ええ。感謝します」
トマスに連れられて、ティムと王子はヤンの店へと戻った。
日はいつの間にか沈んで、街は夜のざわめきが聞こえる。
トマスは、店までふたりを送るとすぐにギルドに戻っていった。
「おう! 戻ったか。どうだった? 薬は作れそうか?」
「うん。トマスのおかげで、マイスターと話ができたよ」
「そりゃあ、良かった。オレは、トマスに夜食を届けるから。
おまえらは、ゆっくり休んでくれ。楽しんでもいいぞ」
「ははは。ルイ、先に上に」
「うん」
「ヤン。ルイは、あれで恥ずかしがりやなんだぞ」
「悪りぃ、悪りぃ。かわいくて、からかいたくなるやつだな」
「かわいいのは認める」
「ぶはっ! おまえがねぇ。
ここだけの話、おまえは何があっても王子一筋かと思ってたがな」
「それは、その通りだ」
「おっ! 心の浮気は、本気だって言うぞ?」
「ふふふ。オレは、いつだって本気だ」
「どういう意味だよ? 浮気性め~!」
「ははは、言ってろ」
ヤンと以前のように、軽口を叩き合ってからティムは二階へ向かう。
と、店からは見えない階段の陰に王子が座っている。
なぜだか、顔を真っ赤にしている。
一緒に階段を上がって、部屋に向かう。
「ルイ。どうしたんですか?」
「先に行け、なんて言うから」
「あの、ヤンが失礼ばかり言うので」
「あの軽口は楽しい。失礼とは思っていない」
「それなら良かったです」
「でも、少し妬ける」
「何にです?」
「仲が良さそうで」
その言葉を聞いたティムが、王子の唇にチュッと軽く口づける。
「でも、あいつにこんなことはしませんよ?」
「分かってる! 分かってるけど……」
王子の装備を解いて、衣服を脱がせていく。
ひとつ脱がせるたびに、そのすべてを確かめるように唇を落とす。
「ん、……くぅ。あ、ふぅ。ん、んん。な、なに、してる……?」
「大変な一日でしたからね。傷がないか確認しているんです」
「んくぅ……。はぁ、そう、しないと……、分からない、のか?」
「そうですねぇ。繊細な肌の傷は、こうしないと」
「……んはぁ。口の中は、肌じゃない……」
「でも、口の中も切っているかも知れませんよ?」
「んん。……ふぅ、……くっ。あぁ! そこは、体の中だから……」
「ケガがあったら大変ですからね、すべて確認させてください」
「う、うん。……あ、くぅ。ふっ、ふっ、……んあ! ……んっ」
ティムが王子の隅々まで確認していく。
唇も舌も指も、すべてを使って。
ゆるやかに、優しく優しく動く。
いつもとも違い、激しすぎもしない、ゆるやかな交わり。
王子は、ゆったりと追いつめられていく。
声にならない声をあげて、王子は果てる。
それを見たティムもまた。
「……ほ、本気って、……本当?」
「……聞こえてたんですか? ……すみません」
「……な、なんで謝る?」
「オレが独占していいかたじゃないのに……」
「謝るな。独占もしてほしい……」
「本当にいいんですか?」
「うん……」
王子の言葉に、再び反応してしまうティム。
ふたりの夜は、しばらく眠れそうになかった。
*****
砦跡の吸血鬼退治から、オレは考えを改めた。
王子ったら、結構強い!
保護する相手っていうより、パートナーっぽい。
だから、どこにでも一緒に行くことにした。
王子は、結構、喜んでるようだし。
かわいいなぁ~!
魔術師ギルドのオッサンの話には驚いた。
影ギルドも魔術師ギルドもオランジェ王の直轄なの⁉︎
影ギルドって、忍び的なもん?
なるほどなぁ!
