魅了なんて、オレには効かない

クリヤ

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第4章 旅の終わり

(2)王都を覆う雲

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 影ギルドの仕事は早い。
 次の朝には、オランジェ国王名義の手紙がゴルト王に届いていた。
 アウグストたちとともに、王子とティムもゴルト王ミラに呼び出される。

 「オランジェ王から手紙が届きました。
  伝説の宝を持って、王都に参集とはどういうこと?
  伝説の宝の中には、武器もあるはず。
  まさか、リザを魔女として討ち取るつもりじゃないでしょうね?」
 「もちろん、違います。
  伝説の宝は、我々の行く先々で見つかりました。
  ずっと行方不明だった宝がです。きっと意味がある。
  ですから、王様たちにお願いをさせていただいたのです」
 「リザを傷つけるようなことは……」
 「絶対に回避致します。まだ信頼をいただけないのは分かっていますが。
  それでも、おそらく、姫をゴルトに戻す方法は、これ以外には」
 「分かっています。わたしは、リザさえ戻ればいいの。
  仮に、戻らないことになったなら。分かりますね?」
 「はい。覚悟の上です」

 アウグストとアントンは、ミラ王をなだめるように言葉をかける。

 「ミラや。あまり脅してくれるな。
  人は、信頼してまかせることで力を発揮するものだ。
  商売の時のおまえのやりかたを取り戻しておくれ」
 「でも、お父様……」
 「分かりますよ、ミラ。あなたの気持ちは。
  けれど、このふたりならきっと大丈夫ですよ。
  ああ、わたしもリザに久しぶりに会いたいねぇ」
 「ハハ様。ええ、わたしもです」

 アウグストたちになだめられて、少し穏やかな表情を見せるミラ。
 寄り添うように立つアウグストとアントン。
 ゴルト国の重鎮たちに見送られて、王子とティムは王都に向かって旅立った。
 今度は当てのない旅ではない。
 多くの味方を手に入れて、何者かに魅了された王都を救うのが目的である。
 ミラ王に言われたからではないけれど。
 王子とティムは、今までになく気合いを入れて旅を始めたのだった。

 「王都に行ったら、まず何をする?」
 「リザ様を探そうと思っています」
 「探して、どうするんだ?」
 「リザ様本人の中か、もしくは近くにわたしと同じ転移者がいるはず。
  その人とどうにか話すことができれば、目的が分かるはずです」
 「目的って、王都に魅了魔法をかけた目的か?」
 「はい。わたしと同じく、元の世界でこちらの世界を見ていたのだとしたら。
  こちらの世界を壊そうとするはずがないのです」
 「なぜ、分かる?」
 「それが『推し』というものだからです。
  このような混乱を引き起こしてまで、やりたいことがあったはず。
  それを聞き出して、叶えてしまえば、魅了魔法は解かれる。
  そう思っています」

 ところが、ティムの思いとは裏腹に、王都は混乱を極めていた。
 ふたりがたどり着いた王都で見たものは、王都全体を覆う灰色の雲。
 モヤと呼ぶにはあまりも厚いそれは、王都を包み込んでいた。
 その光景は、各地から続く街道からハッキリと見えていた。

 「ティム……。あれは、なんだ?」
 「わたしにも分かりません。こんなことをするはずは……」

 ふたりが呆然としているところに、影ギルドの男が現れる。
 いつの間にか、馬を止めたふたりの横に黒馬にまたがった男がいた。

 「ティム様。緊急事態です。王都に入るための橋がすべてふさがれています。
  それも魔物たちによって」
 「おまえは、誰だ?」
 「王子様には、お初にお目にかかります。オランジェ国王直属のギルドの者です」
 「なぜ、ティムと親しげなのだ? いつ、知り合った?」
 「ルイ。すみません。今まで話す機会がなく」
 「危険な者ではないのか?」
 「ええ。協力者のひとりです。ご安心を」
 「ティムがそう言うなら」

