巣喰RAP【スクラップ】 ―日々の坂署捜査第六課―

鬼霧宗作

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明け方のラブホテルにて

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 また無秩序型は標的の人格には興味を示さず、ただ殺すという目的のために犯行を重ねるため、犯行における理論そのものが欠落しており、それらの動機は犯人にしか理解できないケースが多い。文字通り、全てにおいて秩序がないのだ。

 一方、秩序型は事前に計画を練り、入念に犯行準備を進める。秩序型犯罪の被害者は、犯人と面識のないことが多いのだが、犯人が定めた一定のルールに従って選ばれているそうだ。ただ、無秩序型と違い、秩序型は被害者を人間として扱う。人間として扱うから、会話を交わしたり、巧みな話術で騙したりと、知的な行動が目立つ。

 自らが抱いた妄想を実現させるために計画を練り、その計画に従って犯行を重ねる。もちろん、自分が捕まらないように小細工をするのも、秩序型に見られる傾向だ。そもそも無秩序型は衝動的に犯行に及ぶため、あらかじめ小細工をするなどという器用なことができない。

 両者のタイプを併せ持った混合型というタイプも存在するのだが、これまでの事件を振り返るに、犯人は秩序型の傾向で間違いないだろう。

 まず、最新の事件を除いて必ずカップルか夫婦が標的とされていたこと。これは犯人の定めたルールに従ってターゲットが選出されていたと考えていい。それに、ターゲットがカップルか夫婦であることを事前に知っておかなければならないため、その犯行を無計画に実行することは不可能。犯人は何かしらの方法で、ターゲットが確実にカップル、もしくは夫婦であることを調べた上で、犯行を繰り返しているのだ。

 今回の連続猟奇殺人事件の犯人は、少なくとも発作的に人殺しを繰り返しているわけではなく、入念に計画を練った上で行われている。

 また、犯行の中で犯人が軌道修正を行っている点が垣間見えるのもまた、秩序型がゆえであろう。犯行を重ねていくうちに、被害者からの不意の反撃があることを知った犯人は、その後の犯行で自らが優位になるために包丁を持参するようになった。つまり、犯人は自らの犯行で発生したミスを学習し、改善のために軌道修正を行っているのだ。これは、衝動的かつ本能的に犯行を重ねる無秩序型にはできないことだ。

 なによりも秩序型は得てして知能が高く、自分が警察に捕まらぬように手を回す傾向がある。もっとも、一般のそれとは違い、ただ単純に犯行を続けたいという欲求から、警察に捕まらぬように細工を施すだけなのであるが。
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