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告げる秋
等身大の言葉
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どうにか準備を終わらせて開店すると、店内はすぐにお客さんで賑わった。小さいカフェなのでそれほどお客さんの人数が多いわけではないが、スタッフも少ないので仕事は多い。
開店から一時間ほどして、ようやく少し落ち着いた。店内には何組かのお客さんがいるが、追加のオーダーやトラブルなどの心配はなさそうだ。俺たちは揃って裏に行って、ふぅと息をついた。
「あー、疲れたぁ」
「日曜、人多すぎじゃね」
「繁盛する分にはいいんだけどさあ。なんでか最近疲れるのが早くって」
「歳だろ」
「うるさいガキ」
客に聞こえないようにひそひそと話す。まだ一時間しか経っていないというのに、全員の顔から疲れが滲み出ていた。
「あー、そういえばさっき冬との話が途中だったね」
三人で水分補給をしていると、叔母さんが思い出したように言ってきた。その言葉に浅沼くんが反応する。面倒なことになりそうな予感だ。
「何の話してたんすか?」
「それがねぇ、まさかまさかの冬の恋のお話なのよ」
それを聞いた瞬間、彼はバッと俺の方を向いた。あまりにも速すぎて一歩後退してしまう。その顔に浮かんでいるのは明らかに驚きだ。
「えっ、冬くん恋してんの!? マジで? やばい、超びっくりなんだけど」
俺がひいているのにも構わずに、浅沼くんはどんどん近づいてくる。俺は逃げ場を失って壁に寄りかかった。やはり面倒なことになってしまった。おしゃべり好きでノリのいい彼のことである。根掘り葉掘り聞き出そうとするに違いない。
「まあ、一応は……」
恥ずかしいので目を逸らして答える。そうでもしなきゃ、浅沼くんの圧に潰されてしまいそうだ。
「うわー、どうしよ! なんか初々しいというか可愛いというか、とりあえずやばい!」
「なんだよそれ。てか、そんなに驚く話でもねえだろ」
「いやいや、俺今ひっくり返りそうなほど驚いてるよ! だってあの冬くんだよ!?」
「どの俺だよ!」
「はいはーい、アンタら声がでかい。お客さんに聞こえちゃうでしょ」
叔母さんの言葉で、ついつい声が大きくなってしまっていたことに気づく。確かにこの声量はまずい。本当はこの機に乗じて話を打ち切りたかったが、浅沼くんの目は俺をしっかり捉えたままだ。
「で、告白とかしたりするの?」
浅沼くんは声を抑えて俺に尋ねた。
「そのつもりだけど……」
「マジで? すごいじゃん! いつするつもりなの?」
「……今日」
「うぇ!?」
不思議な声が響いた。俺はしぃーっと人差し指を口に当てる。彼は基本静かにするということが苦手なのだ。
「え、ちょ、ちょっと聞いてもいい? 冬くんの好きな子って……俺、じゃないよね?」
「……は?」
「あー、それならごめん! 俺彼女いるから冬くんの気持ちは受け取れない」
とんでもない勘違い発言をされて絶句する。冗談なのは分かっているが、申し訳なさげな顔にイラッとした。俺は無言で浅沼くんの肩を殴る。彼は予期せぬダメージに呻いた。
「うぅ、だからごめんて。フラれたからって殴らなくても」
「今すぐ黙んねえともう一発殴るからな」
「ごめんなさい」
「俺の好きな子は女の子だから。仮に恋愛対象が男だとしても浅沼くんは絶対ないわ」
「ひどい!」
ショックを受けた顔をしているのを見て、心の中で笑いが漏れる。冗談は彼なりのエールなのかもしれない。まあ、十中八九アホなだけなのだろうが。
「で、今日のいつすんの? てか、冬くん何時上がり?」
浅沼くんはヘラっとした笑顔に戻って聞いてきた。
「十三時。告白はその後な」
