八樺礼音と奇妙な友人たち

とりい とうか

文字の大きさ
1 / 24

第一話

しおりを挟む
「そうだね、私のことは先生あるいは軍医殿と呼びたまえ。君にならその呼び方を許そう」

 そんな出会いであった。

 八樺礼音やかば れおんは、とある大学の近くにある喫茶店で働いている。父の友人が始めた店であり、基本的には接客と会計を担当していた。
 礼音はいわゆるクォーターで、日本語しか話せないのだが、金髪碧眼といういかにも英語やら何やらが話せそうな容姿をしている。高校まではそのことで随分からかわれたり勘違いされたりしたのだが、今や昔の話だ。
 これはそんな礼音が喫茶店にて出会った人間たちとの話であり、なればこそ一番に語るべきは「先生」の話であろうというのが彼の考えであった。

 時は■年前の春に遡る。

 店の前に開店していることを示す立て看板を出し、すぐに店内へ戻る礼音。客が来るまでは手持ち無沙汰になるが、間もなく常連客が一人また一人と入店してきた。
 いつも通りに接客をこなし、レジに立ち、くるくると忙しく動き回る。礼音も客もお互い慣れたものなので、特にトラブルもなく平和な時間が過ぎていく。
 しかしてその日は、いつも通りではない事態が発生した。常連客が一旦途切れる時間、そんな隙間を縫うようにして現れたのが彼等だった。

「おや……おや、おはよう。ふむ、二人なんだが席に案内してもらえるのかな?」
「おはようございます、二名様ですね。こちらの席へどうぞ」

 案内も何も、そう広くはない店内である。礼音はさっと二人用の席を手の先で示し、そうしてまじまじと彼等の姿を見た。
 日本人では珍しくもない黒髪に、茶色の瞳、を隠すような黒いフレームの眼鏡。黒いタートルネックに黒いズボン、の上に白いロングコート、黒い革靴。礼音の視線に気づいたのか、僅かに首を傾げている、二十代後半か三十代前半であろう男性。
 そこから視線を逸らせばこちらは明らかに異質である。赤いメッシュが乱雑に飛び出している金髪、片方に黒い眼帯をつけている碧眼。ミリタリー風のコーディネート、だろうか。迷彩柄のパーカーに深緑色のカーゴパンツ、重たそうなブーツ。断定はできないが、二十代前半ではないだろうかと礼音は推察した。

「注文、いいかね?」
「あ、はい」
「モーニングセットを二つ。コーヒーは食後に」
「かしこまりました」

 眼鏡の男からそう声をかけられ、反射的に応える。よろしくと片手をひらひら振った男から離れて、先に水とおしぼりを運ぶ。それから、キッチンの中にいるマスターこと父の友人、この喫茶店の店主に声をかけた。

「モーニング二つ、コーヒーは食後です」
「わかった」

 モーニングセットは、マスターの趣味と興味と気紛れによって内容が変わる。それはほぼ日替わりで、今日はトマトとベーコンのホットサンド、オレンジのドレッシングがかけられたサラダ、マーマレードジャムが混ぜられたヨーグルトである。
 一昨日か昨日か、近所の果物屋でオレンジが安売りだったなと思いつつ、礼音はマスターの手元を眺めていた、のだが、そこで不意に声がかかった。

「少しいいかい? 聞きたいことがあるのだけれど」
「あ、はい。何でしょう?」

 ひらひら、と再び片手を振っている眼鏡の男の元へ。礼音は彼の手から目へと視線を移し、ぱちぱちとまばたきした。

「君の名前は?」
「名前ですか?」
「あぁ、私が先に名乗ったらいいかな……私の名前は益江才一ますえ さいち。そこにある大学に今年度から勤めることになった者だよ」

 よろしく、と掲げられたのは確かに大学教員であることを示すネームホルダー。顔写真つきのそれを、礼音はとてもよく見知っていた。何せこの店、立地が立地なので大学関係者や大学生がよく来るのだ。と、そこで男の向かいに座っていたミリタリー風の男が口を開いた。

