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解明編
吉柳 紅羽の思い
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「今日もいい天気ですねー」
葉織家の庭を見渡せる和室で、紅羽はお茶を飲みながらほのぼのとしていた。
「そうだね~。ずずっ」
「・・・なんだか二人とも年寄りくさいんだけど」
そのとなりに座って同じくお茶を啜る凜と、紅羽の妹である茜。
「うっ、そ、そういう茜だって最近凜様の影響で和菓子をよく食べてるし、あまり人のこと言えないと思うど!?」
「和菓子は別に年寄りの食べ物ってわけでもないしいいんです~」
「ぐぬぬ~」
「ふふっ。仲いいなー相変わらず」
「そりゃまあ、姉妹ですし。ね~、お姉ちゃん?」
「は~、まったく調子いいんだから」
紅羽は少し照れた顔をしながらため息をついた。
そうこうしていると、目つきの悪い金髪の男、秀道樹がやってきた。
「お楽しみのとこ悪いが大将、ちと頼みてえことがあんだがいいか?」
「ん、珍しいな。いいよ。・・・じゃあちょっと行ってくるから」
「はい。あっ凜様、夕飯はなにがいいですか?」
「ん? んー、任せる」
と言って樹とともに部屋を出た。
「あっちょっと凜様! そういう答えが一番困るんですけど!? って、も~」
「あはは、お兄ちゃんはたいていのものは食べるからね」
「だとしてもちょっとは毎日献立を考えるこっちの身にもなって欲しいわ」
ぶつぶつと文句を言いながらもどこか楽し気な紅羽を見た茜は「そういえばお姉ちゃんさ」と気なっていたことを聞いてみることに。
「お兄ちゃんにはいつ告白するの?」
「ぶふーー!!」
お茶を噴き出して狼狽える様を見て茜は笑う。
「ここ、こっ告白なんてそんな私は別に凜様のこと好きとかそういうんじゃなくてただなんというかあああ!!」
「お姉ちゃん動揺しすぎだよ・・・。 けどあんまりうかうかしてると他の人に取られちゃうよ?」
「・・・や、やっぱり凜様ってモテる?」
「今更だよ。かくいう私もお兄ちゃんのこと好きだしね~」
「え!? そ、そうなの!?」
「いや気づかんかったんかい。ちなみにアリアちゃんもだし、たぶんだけど美雨ちゃんもなんじゃないかな。あとは私たちが知らないとこでも」
「うう、もしかしなくてもライバル多いのかあ・・・」
「まあちょっとめんどくさがりなとことか適当なとこもあるけど、かっこよくて強くて戦いの時は凛々しくて常に先頭切って戦う。
おまけにあれで意外と面倒見いいし優しいし。これだけあってモテないほうがおかしいよね」
茜が凜のことをべた褒めしているなか、紅羽は確かにと思う。
昔アライブに所属していた時から凜はまだ幼かった。にも拘わらず女性陣からいろいろなお誘いがあったりしたものだ。
「あ、もう一つ気になることがあったんだった」
「うん? 何?」
「お姉ちゃん暁結成当時はお兄ちゃんのこと普通に『凜君』って呼んでたよね?なんで呼び方変えたの?」
「ああ、そのことか」というと少し恥ずかし気に言葉を続ける。
「まあたいした理由はないわよ。ただ凜様が私たち暁のマスターになった以上、立場は私のほうが下だからってだけ。最初はマスターって呼ぼうとしたけど、凜様が「なんか急に距離を感じてイヤ」っていうからじゃあ凜様でってことで納得してもらったの」
「・・・まあなんともお姉ちゃんらしいというか。まじめすぎ」
「仕方ないでしょう。もうそういう性分なんだから」
少し拗ねたようにして顔をそむけた。
「まあ告白云々はともかく。お姉ちゃんやっぱりお兄ちゃんのこと好きだよね~。アライブ抜けるとき、迷わずお兄ちゃんについて行ったんでしょ?」
「うっうん。凜様のことは心から尊敬してるし、過去に何度も助けてもらったから。今度は私が凜様を支えてあげたくて。だから一生ついていくって決めてるの」
なにか決意を込めたその表情と言葉に茜はどことなくうれしそうな表情をした。
「そっか」
「うん」