地方もひとつの国だから、あり得るよなぁ。
ゲームの中でもオランジェの王は、吸血鬼だった。
ただ、なんで吸血鬼になったのかとかは分からなかった。
メインストーリーに関係ないからか?
初めて知って、オレもなるほど~とか思っちゃってたよ。
吸血鬼の灰は、魔術師ギルドにすべて渡すことにした。
オレの錬金スキルじゃ、宝の持ち腐れになりそうだし。
ギルドと王、どっちにも繋ぎをつけられるってのはお得。
吸血鬼を治す薬も作ってもらえることになって、ひと安心。
これで、いつでも戻れる。
逆に、しばらくこのままでも問題ないってのがいい。
ヤンの家に戻ってからの王子がかわいすぎて。
オレは、ゆったりかわいがってしまった。
ヤンとオレの仲に妬くなんて、どうよ?
しかも、階段で話を聞くとか。
くぅ~! もちろん、第2ラウンドもいっちゃうでしょ!
*****
次の朝。
ギルドに残っていたトマスが戻ってきた。
小さな小瓶を携えて。
「マイスターが、寝ないで調合した。おまえの分だ」
「トマス。ありがとう。おまえも寝てないんだろ?」
「オレも調合を見せてもらってたからな。すごく勉強になった」
「良かった。休まないのか?」
「オレは、飯を食ったら休むが。おまえらは、次があるぞ」
「次って?」
「王が会いたいそうだ」
「なにっ? 今は、こんな格好だがいいのか?」
「大丈夫だ。そういうことを気にするかたではない」
「それならば、いいが……」
「迎えの執務官が来るらしい。飯を食ったら、準備してくれ」
「分かった」
トマスの話通り、王の使いだという執務官がやって来た。
執務官に案内されて、城へと向かう。
城は、魔術師ギルドを大きくしたような建物だった。
城とは、本来は軍事拠点であるはずだ。
だが、ここは研究施設のような造りだった。
至るところに本が並べられ、錬金道具が置かれている。
衛兵も魔導兵が多い。
謁見の間に案内されるのかと思ったが、案内されたのは王の研究室だった。
「お初にお目にかかる。ハンス=オランジェだ。
公の謁見にはせずにおくために、こちらにお呼びした」
「はじめまして。わたしはティム。こちらが、連れのルイです。
ご配慮ありがとうございます」
「おふたりのことは、承知している。
あくまで旅人として扱ってよいというのは本当だろうか?」
「ええ。そのほうが、ありがたいです」
「承知した。このたびは、我が国のギルドに協力いただき感謝する。
砦跡の問題も同時に片づけていただけるとは」
「いえ、こちらも薬を作るのにご協力いただきましたから」
「今、王都で起きていることは承知している。
そのために、わたしも10年ぶりに外に出るつもりだ」
「はい。ただ、未だ、魅了魔法の目的も理由も分かってはいません」
「うん。わたしも影ギルドの者たちに探らせてはいる。
今回の件に、ゴルトが関わっているのは本当か?」
「ゴルトの国自体が、この件を引き起こしたのか。
それとも、一部の者の仕業か。それは、分かりません。
ただ、金色のローブを着た暗殺者と金色のドレスを着た女性。
どちらもゴルトの者だとは思います」
「連邦国家においては、地方の国の反乱は国の根幹を揺るがす。
他国の侵略を許す引き金にもなりかねない。
事は、慎重に進めなければならない」
「ええ。その通りです。それゆえ、我らは旅人として各国を回るつもりです」
オランジェ=ラントは、それにご協力いただけるでしょうか?」
「もちろんだ。オランジェは、現在の王になんの不満もない。
むしろ、素晴らしき統治をされていると思っている。
わたしが、10年も自国に引きこもっていられるくらいに」
「そもそも、これが反乱かどうかも判然とはしていないのです。
それでも、王と王妃が操られたのは確かです。
ですから、一度は全王会議が開かれるかと」
「ふむ。本当にわけの分からない事態だ。
