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事例2 美食家の悪食【エピローグ】
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「なんせ、何もかもが手探りで、何をやるにしてもお前達が第一号だからなぁ。現場の声はかけできる限り上げるようにするから、不便なことがあったら言ってくれ――」
アンダープリズン自体でさえ、まだ体制やルールが定まっていないところがあるのだから、きっと0.5係にまで手は回らないであろう。それでも倉科がそう言ってくれるのであれば、甘えておいて損はないのかもしれない。改善するか否かは別にして、この閉塞的な空間に拘束されている鬱憤を、多少は晴らせるかもしれない。
「尾崎さんと話し合って、後で書類にして提出しますよ。口で言うには、あまりにも多すぎると思いますので」
いちいち出退勤の際に人目を気にしなければならない。出勤してもやるべき仕事がない。持ち込む私物についての検閲やルールが曖昧。遠方に赴いた際の連絡手段の確立――など、上げ始めればきりがないほど、アンダープリズンと0.5係の規定は曖昧だ。それをここで倉科にひとつずつぶつけるのも、いい時間潰しになるのかもしれないが、倉科だって何の用もなしに、ここに来たわけではないだろう。そっちのほうを優先させてやるべきだ。
「それで倉科警部。今日は何の用で?」
こんなことを言ってしまうと、まるでアンダープリズンがわの人間のようだ。いいや、実際にアンダープリズンがわの人間になるわけだが、なんだか複雑だった。こんな扱いをされるのであれば、倉科のように兼任のほうが、まだ気も紛れたのかもしれない。
「あぁ、あれから悪食の事件で幾つか分かったことがあってな。色々と報告に来たんだよ。どこかの誰かさんは、この報告を怠るとへそを曲げるからな。別に俺一人でも構わんのだが、お前達はどうする?」
倉科はそう言いながら、坂田の独房があるだろう方角へと視線を移した。へそを曲げる――というのは坂田のことを指しているのであろうが、正直なところ毎日のように地下に潜り、そして何もすることがないという縁と尾崎も、自覚はないものの、かなりやさぐれていることであろう。これで事件の経過報告もなしに放置されてしまえば、へそのひとつくらい曲げたくなる。共感はしたくないが、坂田の気持ちが分かったような気がした。
「もちろん、さっそく坂田のところに行くっす!」
尾崎が急にテンションを上げたのは、とりあえず無為な時間を過ごすことを回避できると考えたからなのであろう。事件のその後――逮捕された悪食の供述なども気になっていたことだし、倉科と一緒に坂田のところに行くのを断る理由はない。
アンダープリズン自体でさえ、まだ体制やルールが定まっていないところがあるのだから、きっと0.5係にまで手は回らないであろう。それでも倉科がそう言ってくれるのであれば、甘えておいて損はないのかもしれない。改善するか否かは別にして、この閉塞的な空間に拘束されている鬱憤を、多少は晴らせるかもしれない。
「尾崎さんと話し合って、後で書類にして提出しますよ。口で言うには、あまりにも多すぎると思いますので」
いちいち出退勤の際に人目を気にしなければならない。出勤してもやるべき仕事がない。持ち込む私物についての検閲やルールが曖昧。遠方に赴いた際の連絡手段の確立――など、上げ始めればきりがないほど、アンダープリズンと0.5係の規定は曖昧だ。それをここで倉科にひとつずつぶつけるのも、いい時間潰しになるのかもしれないが、倉科だって何の用もなしに、ここに来たわけではないだろう。そっちのほうを優先させてやるべきだ。
「それで倉科警部。今日は何の用で?」
こんなことを言ってしまうと、まるでアンダープリズンがわの人間のようだ。いいや、実際にアンダープリズンがわの人間になるわけだが、なんだか複雑だった。こんな扱いをされるのであれば、倉科のように兼任のほうが、まだ気も紛れたのかもしれない。
「あぁ、あれから悪食の事件で幾つか分かったことがあってな。色々と報告に来たんだよ。どこかの誰かさんは、この報告を怠るとへそを曲げるからな。別に俺一人でも構わんのだが、お前達はどうする?」
倉科はそう言いながら、坂田の独房があるだろう方角へと視線を移した。へそを曲げる――というのは坂田のことを指しているのであろうが、正直なところ毎日のように地下に潜り、そして何もすることがないという縁と尾崎も、自覚はないものの、かなりやさぐれていることであろう。これで事件の経過報告もなしに放置されてしまえば、へそのひとつくらい曲げたくなる。共感はしたくないが、坂田の気持ちが分かったような気がした。
「もちろん、さっそく坂田のところに行くっす!」
尾崎が急にテンションを上げたのは、とりあえず無為な時間を過ごすことを回避できると考えたからなのであろう。事件のその後――逮捕された悪食の供述なども気になっていたことだし、倉科と一緒に坂田のところに行くのを断る理由はない。
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