「お! 俺と一緒だ! じゃあ、午後に待ち合わせなんだ?」
俺はこくんと頷く。そのとき、ホールからお客さんの呼ぶ声が聞こえた。追加のオーダーのようだ。待たせるわけにはいかないのですぐに注文を聞きに行く。そこで話は一旦途切れた。
数時間後、やっとバイトが終わった俺は、浅沼くんと一緒に店を出た。病院と浅沼くんの家は同じ方向なので、必然的に二人で並んで歩き出す。
「秋になったのにまだあっついよね」
来ているTシャツの首元をパタパタと動かしながら、浅沼くんが言う。額には少し汗が滲んでいるようだ。 俺は確かになぁとのんびり頷いて、手で顔を扇いだ。目に見える景色は秋色へ一直線なのに、暑くなったり寒くなったり気温は変動が激しい。
「あーあ、早く冬にならないかなー。冬くんもそう思わない?」
浅沼くんは暑さに辟易したという感じで聞いてきた。その何気ない言葉に俺は心臓をぎゅっと掴まれる。
冬なんて来てほしくない。眠ってしまう冬なんて。のぞみとだってもう長くはいられないのに。
それが本心だ。そう叫びたかった。でも言えるわけがない。彼は俺の事情を知らずに言っているのだ。だから仕方がない。悪意がないのに責めるわけにはいかない。しかしそれでも、辛いものは辛かった。何も聞かなかったかのようにやり過ごせるほど俺は強くないのだから。
「俺は夏の方が好きだから……」
適当なことを言って誤魔化す以外に、俺にできることはなかった。こんな体嫌だと改めて感じた。誰の前でもほとんど言ったことはないけれど、ずっとずっとそう思っていた。なんの気なしのささいな発言にすら勝手に傷ついてしまう。そんなのもう懲り懲りだ。
「冬くん?」
考えながらつい下を向いてしまった俺に、浅沼くんの不思議そうな声が投げられる。それにハッとして顔を上げた。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた」
なんでもないように笑ってみせると、彼は少し釈然としない顔をしたが、すぐににこっと笑い返してきた。
「わかる! 暑いとぼーっとしちゃうよね。俺なんてこないだ講義中にぼーっとしてて、気づいたら終了のチャイム鳴ってたもん! ノート真っ白!」
ああ、これは気を遣ってくれたんだな。そう思った。俺の周りには優しい人が多いことに今更ながら気づく。自分は周りをよく見てる方だと思っていたが、案外見えていなかったらしい。
「ははっ、浅沼くんって意外と優しいのな」
思ったことを素直に口に出す。本人は無意識だったようで、分かりやすく動揺した。
「えっ、え、今の話の流れからどうしてそうなった!?」
「あー。分かんねえなら別にいいや」
「えー、そう言われると逆に気になるんだけど」
俺の言葉に少しムッとした表情の彼は、同い年くらいにしか感じられなかった。みんなから愛される人というのは、彼のような人なのだろう。
「じゃあ、自分で考えてみてよ」
俺は意地悪心が働いて、そう言って笑った。えー、とぼやきながらも浅沼くんは真剣な顔をして考えている。時々聞こえてくる唸り声が少しおかしい。
「あ! そういえばさ!」
そんな声とともに彼が勢いよく顔を上げたのは、それから数分後のことである。あまりにも勢いがよかったのでつい仰け反ってしまった。
「な、何?」
「このあと告白するんだったよね!」
その話かと納得すると同時に、忘れかけていたことが頭に蘇ってきた。緊張復活。実をいえば、のぞみに伝える言葉すらまだしっかりと決まっていない。バイトが終わったら直行すると約束したので、ゆっくり考えている余裕はなかった。だからといって告白を延期なんかしたら男が廃る。
「なんて告白するの?」
悪意の欠片もなさそうな笑顔の質問に、俺は低く呻いた。
「う、それはまだしっかりと決まってなくて……」