短い言葉でこの話を終えて、二人はまたお茶を飲みながら別の話題に興じるのだった。
葉織家の庭を見渡せる和室で、紅羽はお茶を飲みながらほのぼのとしていた。
「そうだね~。ずずっ」
「・・・なんだか二人とも年寄りくさいんだけど」
そのとなりに座って同じくお茶を啜る凜と、紅羽の妹である茜。
「うっ、そ、そういう茜だって最近凜様の影響で和菓子をよく食べてるし、あまり人のこと言えないと思うど!?」
「和菓子は別に年寄りの食べ物ってわけでもないしいいんです~」
「ぐぬぬ~」
「ふふっ。仲いいなー相変わらず」
「そりゃまあ、姉妹ですし。ね~、お姉ちゃん?」
「は~、まったく調子いいんだから」
紅羽は少し照れた顔をしながらため息をついた。
そうこうしていると、目つきの悪い金髪の男、秀道樹がやってきた。
「お楽しみのとこ悪いが大将、ちと頼みてえことがあんだがいいか?」
「ん、珍しいな。いいよ。・・・じゃあちょっと行ってくるから」
「はい。あっ凜様、夕飯はなにがいいですか?」
「ん? んー、任せる」
と言って樹とともに部屋を出た。
「あっちょっと凜様! そういう答えが一番困るんですけど!? って、も~」
「あはは、お兄ちゃんはたいていのものは食べるからね」
「だとしてもちょっとは毎日献立を考えるこっちの身にもなって欲しいわ」
ぶつぶつと文句を言いながらもどこか楽し気な紅羽を見た茜は「そういえばお姉ちゃんさ」と気なっていたことを聞いてみることに。
「お兄ちゃんにはいつ告白するの?」
「ぶふーー!!」
お茶を噴き出して狼狽える様を見て茜は笑う。
「ここ、こっ告白なんてそんな私は別に凜様のこと好きとかそういうんじゃなくてただなんというかあああ!!」
「お姉ちゃん動揺しすぎだよ・・・。 けどあんまりうかうかしてると他の人に取られちゃうよ?」
「・・・や、やっぱり凜様ってモテる?」
「今更だよ。かくいう私もお兄ちゃんのこと好きだしね~」
「え!? そ、そうなの!?」
「いや気づかんかったんかい。ちなみにアリアちゃんもだし、たぶんだけど美雨ちゃんもなんじゃないかな。あとは私たちが知らないとこでも」
「うう、もしかしなくてもライバル多いのかあ・・・」
「まあちょっとめんどくさがりなとことか適当なとこもあるけど、かっこよくて強くて戦いの時は凛々しくて常に先頭切って戦う。
おまけにあれで意外と面倒見いいし優しいし。これだけあってモテないほうがおかしいよね」
茜が凜のことをべた褒めしているなか、紅羽は確かにと思う。
昔アライブに所属していた時から凜はまだ幼かった。にも拘わらず女性陣からいろいろなお誘いがあったりしたものだ。
「あ、もう一つ気になることがあったんだった」
「うん? 何?」
「お姉ちゃん暁結成当時はお兄ちゃんのこと普通に『凜君』って呼んでたよね?なんで呼び方変えたの?」
「ああ、そのことか」というと少し恥ずかし気に言葉を続ける。
「まあたいした理由はないわよ。ただ凜様が私たち暁のマスターになった以上、立場は私のほうが下だからってだけ。最初はマスターって呼ぼうとしたけど、凜様が「なんか急に距離を感じてイヤ」っていうからじゃあ凜様でってことで納得してもらったの」
「・・・まあなんともお姉ちゃんらしいというか。まじめすぎ」
「仕方ないでしょう。もうそういう性分なんだから」
少し拗ねたようにして顔をそむけた。
「まあ告白云々はともかく。お姉ちゃんやっぱりお兄ちゃんのこと好きだよね~。アライブ抜けるとき、迷わずお兄ちゃんについて行ったんでしょ?」
「うっうん。凜様のことは心から尊敬してるし、過去に何度も助けてもらったから。今度は私が凜様を支えてあげたくて。だから一生ついていくって決めてるの」
なにか決意を込めたその表情と言葉に茜はどことなくうれしそうな表情をした。
「そっか」
「うん」
短い言葉でこの話を終えて、二人はまたお茶を飲みながら別の話題に興じるのだった。
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