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秋の合宿
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秋の合宿では祖父と父親まで参加して森の奥まで入り込んだ。
天然の温泉が沸いている場所にキャンプを張り素材採取と狩りをする。両殿下も本気で楽しんでいる。獲物は父親が講師となり捌き方をレクチャーされた。
ヴィクトリアは父親が今までと違って生き生きとしていることに驚いた。
「お父様、……眉間の皺が減ってます」
父親、サヴェージは笑う。
「この生活の方が性にあってるからな」
サヴェージとサイラスが仲良さげなのもヴィクトリアには驚きだった。
父親は今まで無理をしていたのだな、とヴィクトリアにもやっと理解できた。解き放たれた父親はイキイキと森を駆け巡っている。
サヴェージの方もヴィクトリアの弓の腕前や野営での手際の良さに驚いていた。
初級、F級の冒険者としては手慣れていると言っていいだろう。
「トリアは、冒険者として過ごしたいのか?」
親子二人での寝ずの番をしている。二人の前には焚き火がある。チラチラと揺れる炎はヴィクトリアの素直な言葉を引き出した。
「そうできれば、と思ってます」
「そうか。卒業前に一度私も家に帰ろう。その時にトリアの気持ちを再度確認する」
サヴェージは驚くようなことを言った。
「その時にその気なら私が手解きしよう」
ヴィクトリアは『してやろう』でなくなっていることに驚いている。
「お父様?」
「今、私がいるクランがこの部活動からのパーティーが所属するところでな。貴族の中で冒険者の道を進む後進にノウハウを伝えるところ、としようとしてる。トリアの先輩たちに先達としてアドバイスが欲しいという事で顧問として所属してる」
サヴェージはほうっと息を吐く。
「特に女性の冒険者は最初は安全なパーティに所属した方が良い。貞操の危機もないし。……親としてもその方が安心ではある」
「悪くない提案として受け取りますわ」
トリアは今回は完全にシャットアウトではない、と意思を示す。
「卒業する頃にどうするか決めるといい」
トリアは頷く。そして父親にちゃんと自分の考えを話す。
「私、文官試験も受けてみようと思ってます。学園での勉強の結果を見たいのです」
「そうか」
サヴェージは今までと違い頭から反対することはなかった。
「トリアは結婚とかはどう考えてる?」
「貴族の娘としては家の指示する通り、としか。兄様からは何もないのですが、ライザ義姉様からはお見合い話が来てますの。寮に出ただけではどうもダメだったようで」
サヴェージは苦々しい表情になる。
「ライザ殿下は君の結婚に口を出す立場ではないと思う」
トリアは笑顔になる。令嬢の笑顔だ。
「兄様が今、プロスペール殿下に手を回してます。彼の方は外道ですがやはり力がありますから」
「まぁ、私の方からも手を回しておく」
男性が寝てるテントからアルチュール殿下が起きてきた。
「ライザ姉様は王太子派と通じてるから、彼女の持ってくる縁談はポールやプロスペール兄様としては困る相手だと思うよ。いと、あの人、公爵家の事業に手をつけるつもりだから。……ポールにはもう言ってある」
アルチュールは寝ずの番用のコーヒーを洗ってあったカップに注ぎトリアを女子が寝てる小屋へ追いやる。
「僕、サヴェージ殿と話したいからトリアと交代ね」
アルチュールににっこり笑わられてトリアは大人しく寝に向かった。
天然の温泉が沸いている場所にキャンプを張り素材採取と狩りをする。両殿下も本気で楽しんでいる。獲物は父親が講師となり捌き方をレクチャーされた。
ヴィクトリアは父親が今までと違って生き生きとしていることに驚いた。
「お父様、……眉間の皺が減ってます」
父親、サヴェージは笑う。
「この生活の方が性にあってるからな」
サヴェージとサイラスが仲良さげなのもヴィクトリアには驚きだった。
父親は今まで無理をしていたのだな、とヴィクトリアにもやっと理解できた。解き放たれた父親はイキイキと森を駆け巡っている。
サヴェージの方もヴィクトリアの弓の腕前や野営での手際の良さに驚いていた。
初級、F級の冒険者としては手慣れていると言っていいだろう。
「トリアは、冒険者として過ごしたいのか?」
親子二人での寝ずの番をしている。二人の前には焚き火がある。チラチラと揺れる炎はヴィクトリアの素直な言葉を引き出した。
「そうできれば、と思ってます」
「そうか。卒業前に一度私も家に帰ろう。その時にトリアの気持ちを再度確認する」
サヴェージは驚くようなことを言った。
「その時にその気なら私が手解きしよう」
ヴィクトリアは『してやろう』でなくなっていることに驚いている。
「お父様?」
「今、私がいるクランがこの部活動からのパーティーが所属するところでな。貴族の中で冒険者の道を進む後進にノウハウを伝えるところ、としようとしてる。トリアの先輩たちに先達としてアドバイスが欲しいという事で顧問として所属してる」
サヴェージはほうっと息を吐く。
「特に女性の冒険者は最初は安全なパーティに所属した方が良い。貞操の危機もないし。……親としてもその方が安心ではある」
「悪くない提案として受け取りますわ」
トリアは今回は完全にシャットアウトではない、と意思を示す。
「卒業する頃にどうするか決めるといい」
トリアは頷く。そして父親にちゃんと自分の考えを話す。
「私、文官試験も受けてみようと思ってます。学園での勉強の結果を見たいのです」
「そうか」
サヴェージは今までと違い頭から反対することはなかった。
「トリアは結婚とかはどう考えてる?」
「貴族の娘としては家の指示する通り、としか。兄様からは何もないのですが、ライザ義姉様からはお見合い話が来てますの。寮に出ただけではどうもダメだったようで」
サヴェージは苦々しい表情になる。
「ライザ殿下は君の結婚に口を出す立場ではないと思う」
トリアは笑顔になる。令嬢の笑顔だ。
「兄様が今、プロスペール殿下に手を回してます。彼の方は外道ですがやはり力がありますから」
「まぁ、私の方からも手を回しておく」
男性が寝てるテントからアルチュール殿下が起きてきた。
「ライザ姉様は王太子派と通じてるから、彼女の持ってくる縁談はポールやプロスペール兄様としては困る相手だと思うよ。いと、あの人、公爵家の事業に手をつけるつもりだから。……ポールにはもう言ってある」
アルチュールは寝ずの番用のコーヒーを洗ってあったカップに注ぎトリアを女子が寝てる小屋へ追いやる。
「僕、サヴェージ殿と話したいからトリアと交代ね」
アルチュールににっこり笑わられてトリアは大人しく寝に向かった。
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