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ウラ話
⑥〈番外編─異世界的ウラ事情 その1〉
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《作者注》
元々、お子さまは見られませんが(笑)
真面目な、異世界ウラ事情です。
ナプキン、避妊具だの表現が直接的なので、不快な方はご注意ください。
ちなみに、真面目で大事なことです。
ファンタジーと言えども、『現実』も書いておきたかったので。
ここまで、あからさまに書けたのは初めてで、かなり恥ずかしいですが。
何故、ウラ事情なのかは⋯⋯ぜひ、読んでくださいませ(笑)
@@@@@@@@@@@
ある日の姫宮。
昼下がりに仁菜と女官たちは、お茶とお菓子で楽しくおしゃべりをしていた。
仁菜は『銀の娘』でもあるし、王族級の身分としてやらなくてはいけないことはたくさんある。
それでもたまに空いた時間があると、同じくらいの年の女官たちと『女子会』と称して、たわいないおしゃべりで時間を過ごすこともある。
それまでの何気ない時間を破ったのは、仁菜の一言──。
「ねぇ、この世界ってさぁ、避妊ってどうしてるの?」
頬を染めて、口ごもりながらも切り出された質問に、思わず女官の1人が飲んでいたものを噴き出した。
「いやだぁ、ニーナ様の前よぉ―」と言う声や、非難めいた視線も見える。
それでも、そこはさすが女官。
吹き出した女官もしばらくすると正気を取り戻したのか、恥ずかしそうにお詫びを述べた。
「ニーナ様、急にいかがなさいました?」
仁菜自身も女官の訝し気な質問に、口ごもりながら、理由について語りだした。
話は、少し前に遡る。
ある日の、姫宮──。
お手洗いから出てきた、仁菜の様子がおかしい。
マルーチェが尋ねると、『月のモノ』が始まったと恥ずかしそうに口にした。
「畏まりました。手配いたします」
そう言うと、同僚の女官に耳打ちする。
それを聞いた女官は、一礼をして素早く去っていった。
手当て用のナプキンをもらって、再度お手洗いから出てきた仁菜は視線を伏せた女官を前に、盛大にため息をついた。
毎月来るとは言え、この瞬間がいつも嫌なのだ。
『銀の娘』とは神に次ぐ地位。
王族級の身分とは言え、朝から晩まで健康状態も管理され、聞けば排泄まで調べられると言う。
それを聞いた時、仰天して抵抗したが、生理現象はどうしようもない。
なぜ、そんな恥ずかしいことをされるのか─そう聞いた仁菜に、女官たちは説明してくれた。
王侯貴族とは、基本的に毎日決められた予定をこなす仕組みになっているらしい。
それが変わるとなると、関係各所に連絡して予定を変える必要があるのだが、1人2人ではなく、かなりの人数の予定が変わってしまうそうだ。
だから、皆や予定のためにそう言った管理をされるのだという。
それを聞いた仁菜は、恥ずかしさは拭えないが、ある意味納得したものだった。
その予定を変えるのは毎回大変らしいのだが、いつもさらりと流されるだけ。
だが、何回やっても慣れるものではなく、恥ずかしさと申し訳なさでいたたまれなくなる。
さすがに3隊長には言いにくいのだが、マルダスやカシクは雰囲気で察してくれる。
あまりにも貧相な事情だったので、仁菜は口出しして、布ナプキン状のものをいくつか考案した。
激しい動きは無理だが、本人の体調次第で日常生活なら過ごせるレベルだ。
だが、所詮は素人仕事。
地上にある性能の良いものとはいかないが、海綿や海藻をよく洗ったものを入れるよりはマシだと、この世界の女性たちからの評判は高い。
ザークなんかはデリカシーがないので、「ああ、女の!」とかたまに言うこともあり、仁菜はその度に赤面している。
お手洗い近くで、痛いお腹をさすりつつ休憩していた仁菜は、はたとあることについて思い立った。
(そう言えば、どうして自分には赤ちゃんが出来ないのだろう?)