「え!? だってこのあと相手の女の子のところ行くんだよね? 考えてる時間なくない?」
浅沼くんの正論がここまで胸に刺さったのは初めてだ。というか、彼がそんなまともなことを言っているのを聞くの自体初めてな気がする。
「やっぱそうだよな。それは分かってるんだけど……。俺こういうの慣れてねえから、どう言うのが正解なのか分かんなくて」
尻すぼみになっていくのが自分の言葉ながら情けない。不慣れなのは仕方ないが、もっと対処のしようがあったんじゃないかと後悔する。のぞみのことを大切に思っているなら尚更だ。
「冬くんは考えすぎじゃん?」
軽い感じでそう言われて、俺は咄嗟に浅沼くんを見上げた。少し高い位置にある顔は優しく微笑んでいる。
「思ったことを言うだけで十分でしょ、そんなの。かっこつけたり、形式ばったりしなくてもさ。むしろ等身大の言葉の方がすーっと入ってきやすいと思うよ。正解なんて、そんなもんないない!」
大きな身振り手振りをつけながらの彼の言葉に、驚きと感動が入り交じった。心が一気に楽になる。難しく考える必要などなかったのだ。のぞみのことが好き。のぞみのことが大切。それ以上も以下もない。ただそれを伝えればいいだけで。
「ありがとう。なんか、うん、すげー安心した」
驚きの醒めないまま言うと、浅沼くんはぐっと親指を立てていたずらに笑った。
「いいっていいって! 冬くんは冬くんのやりたいようにやりなよ」
彼の優しさに軽くうるっときて、慌てて笑い返す。知らず知らずのうちに涙腺が随分と緩くなっていたみたいだ。言われた通り、どうにか自分なりに頑張ってみようと思った。
「あ、じゃあ俺こっちだから」
しばらく歩いて分かれ道に差し掛かったところで浅沼くんが言った。そういえばそうだったなと思い出して俺は手を振る。
「ファイトだよ、冬くん!」
そう言ってウィンクをすると、タタタッと彼は走って行ってしまう。元気だなと思いつつも、その姿に元気づけられている自分がいることに気づいた。
「よしっ! ファイトだ、俺」
グッと右手を強く握って呟くと、やる気がみなぎるような気がして、俺もついつい走り出していた。
開店から一時間ほどして、ようやく少し落ち着いた。店内には何組かのお客さんがいるが、追加のオーダーやトラブルなどの心配はなさそうだ。俺たちは揃って裏に行って、ふぅと息をついた。
「あー、疲れたぁ」
「日曜、人多すぎじゃね」
「繁盛する分にはいいんだけどさあ。なんでか最近疲れるのが早くって」
「歳だろ」
「うるさいガキ」
客に聞こえないようにひそひそと話す。まだ一時間しか経っていないというのに、全員の顔から疲れが滲み出ていた。
「あー、そういえばさっき冬との話が途中だったね」
三人で水分補給をしていると、叔母さんが思い出したように言ってきた。その言葉に浅沼くんが反応する。面倒なことになりそうな予感だ。
「何の話してたんすか?」
「それがねぇ、まさかまさかの冬の恋のお話なのよ」
それを聞いた瞬間、彼はバッと俺の方を向いた。あまりにも速すぎて一歩後退してしまう。その顔に浮かんでいるのは明らかに驚きだ。
「えっ、冬くん恋してんの!? マジで? やばい、超びっくりなんだけど」
俺がひいているのにも構わずに、浅沼くんはどんどん近づいてくる。俺は逃げ場を失って壁に寄りかかった。やはり面倒なことになってしまった。おしゃべり好きでノリのいい彼のことである。根掘り葉掘り聞き出そうとするに違いない。
「まあ、一応は……」
恥ずかしいので目を逸らして答える。そうでもしなきゃ、浅沼くんの圧に潰されてしまいそうだ。
「うわー、どうしよ! なんか初々しいというか可愛いというか、とりあえずやばい!」
「なんだよそれ。てか、そんなに驚く話でもねえだろ」
「いやいや、俺今ひっくり返りそうなほど驚いてるよ! だってあの冬くんだよ!?」