 王子は、少し頰を膨らませて不満を表に出している。
 ティムは、王子に構いたい気持ちを抑えて、影ギルドの男と話を続ける。

 「魔物ならば、倒せばいいのでは?」
 「ものすごい数なのです。あれを一体ずつ倒すとなると。
  どれだけの時間がかかるのか、検討もつきません」
 「そうか……。各国の国王たちの様子は?」
 「それぞれの国から王都に入る街道付近で待機されています」
 「影ギルドの者たちを使って、連絡を取ることはできるか?」
 「ええ、可能です」
 「わたしに考えがある。それには、各国の王との連携が必要だ」
 「我がギルドにおまかせを」


 ***

 ゴルトのミラ王に脅されながらも、どうにか協力は取り付けた。
 アウグストとアントンには、まぢで感謝だわ。

 ゴルトの姫本人か、その周辺のやつが転移者だとしたら。
 そもそも、このゲームのプレイヤーなんだからさ。
 きっと話せば分かってくれる。
 オレは、軽く考えていたのかもなぁ。

 王都の橋がふさがれてるって、どういうこと?
 そもそも、離島っぽい作りの王都には五つの橋がかかってる。
 それ以外にメインの大きな橋がひとつ。
 各国の国王が王都を訪れた時に、かち合わない仕組み。
 その全部に魔物がいるって!
 しかも、すごい数。
 一瞬、ダメだと思ったけど、オレは思い出してた。
 魔物と言えば、あの国のアレでしょ!
 絶対、持ってきてると思うんだよな。


 *****

 影ギルドの男が、ものの四半時ほどで戻ってくる。
 王都は小さな離島とはいえ、周辺を動くのには数時間を要する。
 影ギルドの黒馬は、普通の馬とは違うようだ。

 「国王たちの了承は取れそうか?」
 「ええ。伝説の宝を見つけたのは王子様ゆえ、力をお貸しすると」
 「グリュンの例のアレは?」
 「はい。かなり持ち込んでいらっしゃいました。
  王子様とティム様への土産もあるとかで」
 「影ギルドの者たちと連絡を取り合って、一斉に橋を渡ることは?」
 「可能です。
  影ギルドの者たちには、互いに連絡を取り合うための魔導具を持たせています」
 「では、香炉の準備をお願いしたい」
 「近くの街に手配済みです。もうすぐ届くかと」
 「助かる。オランジェには、本当に世話になっている」
 「いえ、我が国はおふたりに、ほかの国よりも助けていただいたので。
  これは、当然のお返しです」
 「そうだったかな?」
 「ええ。今回、影ギルド以外にもヴェアヴォルフの一族が動いています。
  彼らは、槍を取り戻し、再び我が国の貴族として復帰しました。
  宿願を果たせたこと、感謝してもしきれないと」
 「そうか。それは、ありがたい」

 影ギルドとヴェアヴォルフの協力もあり、すぐに六つの香炉が用意される。
 さらに、グリュンの協力のもと、モントツッカーの立方体が配られる。
 香炉を棒の先にぶらさげて、モントツッカーを香皿にのせる。
 王子が、炎魔法で立方体に火をつける。
 魔法でつけられた火は、立方体の周りを包み込むが消えはしない。
 すぐに、甘い香りが立ち上る。

 「では、行こうか。ティム」
 「はい、王子。あなたが先頭に立って魔物を退ける姿を見れば。
  きっと、国王たちもあとに続くでしょう」
 「うん。ティムは一緒にきてくれるな?」
 「もちろんです。わたしは、命ある限り、あなたのおそばに」

 王子が香炉を持って、王都正門前の橋を渡り出す。
 香炉から出る煙の匂いを嗅いだ魔物は、順に道をふさぐのをやめる。
 そして、橋の両端に控える。
 王子は、橋の真ん中を堂々と胸を張り、正門に向かって進んでいく。
 正門にたどり着くと、王子は声をあげた。

 「わたしは、ルートヴィッヒ。王都の王子である。開門せよ!」

 その声に反応して、門がゆっくりと開かれる。
 城壁のてっぺんの高さ近くまである門が開かれたのは、遠くからでも見える。
 橋の上の魔物たちが、香炉の香りで従順になった様子も。
 残りの五つの橋の上を王たちが香炉を持って進む。
 魔物たちは、まるで臣下のようにひざまずいて道を空ける。
 その真ん中を王たちもまた、堂々と渡っていく。