殿下とそういう仲になって、半年以上は経つが、毎月⋯⋯その、来ている。
それなりに深い関係だし、避妊についてはその都度お願いしている。
その度に「大丈夫だ。きちんとしているから」と言ってほほ笑むばかり。
(一体、何が大丈夫なの!?)
恥ずかしすぎて具体的に説明してもらう勇気も無いし、彼には到底言い出せない。
殿下は、その⋯⋯そう言った避妊具をつけている気配は無いし⋯⋯。
どこまでどうしているかなんて、そんな具体的なことは恥ずかしすぎて、絶対に誰にも言いたくない。
でも、毎月きちんと遅れず来ているので、いつの間にか気にしていなかった。
それが急に頭を過ったときには、顔から火が出るかと思った。
(どうして、こんな大切なことを忘れていたんだろう!?)
そうして、話は冒頭へと戻る。
仁菜の長い説明を聞いた女官たちは、頬を染めて目を泳がせているものばかり。
「確かに、その通りでございますね」
そう言うとエレーナが代表して、この世界のウラ事情を説明してくれる。
もちろん、頬を染めたままで。
この世界の避妊薬は、基本は飲み薬。
旅行用とかの携帯丸薬もあるらしい。
『銀の娘』の立場としては、いわゆる『出来ちゃった結婚』だけは避けたいらしい。
まだ世界も平和にしていないし、婚儀前に子をなした先例が無いそうだ。
古来からの『銀の娘』だ。
慣例に従うのが当たり前なので、婚儀の後に子供が出来る筋書きらしい。
神殿の神官たちが古書をひっくり返し、神殿本部にまで問い合わせたと聞いて、仁菜は仰天した。
大事なことですとは言われたが、そんなことを調べられていたなんて、穴があったら入りたい。
確かに殿下とは今は恋人だが、今後の話はよく分からない。
恋仲の男性に協力して、彼と世界を統一して平和にする。
その男性と婚儀を挙げ、王妃となって子をなす─それが大半の『銀の娘』の通る道。
だが、まだただの恋仲の状態だし、先の事なんて考えられない。
そうなると、いろんな意味で今、赤ちゃんが出来てはまずいことになるのだが⋯⋯。
元々、お子さまは見られませんが(笑)
真面目な、異世界ウラ事情です。
ナプキン、避妊具だの表現が直接的なので、不快な方はご注意ください。
ちなみに、真面目で大事なことです。
ファンタジーと言えども、『現実』も書いておきたかったので。
ここまで、あからさまに書けたのは初めてで、かなり恥ずかしいですが。
何故、ウラ事情なのかは⋯⋯ぜひ、読んでくださいませ(笑)
@@@@@@@@@@@
ある日の姫宮。
昼下がりに仁菜と女官たちは、お茶とお菓子で楽しくおしゃべりをしていた。
仁菜は『銀の娘』でもあるし、王族級の身分としてやらなくてはいけないことはたくさんある。
それでもたまに空いた時間があると、同じくらいの年の女官たちと『女子会』と称して、たわいないおしゃべりで時間を過ごすこともある。
それまでの何気ない時間を破ったのは、仁菜の一言──。
「ねぇ、この世界ってさぁ、避妊ってどうしてるの?」
頬を染めて、口ごもりながらも切り出された質問に、思わず女官の1人が飲んでいたものを噴き出した。
「いやだぁ、ニーナ様の前よぉ―」と言う声や、非難めいた視線も見える。
それでも、そこはさすが女官。
吹き出した女官もしばらくすると正気を取り戻したのか、恥ずかしそうにお詫びを述べた。
「ニーナ様、急にいかがなさいました?」
仁菜自身も女官の訝し気な質問に、口ごもりながら、理由について語りだした。
話は、少し前に遡る。
ある日の、姫宮──。
お手洗いから出てきた、仁菜の様子がおかしい。
マルーチェが尋ねると、『月のモノ』が始まったと恥ずかしそうに口にした。
「畏まりました。手配いたします」
そう言うと、同僚の女官に耳打ちする。
それを聞いた女官は、一礼をして素早く去っていった。
手当て用のナプキンをもらって、再度お手洗いから出てきた仁菜は視線を伏せた女官を前に、盛大にため息をついた。