「どの俺だよ!」
「はいはーい、アンタら声がでかい。お客さんに聞こえちゃうでしょ」
叔母さんの言葉で、ついつい声が大きくなってしまっていたことに気づく。確かにこの声量はまずい。本当はこの機に乗じて話を打ち切りたかったが、浅沼くんの目は俺をしっかり捉えたままだ。
「で、告白とかしたりするの?」
浅沼くんは声を抑えて俺に尋ねた。
「そのつもりだけど……」
「マジで? すごいじゃん! いつするつもりなの?」
「……今日」
「うぇ!?」
不思議な声が響いた。俺はしぃーっと人差し指を口に当てる。彼は基本静かにするということが苦手なのだ。
「え、ちょ、ちょっと聞いてもいい? 冬くんの好きな子って……俺、じゃないよね?」
「……は?」
「あー、それならごめん! 俺彼女いるから冬くんの気持ちは受け取れない」
とんでもない勘違い発言をされて絶句する。冗談なのは分かっているが、申し訳なさげな顔にイラッとした。俺は無言で浅沼くんの肩を殴る。彼は予期せぬダメージに呻いた。
「うぅ、だからごめんて。フラれたからって殴らなくても」
「今すぐ黙んねえともう一発殴るからな」
「ごめんなさい」
「俺の好きな子は女の子だから。仮に恋愛対象が男だとしても浅沼くんは絶対ないわ」
「ひどい!」
ショックを受けた顔をしているのを見て、心の中で笑いが漏れる。冗談は彼なりのエールなのかもしれない。まあ、十中八九アホなだけなのだろうが。
「で、今日のいつすんの? てか、冬くん何時上がり?」
浅沼くんはヘラっとした笑顔に戻って聞いてきた。
「十三時。告白はその後な」
「お! 俺と一緒だ! じゃあ、午後に待ち合わせなんだ?」
俺はこくんと頷く。そのとき、ホールからお客さんの呼ぶ声が聞こえた。追加のオーダーのようだ。待たせるわけにはいかないのですぐに注文を聞きに行く。そこで話は一旦途切れた。
数時間後、やっとバイトが終わった俺は、浅沼くんと一緒に店を出た。病院と浅沼くんの家は同じ方向なので、必然的に二人で並んで歩き出す。
「秋になったのにまだあっついよね」
来ているTシャツの首元をパタパタと動かしながら、浅沼くんが言う。額には少し汗が滲んでいるようだ。 俺は確かになぁとのんびり頷いて、手で顔を扇いだ。目に見える景色は秋色へ一直線なのに、暑くなったり寒くなったり気温は変動が激しい。
「あーあ、早く冬にならないかなー。冬くんもそう思わない?」
浅沼くんは暑さに辟易したという感じで聞いてきた。その何気ない言葉に俺は心臓をぎゅっと掴まれる。
冬なんて来てほしくない。眠ってしまう冬なんて。のぞみとだってもう長くはいられないのに。
それが本心だ。そう叫びたかった。でも言えるわけがない。彼は俺の事情を知らずに言っているのだ。だから仕方がない。悪意がないのに責めるわけにはいかない。しかしそれでも、辛いものは辛かった。何も聞かなかったかのようにやり過ごせるほど俺は強くないのだから。
「俺は夏の方が好きだから……」
適当なことを言って誤魔化す以外に、俺にできることはなかった。こんな体嫌だと改めて感じた。誰の前でもほとんど言ったことはないけれど、ずっとずっとそう思っていた。なんの気なしのささいな発言にすら勝手に傷ついてしまう。そんなのもう懲り懲りだ。
「冬くん?」
考えながらつい下を向いてしまった俺に、浅沼くんの不思議そうな声が投げられる。それにハッとして顔を上げた。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた」
なんでもないように笑ってみせると、彼は少し釈然としない顔をしたが、すぐににこっと笑い返してきた。
「わかる! 暑いとぼーっとしちゃうよね。俺なんてこないだ講義中にぼーっとしてて、気づいたら終了のチャイム鳴ってたもん! ノート真っ白!」
