すべてを風のせいにして 〜タイムループバタフライ〜

クリヤ

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(18)タイムループ、みたび

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 「ボクは未来からきたあなたの孫。シュンスケです」

 もう! これだよ、これですよ!
 もう飽きたって! ちょい辛すぎるって!

 だけど……。
 よ~く分かった!
 また間違えてるってことが!
 ……ちょっと立ち止まろう。
 ちゃんと考えてみよう。何を忘れてるのか。

 「あ、あの! ボクのこと、見えてます?」
 「……」
 「オーマ! だいじょぶですか?」
 「あっ! いや。うん。大丈夫だよ」
 「全然驚かないんですね」
 「うん。キミに会うのは、初めてじゃないからね」
 「えっ? どういうことですか?」
 「あたし、タイムループしてるんだ」
 「本当に?」
 「うん。未来から来てるんだから、信じられるでしょ?」
 「はぁ。まぁ、概念は分かりますが……」
 「キミのことも信じるからさ、あたしのことも信じて!」
 「は、はい」

 やっぱり敬語だなぁ! この子。
 前回の人生で、カンちゃんとは仲直りしたってのに。
 敬語を使う子に育ってたんだよね。
 カンちゃんにも聞いてみたけど、理由は不明。
 本人に聞いても、「これがラクで」としか言わない。

 だけど、カンちゃんとうまくいってれば問題なし!
 な~んて、甘く考えちゃってた。
 だってさ、その前の人生で言ってたじゃん。
 「敬語の理由は、父方の祖母=カンちゃん」ってさ。
 やっぱ、違ったのかなぁ?

 「もう4回目の人生なんだよね」
 「そんなに⁉︎」
 「うん。あたしは、このループから抜け出したい」
 「はい」
 「だから、今回は本当にすべてぶっちゃけてほしい」
 「今回は? 前回もボクに会ってるんですか?」
 「そうだよ! っていうか、ループの起点が今なんだよ!」
 「何度もここに戻ってるってことですね?」
 「その通り」
 「で、前回のボクがなにか打ち明けていないと?」
 「うん。考えてみれば、何度も聞けてない」
 「なんです?」
 「シュンスケの目的!」

 あたしは、何度も聞いてるつもりだったけど。
 よく考えたら、答えてもらってないことがひとつ。
 それが、目的。

 気づいたら、はぐらかされてばっかで。
 手段ばっかり考えてた。
 どうすれば、シュンスケが助かるのか?
 どうすれば、カンちゃんがいぢわる婆さんにならないのか?
 とかね。

 でも、なんで未来から来るのかってことをさ。
 ちゃんと聞いてないんだよ!
 3回もくり返しといて!
 あたしは、バカだ。

 「で、どうなの?」
 「ええっと……」
 「そこは遠慮はいらん! ハッキリお願い!」
 「いや、でも……」
 「そうしないと、また見当違いのまま5回目に突入しちゃう」
 「たしかに……」
 「もう、終わらせたいんだよ」

 え? どうしたの?
 突然、シュンスケの目からあふれ出す涙。
 今の言葉がキッカケ?
 かわいい孫をまたまた泣かせてしまった!
 あわわわわわ!

 「やっぱりオーマだ」
 「え?」
 「あわわわわわって言ってます」
 「あ、またかぁ! 前回のキミにも言われたんだよね」

 あたしが慌てて渡したティッシュで涙と鼻水を拭くシュンスケ。
 顔がスッキリすると、急にキリッとした顔をこっちに向けた。

 「前回までのボクは、どう言ってたのか教えてください」

 あたしの記憶とシュンスケの知る過去とのすり合わせをしよう!
 そういうことになったんだよね。
 ここで、ふと思ったんだけど。
 ここに現れるシュンスケって、毎回同じじゃないかも?
 あたしが、前回やったことがちゃんと影響してる。
 そんな気がする。

 だって、この子。
 今までの子みたいに悲壮感っぽいものが薄い。
 ないとは言わないけど。
 きっといぢめられてはいないんだよね?
 だけど、違和感みたいなものは一番感じる。

 それでも、過去に戻ってまで変えたいことがある。
 そういうことかぁ……。
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