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2章 華栄の君に告ぐ
その4
しおりを挟む(いやそんなん聞いてないし。)
(14年間生きてきて衝撃の事実。この世界は乙女ゲームの世界です?しかも自分の知らない乙女ゲームでした?)
(神様バグだと言ってくれ。なんで自分の知らないゲームに転生しなきゃいけないの!?)
(何より!!どうせ転生するならファンタジー世界で俺Tueeeeee!したかった!!)
現状に打ちひしがれそうになる。涙目だ。
アリアがこの世界に私を召喚したかのように申し訳なさそうな顔で私を見ている。
「あの…すみません1人で盛り上がって…」
まるでお通夜だ。
公爵令嬢として王妃として相手に感情を気取られないようにする教育は受けてきたが、そんなもの今は無意味だった。
アリアの肩に手をかける。
「ねぇ、そのゲームって…」
「何をしているんですか?」
不意に男性に声をかけられる。ロベルトだ。
「ああ…いえ…何も…してませんわ」
そう言ってアリアの肩から手を離す。
ロベルトは怪訝な目でこちらを見ている。
(初めて見る顔だ…はしたない姿を見せてしまった…)
令嬢として人の肩にに手をかけるような必死な姿は見苦しい。
「お話していただけですのよ…本当に」
弁解するもロベルトの眼差しは変わらない。
(言えない…転生する前の世界の話をしてました~なんて…)
「…貴女はただ話すだけで人の肩に手をかけるのですか、それに随分と歯切れが悪いように感じますが」
場の雰囲気は最悪だ。
「あの!私は大丈夫ですよ?本当にお話していただけなんです!」
アリアがフォローしてくれる。…フォローも何もただの事実なのだが。
「…そうですか。シーネリアさん、少しよろしいですか」
ロベルトはアリアに用があったらしい。
アリアとロベルトが行ってしまったので中庭に1人残されてしまった。
(今日は疲れたな…頭が痛い…)
想定外のことが起こり過ぎて頭がクラクラする。指先も冷たくなっていた。
アリアに聞きたいことはあったが今日ではなくても機会はあるだろうと思い今日は諦めることにした。
(乙女ゲームってことは主人公は誰?それに
攻略対象は?)
そんなことを考えながら馬車に乗る。
家に帰るとルドリアが「お顔が真っ青ですよ!?」と悲鳴を上げていたが気に知る余裕すらなく私はベッドに倒れ込んだのだった…
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