ああ、これは気を遣ってくれたんだな。そう思った。俺の周りには優しい人が多いことに今更ながら気づく。自分は周りをよく見てる方だと思っていたが、案外見えていなかったらしい。
「ははっ、浅沼くんって意外と優しいのな」
思ったことを素直に口に出す。本人は無意識だったようで、分かりやすく動揺した。
「えっ、え、今の話の流れからどうしてそうなった!?」
「あー。分かんねえなら別にいいや」
「えー、そう言われると逆に気になるんだけど」
俺の言葉に少しムッとした表情の彼は、同い年くらいにしか感じられなかった。みんなから愛される人というのは、彼のような人なのだろう。
「じゃあ、自分で考えてみてよ」
俺は意地悪心が働いて、そう言って笑った。えー、とぼやきながらも浅沼くんは真剣な顔をして考えている。時々聞こえてくる唸り声が少しおかしい。
「あ! そういえばさ!」
そんな声とともに彼が勢いよく顔を上げたのは、それから数分後のことである。あまりにも勢いがよかったのでつい仰け反ってしまった。
「な、何?」
「このあと告白するんだったよね!」
その話かと納得すると同時に、忘れかけていたことが頭に蘇ってきた。緊張復活。実をいえば、のぞみに伝える言葉すらまだしっかりと決まっていない。バイトが終わったら直行すると約束したので、ゆっくり考えている余裕はなかった。だからといって告白を延期なんかしたら男が廃る。
「なんて告白するの?」
悪意の欠片もなさそうな笑顔の質問に、俺は低く呻いた。
「う、それはまだしっかりと決まってなくて……」
「え!? だってこのあと相手の女の子のところ行くんだよね? 考えてる時間なくない?」
浅沼くんの正論がここまで胸に刺さったのは初めてだ。というか、彼がそんなまともなことを言っているのを聞くの自体初めてな気がする。
「やっぱそうだよな。それは分かってるんだけど……。俺こういうの慣れてねえから、どう言うのが正解なのか分かんなくて」
尻すぼみになっていくのが自分の言葉ながら情けない。不慣れなのは仕方ないが、もっと対処のしようがあったんじゃないかと後悔する。のぞみのことを大切に思っているなら尚更だ。
「冬くんは考えすぎじゃん?」
軽い感じでそう言われて、俺は咄嗟に浅沼くんを見上げた。少し高い位置にある顔は優しく微笑んでいる。
「思ったことを言うだけで十分でしょ、そんなの。かっこつけたり、形式ばったりしなくてもさ。むしろ等身大の言葉の方がすーっと入ってきやすいと思うよ。正解なんて、そんなもんないない!」
大きな身振り手振りをつけながらの彼の言葉に、驚きと感動が入り交じった。心が一気に楽になる。難しく考える必要などなかったのだ。のぞみのことが好き。のぞみのことが大切。それ以上も以下もない。ただそれを伝えればいいだけで。
「ありがとう。なんか、うん、すげー安心した」
驚きの醒めないまま言うと、浅沼くんはぐっと親指を立てていたずらに笑った。
「いいっていいって! 冬くんは冬くんのやりたいようにやりなよ」
彼の優しさに軽くうるっときて、慌てて笑い返す。知らず知らずのうちに涙腺が随分と緩くなっていたみたいだ。言われた通り、どうにか自分なりに頑張ってみようと思った。
「あ、じゃあ俺こっちだから」
しばらく歩いて分かれ道に差し掛かったところで浅沼くんが言った。そういえばそうだったなと思い出して俺は手を振る。
「ファイトだよ、冬くん!」
そう言ってウィンクをすると、タタタッと彼は走って行ってしまう。元気だなと思いつつも、その姿に元気づけられている自分がいることに気づいた。
「よしっ! ファイトだ、俺」
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