けれど、どのような事態であっても協力はしよう」
「重ねて感謝致します。ひとつ、おうかがいしたいことが」
「なんだ?」
「王の配偶者のかたは、どちらに?」
「ああ。魅了を警戒しているのか?」
「はい。失礼ながら」
「ならば、心配はない。わたしの配偶者は、魔術師ギルドのマイスターだ」
「なるほど。それは、心強い。
わたしの考えでは、今のところ、魅了が効かない者には共通点が」
「なに? それは?」
「配偶者に同性の者を選んでいることです」
「そうか。それならば、納得だ。わたしにも効かないのだな」
「ええ、おそらく」
「それならば、これからも動きやすいだろう。
ところで、このあとは、どこの国に向かうつもりだ?」
「悩んではいますが、どこか信頼できそうな国がありますか?」
「ならば、ロートはどうだろう? 若いが、優秀な王がいる。
彼は確か美しい同性の配偶者を娶ったはず」
「それでは、おそらく魅了されていないでしょう」
「うん。それに、ロートには戦士ギルドの本部と鍛治ギルドの本部がある」
「どちらも味方にできれば、大いに助かりますね」
「その通りだ。わたしから一筆書こう」
「感謝の言葉もありません。必ず、この国を元の平和な国に戻してみせます」
「うん。ともに戦おう」
ティムと王子は、無事にオランジェ国王の協力を取りつけることができた。
予想外の進展に、王子も喜ぶ。
「ティム。すごいな。この国に来て数日で」
「ルイのおかげですよ」
「どこがだ? わたしは、あまり何もできていない」
「何を言っているんです? あなたの素性を知っているからこそ。
わたしの話を聞いてもらえるのです。みな、あなたに話しているのです」
「そうなのか?」
「納得できませんか?」
「うん……」
「それでは、別の理由を」
「別の理由?」
「あなたがいるから、あなたを守りたいから。
わたしは、旅を続けられるのです。それ以外は、どうでもいい」
「ティム……」
「本当ですよ?」
「うん。信じている。じゃあ次は、ロートだな」
「そうですね」
「ロートの王の美しい配偶者に目移りしないか?」
「ははっ。またかわいらしいことを。
その体に証明しましょうか? そんなことは決してないと」
「うん……。してほしい」
ヤンの店に戻ったふたりは、旅支度をすると言って部屋に入った。
出てきたのは、旅支度には長すぎる時間が経過してからだった。
ヤンは、降りてきたふたりに向かって笑って言った。
「床が抜けるかと思って、ドキドキしたじゃないか!」
ヤンの言葉に、ティムは笑って、王子は顔を赤らめたのだった。
***
さっそく王に会えるなんて、ビックリ!
このあたりは、ゲームよりも人の繋がりでどんどん進むらしい。
ゲームだとあれこれクエストをクリアしないと進まない。
だから、何日も同じ国にいたこともあったのに。
リアル~!
って感心してる場合じゃない。
オランジェの国王、実はやり手だったんだなぁ。
引きこもりの吸血鬼って印象だった。ゲームでは。
でも、影ギルドは作るし、自分も優秀な魔術師?
この国が豊かなわけだ。
ギルドマイスターが配偶者ってのもビックリしたね。
そりゃ、あのマイスターがオレに色々頼むわけだよ。
ともかく、次の行き先が決まったのは助かった。
でも、この国に来た目的のひとつがムダだったのは困った。
魔法書……。
なんでだ?
そして、そして王子!
ヤキモチ王子がかわいすぎて、旅支度が進まない。
体中にキスマークをつけまくって、ようやく解放してやれた。
あんなに王子って、かわいかったっけ?
ゲームの中の王子は、ほかの国でイケメンたちと楽しむ。
もっとチャラいキャラだったような?
それは、オレが動かしてたからか?
う~ん。性格が違いすぎるのは、なんでだ?
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