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ケース5 誕生秘話は惨劇へ【解決編】
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内側のドアノブは、本来ならば支えを失って床に落ちてしまっているはず。しかしながら、開かれた扉には、しっかりとドアノブがついたままだった。ネジによって支えられているわけでもないはずなのにだ。
「――多分、内側のドアノブは、台座ごと接着剤か何かで接着されているのでしょうね。こうすることで、鍵を閉めたまま外のドアノブだけ交換することが可能になりますわ」
コトリが言いたいことは分からなくないが、しかし前提が多すぎてわけが分からなくなってきた。それを察してくれたかのごとく、コトリは「いいこと?」と前置きをして始めた。
「前提として、この倉庫には決定的な欠陥があった。それは、扉の取り付けを逆にしてしまったため、外からドアノブの取り外しが可能になってしまったこと。多分、内開きと外開きを間違ったのかもしれませんわ。とにかく、内側からしか鍵がかけられない仕様の扉を、倉庫だからと外側に向けて取り付けてしまった。これは、犯人の仕業ではなく、この倉庫を建てた人達の仕業。もちろん、犯行のためにそうしたわけではないだろうし、まさかこんなことに利用されてしまうとも思わなかったでしょうね」
扉のつけ間違え。当たり前だが、斑目は家を建てた経験などない。たまに思いつきでDIYでもやってみようと意気込んではみるが、しかしろくに何かを作り上げた試しがなかった。だから、扉の取り付けを間違うという事象が起き得るかは、調べようがなかった。
「さて、それを前提として、犯人の動きはこうなりますわ。まず、あらかじめ現場を訪れ、扉のドアノブを本来のものとは違う同型のものにすり替えた。内側のドアノブの細工もこの時にやったのだと思いますわ。もちろん、取り外したドアノブは後で元に戻すから、犯人がそのまま持ち去った。こうすることで、この倉庫は密室でもなんでもなくなりますわよね?」
あえて言葉を区切り、鯖洲のほうへと視線を向けるコトリ。彼女の中では、鯖洲が理解できているか否かが話を進める基準になるのかもしれない。
「まぁ、この時点で扉の鍵は、前からついていたドアノブのもんじゃなくて、犯人がすり替えたドアノブだからな。それについてる鍵穴に合うのは、犯人が持ってる鍵になるだろうよ」
鯖洲がしっかりと理解しているのを感心したのか、コトリは満足気に何度か頷いた。そのリアクションは鯖洲に対して失礼ではないだろうか。
「――多分、内側のドアノブは、台座ごと接着剤か何かで接着されているのでしょうね。こうすることで、鍵を閉めたまま外のドアノブだけ交換することが可能になりますわ」
コトリが言いたいことは分からなくないが、しかし前提が多すぎてわけが分からなくなってきた。それを察してくれたかのごとく、コトリは「いいこと?」と前置きをして始めた。
「前提として、この倉庫には決定的な欠陥があった。それは、扉の取り付けを逆にしてしまったため、外からドアノブの取り外しが可能になってしまったこと。多分、内開きと外開きを間違ったのかもしれませんわ。とにかく、内側からしか鍵がかけられない仕様の扉を、倉庫だからと外側に向けて取り付けてしまった。これは、犯人の仕業ではなく、この倉庫を建てた人達の仕業。もちろん、犯行のためにそうしたわけではないだろうし、まさかこんなことに利用されてしまうとも思わなかったでしょうね」
扉のつけ間違え。当たり前だが、斑目は家を建てた経験などない。たまに思いつきでDIYでもやってみようと意気込んではみるが、しかしろくに何かを作り上げた試しがなかった。だから、扉の取り付けを間違うという事象が起き得るかは、調べようがなかった。
「さて、それを前提として、犯人の動きはこうなりますわ。まず、あらかじめ現場を訪れ、扉のドアノブを本来のものとは違う同型のものにすり替えた。内側のドアノブの細工もこの時にやったのだと思いますわ。もちろん、取り外したドアノブは後で元に戻すから、犯人がそのまま持ち去った。こうすることで、この倉庫は密室でもなんでもなくなりますわよね?」
あえて言葉を区切り、鯖洲のほうへと視線を向けるコトリ。彼女の中では、鯖洲が理解できているか否かが話を進める基準になるのかもしれない。
「まぁ、この時点で扉の鍵は、前からついていたドアノブのもんじゃなくて、犯人がすり替えたドアノブだからな。それについてる鍵穴に合うのは、犯人が持ってる鍵になるだろうよ」
鯖洲がしっかりと理解しているのを感心したのか、コトリは満足気に何度か頷いた。そのリアクションは鯖洲に対して失礼ではないだろうか。
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