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2.長い夜の始まり
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「じゃあ、細かい部屋割りは女性陣で振り分けてくれ。男性陣も別にこだわりがなければ、適当に部屋を割り振ってしまおう」
1階の部屋は窓が板で打ちつけられているため、強風によって窓が割れたりすることはない。2階の部屋との差はそれだけであるが、ここはまず間違いなく男性陣が譲るべきだろう。こういう時、女で良かったと蘭は良く思う。
「ねぇ、部屋割りどうしよう……」
亜純が心配そうな表情で聞いてくる。現状、男性陣では菱田がリーダーシップを発揮しているが、女性陣にはそのポジションの者がいない。自然と年が上の英梨がそこに落ち着くだろうと思ったのであるが、どうやらそうではないらしい。
「私はどこでもいいんだけど……。なんとなくリネン室に近い部屋は嫌だなぁ」
亜純も同意見だったようで「私も、それは避けたいんだよねぇ」と一言。そこに蘭はは
「あっちの大学の人達がどう考えているか分からないけど、こっちの要求は伝えてみようか」
部屋割りについて話し合いたかったのは、蘭と亜純だけではなかったようで、自然と少し離れたところにいた真美子と香純の両人と目があった。
「あの、部屋割りの件、今決めちゃわない?」
こちらが声をかけるよりも先に真美子のほうから声をかけられた。そのやり取りを見ていたのか、英梨が「あ、部屋割り決めちゃう?」と駆け寄ってきた。男性陣も菱田を中心に部屋割りを決めているようだった。
話し合い――いや、厳選なるじゃんけんの結果、英梨がエントランス側の角部屋、その隣が亜純、真ん中……リネン室の向かいの部屋は真美子が使うことになった。こればかりはじゃんけんの結果であるがゆえに仕方がない。その隣には香純、そして螺旋階段の近くが蘭ということになった。地下室で発電機の駆動音を聞いている蘭からすれば、地下室にもっとも近いであろう部屋は、もはや完全にハズレの部屋だった。それでも、リネン室の真ん前よりかはマシだ。じゃんけんの神は蘭には微笑まなかったが、軽く嘲笑いはしてくれたようだ。
男性陣も部屋割りが決まったらしく、もう夕食を終えていたこともあって、自然と各自の部屋に戻る流れになった。そこで、菱田が手を叩いて一同の注目を集めた。
「聞いてくれ。みんなで一通り辺りを調べて回った時に気づいた人もいるだろうけど、各部屋は中から鍵をかけることができるようになっている。今夜は念のために鍵をかけて寝るようにしてくれ」
1階の部屋は窓が板で打ちつけられているため、強風によって窓が割れたりすることはない。2階の部屋との差はそれだけであるが、ここはまず間違いなく男性陣が譲るべきだろう。こういう時、女で良かったと蘭は良く思う。
「ねぇ、部屋割りどうしよう……」
亜純が心配そうな表情で聞いてくる。現状、男性陣では菱田がリーダーシップを発揮しているが、女性陣にはそのポジションの者がいない。自然と年が上の英梨がそこに落ち着くだろうと思ったのであるが、どうやらそうではないらしい。
「私はどこでもいいんだけど……。なんとなくリネン室に近い部屋は嫌だなぁ」
亜純も同意見だったようで「私も、それは避けたいんだよねぇ」と一言。そこに蘭はは
「あっちの大学の人達がどう考えているか分からないけど、こっちの要求は伝えてみようか」
部屋割りについて話し合いたかったのは、蘭と亜純だけではなかったようで、自然と少し離れたところにいた真美子と香純の両人と目があった。
「あの、部屋割りの件、今決めちゃわない?」
こちらが声をかけるよりも先に真美子のほうから声をかけられた。そのやり取りを見ていたのか、英梨が「あ、部屋割り決めちゃう?」と駆け寄ってきた。男性陣も菱田を中心に部屋割りを決めているようだった。
話し合い――いや、厳選なるじゃんけんの結果、英梨がエントランス側の角部屋、その隣が亜純、真ん中……リネン室の向かいの部屋は真美子が使うことになった。こればかりはじゃんけんの結果であるがゆえに仕方がない。その隣には香純、そして螺旋階段の近くが蘭ということになった。地下室で発電機の駆動音を聞いている蘭からすれば、地下室にもっとも近いであろう部屋は、もはや完全にハズレの部屋だった。それでも、リネン室の真ん前よりかはマシだ。じゃんけんの神は蘭には微笑まなかったが、軽く嘲笑いはしてくれたようだ。
男性陣も部屋割りが決まったらしく、もう夕食を終えていたこともあって、自然と各自の部屋に戻る流れになった。そこで、菱田が手を叩いて一同の注目を集めた。
「聞いてくれ。みんなで一通り辺りを調べて回った時に気づいた人もいるだろうけど、各部屋は中から鍵をかけることができるようになっている。今夜は念のために鍵をかけて寝るようにしてくれ」
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