【完結】異世界でも姫が可愛くないはずがないっ!!!〜俺が悪役令息でピンクがヒロイン?!ありえねぇ!!〜

ルコ

文字の大きさ
12 / 25
オレの番

リュウセイ3

しおりを挟む

 魔族学校へ入学した初日、オレは早くも理想の相手を見つけた。

人族からの留学生、トワだ。男であった事は大した問題じゃない。ティム様の番もジャック様の番も男だしな。
そして人族ながらもトワにはオオヤマネコの契約精霊リンクがいた。ヤヤは一目でリンクを番だと認識したらしい。

「リンクはおれの番だよ。トワはリュウセイの番じゃないのか?」

ヤヤにそう聞かれたが、オレはトワの事を番だと思ったものの、はっきりそう断言出来なかった。
何と言うか、見た目は完璧に好みだし、運命的な何かは感じるんだが、匂いが薄い感じ??

サラ様も魔族のユウヤという男を見て、「見ぃつけた!」と、ドラゴンが獲物を狙う目をしてニヤリと笑った。そしてユウヤのチーターの契約精霊の名前がヤプスだと知り、完全にアプスだと確信したようだ。ライア様もすぐにヤプスを番だと認識した模様。おそらくサラ様もライア様もすぐにユウヤとヤプスを手に入れるだろう。 

ユウヤは、ドラゴンのオレにも気さくに話しかけて来るような人懐っこい男で、すぐに友だちになった。いいヤツそうで一安心。契約精霊もチーターで、魔族としてはそこそこ強そうだが、ドラゴン族には敵わないだろう。だがそこは問題じゃない。

ユウヤは、サラ様が望んで番となり、添い遂げられる存在になれそうで・・それが全てだ。

正直肩の荷が降りた気がしてホッとしている。

 オレの周りにも魔族や人族の女子が群がって来たが、トワの他に興味をそそられる子はいなかった。特に積極的なのはミスズ ピンクという人族の女子。顔は確かに可愛いが全く好みではない。まぁ、弱いので守ってやらなきゃならない、という守護欲?のようなものは湧くので邪険には扱わないが、興味はない。

そうして一週間ほど経ったある日、ピンクさんがサラ様に向かって「リュウセイくんとミスズの真実の愛を邪魔しないで!」と言ってのけたんだ。

オレとピンクさんの間にいつ「真実の愛」なんてものが出来たんだろう?全く身に覚えがないんだが。それはさておき、ドラゴン王族であるサラ様にその口の利き方はないだろう。しかもオレはまだ一応サラ様の配偶者候補だし。

流石に対処に困っていると、トワがピンクさんを止めに来た。そのトワの顔を見た瞬間、「あぁこれはオレの番だ」と確信したんだ。匂いもブワッとむせかえるほどに強くなっている。初対面の時に分からなかったのが嘘のようだ。これは番以外の何者でもないじゃないか。

オレは、電流に撃たれたように硬直し、トワから目を逸らしてしまう。だって、好みすぎて、愛おしすぎて、直視出来ない。今すぐ襲ってしまいそうだ。ドラゴンの姿に戻って頭からバリバリと喰ってしまいたいほどの激情に、自分でも戸惑いどうしていいか分からなかったんだ。

ピンクさんが叫ぶ。

「悪役令嬢だけじゃなく、悪役令息までいるのぉ?みんな意地悪しないでよ!リュウセイくんとミスズは運命の恋人なんだからぁ!」

サラ様が悪役令嬢でトワが悪役令息?!
流石にこれはないと思い、

「あなたの事は可愛いと思いますし、お気持ちは大変ありがたいですが、オレにはサラ様をお守りする使命がありますので。」

と断ったんだが、ピンクさんには通じていない様子。トワがショックを受けた顔をして、その後頑なに目を逸らすオレを睨みつけて来た。その光景に心が痛むと同時に、気の強そうな眼差しにゾクゾクした。

あぁ、今すぐトワを組み伏せて啼かせたい・・そう、オレは、急に番と認識してしまったトワに対してどう接したらいいのか分からなかったんだ・・・


 そんなトワを番だと認識した翌日の昼下がり。オレは今、ホームステイ先のカグヤ様の城でサラ様とお茶をしている。そんな最中、カグラ様が瞬間移動で現れた。

「リュウセイ!今、トワに会って来たわ。あの子はアスラ様とルイと同じで前世の記憶持ち。その事をつい最近思い出したそうよ?で、リュウセイとは前世で番みたいな関係だったようね。
教えてあげた事に感謝しなさい。
あたしはトワを気に入ったの。
前世ではあたしとも友だちだったみたいだし、トワを傷付けるような事があればあたしがリュウセイをシメるわよ?」



ーーーーーーーーー

 明日からやっとR18シーンに入ります!


ルコ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました

水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。 世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。 「見つけた、俺の運命」 敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。 冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。 食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。 その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。 敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。 世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

処理中です...