「オレはねー、アイザック! センセーの……ナンだっけ?」
「お前は私の助手だよ」
「ジョシュ!」

 にぱっ、と笑えば存外幼い印象が強くなる男であった。アイザックと名乗った男は、そのままにこにこ笑い続けている。

「えーと……僕は……」

 これまで、女性客から名前や連絡先を聞かれたことはあったのだが、男性客からは初めてであった、ので、礼音は言葉に詰まってしまった。そんな礼音を見詰めていた眼鏡の男、才一は不意に笑う。

「何だったかね、カスタマーハラスメント? モンスタークレーマーだったか……そんな無様を晒す気はないし、そもそも君の接客に不足はなかったよ、安心したまえ。君が知り合いによく似ていたからね、それで聞いてみただけさ」

 気が向いたら教えておくれ、と続けた才一はひらひらと片手を振る。礼音は困ってしまって、きゅっと眉を寄せつつも一礼してその場を去った。

 それから幾日か、彼等の来店が数度繰り返された頃。

「やぁ、おはよう。モーニングを二つ、コーヒーは食後に」
「かしこまりました」

 今日のモーニングセットは、ベーコンと野菜を挟んだパンケーキと、トマトスープ、苺が三粒。買ってきたトマトが思ってたより熟していたとか何とか言っていたな、と礼音は思考を余所に飛ばす。
 初回が初回だったので、才一とアイザックに対してどのように接すべきか、やや決めかねている。あちらは気にもしていないようだが、礼音はどうにも座りが悪い気持ちを抱えたままだ。
 しかして、だからといって、客を無視する訳にもいかない。これがまだ他の客がいる時間帯ならまだしも、不思議とこの二人は誰もいない時間帯にやってくる。礼音はキッチンからカウンターへと差し出されたモーニングセットを携えて、才一とアイザックの元へと運んでいった。

「今日のモーニングセットは、パンケーキがメインです。コーヒーは食後にお持ちしますね」
「どうも。ここのコーヒーは美味しいから好きだよ、君が淹れているのだよね?」

 だもので、才一からそんな風に声をかけられて驚いた礼音である。確かに、食後のコーヒーは礼音が担当している。マスターはコーヒーよりも紅茶の方が得意であり、礼音は趣味でコーヒーを嗜んでいたからだ。
 けれど、キッチンの中で、客には見えない位置で淹れている。何故、という疑問が顔に出ていたのか、才一はけらけらと楽しそうに笑い出した。

「推理でも何でもない、当てずっぽう、かまをかけたとも言うかな。違うなら違うで別に、君が否定するだけのこと。雑談だよ、雑談」

 どうにもこの才一という男は掴みづらい所がある。礼音は困ったように眉を寄せ、きゅっと唇を噛んだ。いやぁ、困らせるつもりはなかったのだけどね、なんて言っているが、その顔は心底愉快そうだ。

「知り合いに似ていると言ったろう? しかして君はその知り合いと明確に異なるね。ふふ、困っている顔を見ると面白いと思ってしまうからついつい。許しておくれ」
「センセー、ゼンゼンアヤマってないよね?」
「まぁ悪いとは一切思ってないけどね」

 いや、掴みづらいというか、普通に意地が悪いとか、そういう風なのかもしれない、と礼音は考えを改めた。む、とした顔になった礼音と目を合わせた才一はようやく申し訳なさそうな顔になった。

「どうにも調子が狂うね、知り合いならこの辺りで暴力が出るのに」
「暴力!?」

 そして礼音に似ているという才一の知り合いは暴力的な人間らしい。あまりに唐突かつ縁遠い単語が飛び出したため、礼音はつい店員ではなく素の反応をしてしまった。

「ヤ、タブンもっとハヤくテぇデてるとオモう」
「そうかね? 彼はもう少し我慢強……くもないか」
「くもない!?」

 再びツッコミを入れてしまう。店員としては正しく不覚であった。才一はわざとらしく肩を竦めると、やれやれと疲れたような声を漏らす。

「会話の前に暴力だからね」
「純粋に怖い!! 何なんですか僕似の誰か!!」
「ハカバってカンじ」
「墓場ぁ!?」

 もう何が何やらである。礼音はマスターから呼び戻されるまで、一頻りツッコミを入れるなどしてしまった。

 それからしばらく経過して。

 どうやらこの才一という男は、礼音のことを気に入っていて、何やかんや構いたがっているようだということに気づいたのは、夏になるかならないかくらいの頃だったろうか。
 なお、アイザックは最初に感じた幼い印象の通り、とても素直な男であり、彼は礼音に対する好意を隠しもせずに、というかむしろストレートにぶつけてきたので今では知り合い以上友人未満といった風である。