 すべての城門が開かれた。

 城門を入ると、広場へと続く道がある。
 王たちは、それぞれ広場に向かって歩を進める。
 連邦結成を記念して作られた広場の中心には、大きな噴水があった。
 各国を象徴する色の魔法石が噴水の周りに埋め込まれている。
 魔法石からは、順にその色の光が放出される。
 その光は、噴水の水を照らしてキラキラと輝いている。
 緑色、赤色、青色、オレンジ色、金色。
 誰もが見とれてしまう光景の真上に、異質なものが浮かんでいた。
 ひとりの若い女性である。
 その女性の周りを囲むように、灰色の雲がうごめいている。
 城壁の外から見えた雲の発生源は、この女性だった。

 「リザ! 目を覚まして! おりてくるのよ!」

 悲痛な叫び声が聞こえる。
 ゴルトのミラ王の声だ。

 「あれが、ゴルトの姫か? 何かにあやつられているようだ」
 「ええ。ミラ王から聞いていた印象と違いますね」

 宙に浮かんでいる女性は、その髪が逆立ち、白目をむいている。
 今のリザからは、おとなしくて本好きらしい要素は感じられない。
 王子は信じられないものを見て、目を丸くしている。

 ミラ王の声に反応したのか、母に向かってリザが手を伸ばす。
 ミラ王も、リザのほうへ手を伸ばす。

 「危ないっ!」

 その声が皆に聞こえた時には、嵐の魔法がミラ王を襲っていた。
 が、その攻撃的な突風を防いだ者がいた。
 デレクとアベル。
 ロート=ラントの王とその王配である。
 ふたりは大きな盾を構えていた。
 ロートの伝説の宝『魔法全反射の盾』である。
 盾によって反射された魔法は、その術者へと戻っていく。
 攻撃的な突風が、リザを襲う。
 けれど、リザの周りを囲む雲がその攻撃を吸収している。
 リザ自身には、衝撃はないように見える。

 「ロート王! 助かりました!」
 「いえ、あなたも盾のうしろに。ゴルトの王よ」

 嵐の魔法を跳ね返されて、リザは今度は氷の魔法を放ってくる。
 その魔法に立ちはだかったのは、オランジェ王のハンス。
 吸血鬼の力で反対側から一気に近づく。
 そして、ミラに放たれた氷魔法を『不滅の炎の槍』で打ち返す。
 とはいっても、反射はせず、炎と氷の魔法が相殺されて消え去る。

 「オランジェ王も!」
 「大丈夫ですか? ゴルトの王よ。あれは姫だとか?」
 「ええ、ええ! そうなのです。ですから、傷つけないでほしいのです」
 「分かっています。できるだけ、魔法は消し去りましょう」

 ところが、魔法が効かないと知るや、リザは不思議な力を使う。
 広場の周辺に置かれているオブジェや石が宙に浮かぶ。
 次の瞬間、それらは意思を持っているかのように皆に襲いかかった。


 ***

 影ギルドの人に頼んで、香炉とモントツッカーの立方体を用意してもらった。
 モントツッカー大好きなグリュンのことだから。
 持ってきてると思ったんだよなぁ! 正解!
 食べさせたら使役できるくらいだからさ。
 匂いでもいけるんじゃね?
 そう思ったら、正解だった。
 魔物たちを倒すことなく、橋を空けさせる。
 モントツッカー様様じゃん!
 
 影ギルドは、めっちゃ活躍してくれる。
 ありがたい!

 ゴルトの姫リザは、やっぱりあやつられているみたい。
 白目むいてるし、意識があるようには見えない。
 リザの周りの雲みたいなのは、なんだ?

 伝説の宝が、活躍してる。
 やっぱり意味があるんだろうな。
 意味深に集めさせられて、意味なしじゃちょっとね。
 ゲーム的にはね。
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