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プロローグ
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「桂は裏口ね。後始末が面倒だから、ねずみの一匹も外に出さないで」
スーツ姿二人組の顔の怖いほうが言うと、眼鏡をかけ、一見すると優男にしか見えない男が「りょうかぁぁい」と、気味の悪い笑みを浮かべて扉の外に向かった。入り口に残った顔の怖い男が、注目を集めるかのごとくパンパンと手を叩いた後、いつもの調子で口を開く。
「はい、どうも皆さんこんばんは。警察でーす。いやぁ、お楽しみところ申し訳ないんですけど、麻薬取締法違反の現行犯で逮捕しまーす」
がっしりとした体格に散切り頭、そして顔が異常なまでに怖い男は、警察手帳を掲げながら軽い口調で店内に踏み込む。当然ながら店内は騒然となるが、しかし客の大半がすでにクスリを決めてしまっている。すなわち、今の彼らに怖いものはない。案の定、ボックス席のいたるところから人が立ち上がり、一斉に顔の怖い男のほうに詰め寄る。
「警察だぁ? わざわざ殺されにきたの?」
威勢の良い声に、物騒な言葉が連ねられる。
「どうせサツは手荒な真似ができないんだ。もう、俺らで殺っちゃおうぜ!」
クスリのせいで正常な判断ができないのであろう。それぞれに高圧的な言葉を口々に漏らしつつ、ふらふらと顔の怖い男のほうへと歩みを進める。
「おい、これやばいだろ……。今の内に逃げようぜ」
幸いなことに、まだクスリには手を付けていなかった彼女達のグループは、いくらでも言い逃れができる状況下にあった。警察に楯突くよりは聡明な判断だと言えよう。けれども、残念なことにドラッグを服用しようとしていたことは明白であり、その根底にある下心にだって彼女は気付いていた。申し訳ないが、今さらになって言い逃れはできない。
「逃げても無駄だと思うなぁ。だって、私が目の前で見ちゃってたもん」
彼女は警察手帳を取り出すと、それを彼等の目の前に突き付けた。
――南神座 日々の坂署 捜査第六課 天野雅。
手帳に記された肩書は、彼女がれっきとした刑事であることを物語っている。次の瞬間、銃声が店内にとどろき、男のうめき声が静まり返ってしまった店内に漏れ出した。あぁ、また彼がやってしまったのであろう。始末書一直線コースである。
うめき声が聞こえるほうに目をやると、倒れ込んで片膝を抱えている男の姿があった。言うまでもなく出血しているが、彼のことだから急所は外しているに違いない。
スーツ姿二人組の顔の怖いほうが言うと、眼鏡をかけ、一見すると優男にしか見えない男が「りょうかぁぁい」と、気味の悪い笑みを浮かべて扉の外に向かった。入り口に残った顔の怖い男が、注目を集めるかのごとくパンパンと手を叩いた後、いつもの調子で口を開く。
「はい、どうも皆さんこんばんは。警察でーす。いやぁ、お楽しみところ申し訳ないんですけど、麻薬取締法違反の現行犯で逮捕しまーす」
がっしりとした体格に散切り頭、そして顔が異常なまでに怖い男は、警察手帳を掲げながら軽い口調で店内に踏み込む。当然ながら店内は騒然となるが、しかし客の大半がすでにクスリを決めてしまっている。すなわち、今の彼らに怖いものはない。案の定、ボックス席のいたるところから人が立ち上がり、一斉に顔の怖い男のほうに詰め寄る。
「警察だぁ? わざわざ殺されにきたの?」
威勢の良い声に、物騒な言葉が連ねられる。
「どうせサツは手荒な真似ができないんだ。もう、俺らで殺っちゃおうぜ!」
クスリのせいで正常な判断ができないのであろう。それぞれに高圧的な言葉を口々に漏らしつつ、ふらふらと顔の怖い男のほうへと歩みを進める。
「おい、これやばいだろ……。今の内に逃げようぜ」
幸いなことに、まだクスリには手を付けていなかった彼女達のグループは、いくらでも言い逃れができる状況下にあった。警察に楯突くよりは聡明な判断だと言えよう。けれども、残念なことにドラッグを服用しようとしていたことは明白であり、その根底にある下心にだって彼女は気付いていた。申し訳ないが、今さらになって言い逃れはできない。
「逃げても無駄だと思うなぁ。だって、私が目の前で見ちゃってたもん」
彼女は警察手帳を取り出すと、それを彼等の目の前に突き付けた。
――南神座 日々の坂署 捜査第六課 天野雅。
手帳に記された肩書は、彼女がれっきとした刑事であることを物語っている。次の瞬間、銃声が店内にとどろき、男のうめき声が静まり返ってしまった店内に漏れ出した。あぁ、また彼がやってしまったのであろう。始末書一直線コースである。
うめき声が聞こえるほうに目をやると、倒れ込んで片膝を抱えている男の姿があった。言うまでもなく出血しているが、彼のことだから急所は外しているに違いない。
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