「ハカバぁー、アツいからキョーはオヒヤにしてー」
「アイスコーヒーのことですかね?」
「私はホットコーヒーで」
「はい、かしこまりました」

 結局、名前を教える機会を逸してしまったため、アイザックからはハカバなる不吉極まりないニックネームで呼ばれるはめになっていた。何度か訂正しようとしたのだが、何故だかそういう時に限って何らかが起きて今に至っている。

「今日のモーニングセットは冷製パスタ風トマト素麺です」
「結構前から思っていたのだがね、この店の調理担当はチャレンジ精神というか、割と型にはまらない気質を持っているみたいだね?」
「毎年、知り合いから送られてくるそうで……マスターも僕も一人暮らしなので、じゃあ店で使おうかって」
「ソーメンヤッパリ」
「メーカー名を出すと諸々厄介だから止めなね」

 才一によって大きめのトマトを口に放り込まれたアイザックの表情が萎れていく。アオクサいのヤだ、とはいつ聞いた話だったかと礼音は小首を傾げた。

「トマトキラい……」
「お前は大体の野菜が嫌いだろうに」
「わかってて放り込むんですね」
「ははは、助手が栄養失調にならないよう気を使っているのさ」
「あれ? でもトマトソースは好きでしたよね?」
「ソースはアオクサくないから……」

 しおしおのまま答えるアイザック。その言葉通り、トマトソースを絡めた素麺本体は問題なく食べている。まぁ何だかんだ言いつつ残したことはないものな、と礼音は再び小首を傾げた。

 そうして秋に差し掛かった頃に、礼音と「先生」は出会ったのだ。

 礼音はその容姿から、女性客に人気である。それは単純に、礼音を目当てとして店にやってくるという行為なら良いのだが、それ以上の行為に発展することもあった。
 つきまとい、ストーカー。礼音はそういった事案に遭いやすい。だからこそ礼音は店の中でプライベートを漏らすことは滅多にない。しかして、それこそ、だからこそ。帰路での待ち伏せという手段を取る人間だっている。

「……いますね」

 カーブミラーを使って背後を確認した礼音は、小さく溜め息をついた。黒っぽいワンピースを着た、サングラスとマスクで顔を隠した女性の影。
 その歩き方はこれまで何度か遭遇したストーカーと同じものだ。隠れようとして、周りに馴染もうとして、逆に違和感が濃くなっている。ここから交番に向かうには、やや人通りが少ない最短ルートと、大通りを通る遠回りのルーとがある。さてどちらを使うべきかと思案してから、礼音は急加速した。
 後ろから聞こえるのは慌てたような駆け足の音。振り切れるか、いや、そこそこ足が速い。ならば最短ルートで交番へ、と考えた礼音は一番近い曲がり角へと飛び込んだ。

 思っていたより女の足が速かったのは誤算だった。

 そして何より、女が刃物を持ち出してきたことも。これまでつきまとわれたことはあれど、暴力的な行為に走った人間はいなかったのだ。精神的苦痛を与えられたことは多々あれど、幸か不幸か肉体的苦痛を与えようとする人間とは縁がなかった。
 とはいえ、対応は同じだ。何とか交番まで駆け込んで、司法に任せる。荒事は得意ではないし、そもそも刃物を持った人間相手に向かっていこうとは思えない。しかして、けれども。鋭い包丁を構えたままじりじりと近づいてくる女を前に、礼音は数瞬、躊躇した。
 それは、これ以上刺激したら致命的なことになるのではないかという懸念であったし、流石に命の危険に晒されて思考が鈍ったということもあったのだが、女はそれを好機と思ったらしかった。
 奇声、真っ直ぐに向かってくる刃先。礼音はそれを、はっと我に返って避けようとして。