毎月来るとは言え、この瞬間がいつも嫌なのだ。
『銀の娘』とは神に次ぐ地位。
王族級の身分とは言え、朝から晩まで健康状態も管理され、聞けば排泄まで調べられると言う。
それを聞いた時、仰天して抵抗したが、生理現象はどうしようもない。
なぜ、そんな恥ずかしいことをされるのか─そう聞いた仁菜に、女官たちは説明してくれた。
王侯貴族とは、基本的に毎日決められた予定をこなす仕組みになっているらしい。
それが変わるとなると、関係各所に連絡して予定を変える必要があるのだが、1人2人ではなく、かなりの人数の予定が変わってしまうそうだ。
だから、皆や予定のためにそう言った管理をされるのだという。
それを聞いた仁菜は、恥ずかしさは拭えないが、ある意味納得したものだった。
その予定を変えるのは毎回大変らしいのだが、いつもさらりと流されるだけ。
だが、何回やっても慣れるものではなく、恥ずかしさと申し訳なさでいたたまれなくなる。
さすがに3隊長には言いにくいのだが、マルダスやカシクは雰囲気で察してくれる。
あまりにも貧相な事情だったので、仁菜は口出しして、布ナプキン状のものをいくつか考案した。
激しい動きは無理だが、本人の体調次第で日常生活なら過ごせるレベルだ。
だが、所詮は素人仕事。
地上にある性能の良いものとはいかないが、海綿や海藻をよく洗ったものを入れるよりはマシだと、この世界の女性たちからの評判は高い。
ザークなんかはデリカシーがないので、「ああ、女の!」とかたまに言うこともあり、仁菜はその度に赤面している。
お手洗い近くで、痛いお腹をさすりつつ休憩していた仁菜は、はたとあることについて思い立った。
(そう言えば、どうして自分には赤ちゃんが出来ないのだろう?)
殿下とそういう仲になって、半年以上は経つが、毎月⋯⋯その、来ている。
それなりに深い関係だし、避妊についてはその都度お願いしている。
その度に「大丈夫だ。きちんとしているから」と言ってほほ笑むばかり。
(一体、何が大丈夫なの!?)
恥ずかしすぎて具体的に説明してもらう勇気も無いし、彼には到底言い出せない。
殿下は、その⋯⋯そう言った避妊具をつけている気配は無いし⋯⋯。
どこまでどうしているかなんて、そんな具体的なことは恥ずかしすぎて、絶対に誰にも言いたくない。
でも、毎月きちんと遅れず来ているので、いつの間にか気にしていなかった。
それが急に頭を過ったときには、顔から火が出るかと思った。
(どうして、こんな大切なことを忘れていたんだろう!?)
そうして、話は冒頭へと戻る。
仁菜の長い説明を聞いた女官たちは、頬を染めて目を泳がせているものばかり。
「確かに、その通りでございますね」
そう言うとエレーナが代表して、この世界のウラ事情を説明してくれる。
もちろん、頬を染めたままで。
この世界の避妊薬は、基本は飲み薬。
旅行用とかの携帯丸薬もあるらしい。
『銀の娘』の立場としては、いわゆる『出来ちゃった結婚』だけは避けたいらしい。
まだ世界も平和にしていないし、婚儀前に子をなした先例が無いそうだ。
古来からの『銀の娘』だ。
慣例に従うのが当たり前なので、婚儀の後に子供が出来る筋書きらしい。
神殿の神官たちが古書をひっくり返し、神殿本部にまで問い合わせたと聞いて、仁菜は仰天した。
大事なことですとは言われたが、そんなことを調べられていたなんて、穴があったら入りたい。
確かに殿下とは今は恋人だが、今後の話はよく分からない。
恋仲の男性に協力して、彼と世界を統一して平和にする。
その男性と婚儀を挙げ、王妃となって子をなす─それが大半の『銀の娘』の通る道。
だが、まだただの恋仲の状態だし、先の事なんて考えられない。
そうなると、いろんな意味で今、赤ちゃんが出来てはまずいことになるのだが⋯⋯。
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