「はーいゲンコーハーン!! シジンタイホー!!」
「やかましいな、時間帯を考えたまえ」

 ぐい、と襟首を引かれた礼音が仰向けに転倒する。咄嗟に体を丸めて頭を打つことは防げたが、街灯がぎらりと目を刺した。何が、と視線を走らせれば迷彩柄が目の端を過っていった。
 紙一重、正しく間一髪の距離で包丁を回避したアイザックは、お返しとばかりに女に向かって拳を叩きつける。ややふくよかな女だが、アイザックはそもそも体格が良い。ご、と痛そうな音がして、殴られた女がもんどり打った。それは、正真正銘、とても純粋な暴力である。

「やぁ、こんばんは。今後は人通りの多い道を通って帰ることをおすすめするよ」
「帰り道にはいくつかパターンを作ってます……」
「それは感心。とはいえ実際に役に立たなければ無意味だろうけれど……アイザック・ロペス!! 殺すなよ!!」
「シジンタイホだからヤんなーい!!」

 それでも包丁を握り締めて離さなかった女の手首を思い切り踏みつけるアイザック。ごきん、と先程よりも惨い音がして、女の絶叫が夜闇を裂いた。
 そこまでの大騒ぎとなれば、いくら人通りが少ない夜道とはいえ都会の最中。ぞろぞろと人が集まってくる。大事になった、と青褪める礼音を背後に庇うようにして進み出た才一が、野次馬に声をかける。

「刃物を持った女に襲われた!! 警察に通報してくれ!!」

 あぁ、そうか、あの時点で通報なり何なりしていれば良かったのか、と麻痺したような頭で礼音が思考する内に、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。

 それから二日後。

 大学教授が刃物を持った女性に襲われた、というニュースが店内のテレビにて流れている。善意の第三者によって制圧された加害者は、警察に逮捕されて今なお黙秘を続けているという。
 礼音はそんなテレビのチャンネルを変えてから、ひらひらと手を振っている才一へと視線を向けた。何てこともなさそうな、平常運転、いつも通りな才一の姿に釈然としない思いを抱く。

「今日のモーニングセットは……」
「あっワッフル!! えー、フライドチキンはー?」
「ワッフルにフライドチキンは嫌だな」
「オイシーのに? センセー、クワズギライ?」
「塩味と甘味を同時に摂取するのは苦手だよ」
「……甘くないワッフルサンドと、キノコのスープ、ブルーベリージャムを混ぜたヨーグルトです」

 葉物野菜と太めのウインナーを半分に割ったものを挟んだ薄めのワッフルと、三種類のキノコにベーコンと玉葱を加えて煮込んだスープ。ヨーグルトに混ぜているジャムはマスターのお手製である。

「苦手なだけでお前の野菜みたいに無様を晒す訳ではないがね」
「キョーのワッフルはちょっとニガテ……キノコはアオクサくないからヘーキ」
「とか言いながら割と残したりしませんよね、店側からすればありがたいですけど……」
「センセーのオゴりだから」
「私に支払わせておいて残すとは頭が高い」
「未だに貴方とアイザックさんの関係がよくわからないんですよね」

 首を傾げる礼音に向かって、才一は笑う。

「そうだね、私のことは先生あるいは軍医殿と呼びたまえ。君にならその呼び方を許そう」
「従軍のご経験が!? っていうかずっと思ってたんですけど先生のご専門とアイザックさんは助手じゃないんじゃないかって!! 疑いが!!」

 思いの外大きな声が出た礼音であった。完全に素の反応である。そんな礼音を見てくっくと笑う才一を余所に、ワッフルサンドを口にして微妙な顔をするアイザック。

「私の専門は……そうだね、人類の進化に関わる学問全般といった所かな」
「ご専門がぼんやりとし過ぎてる!! 何とか学とかあるじゃないですか!! 大学では何の講義をご担当で!?」
「センセーはカイボーガク? と……ジンタイコーガク? かナンかやってるー」
「助手とかいう割には理解が曖昧過ぎません!?」

 パブリックもプライベートもなくツッコミを連打する礼音に、才一とアイザックは顔を見合わせて笑い始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

処理中です...