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王妃陥落
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シャルルのいる部屋に王妃が飛び込んできた。
「ヴィくトリアとダニエルの婚約の書類を出しなさい」
シャルルはのぼぼんと答える。
「それは王弟殿下本人か王弟殿下がご一緒じゃないと見せられません」
「シャルル。いいから。王妃命令です。みせなさい」
「無理ですぅ。王弟殿下がいないとファイル開けませんから」
シャルルは少しでも馬鹿っぽく見せる為時々語尾を伸ばす。サラがよく語尾を伸ばすのだがサラがやると、可愛いように見えるが客観的にはバカに見えると気が付いて話すときに混ぜ込むようにしたら面白いくらいに他人が自分を侮る。シャルルはそうやって擬態を完璧にしていた。
「は?」
「誰でも開けたら僕が全部の書類見れてしまうでしょう?だからここの書類を全部見れるのは陛下だけになってます」
「え?」
「陛下はすべての書類をチェックできますし、ここ数年の身に覚えのない書類は原本を陛下が保管されてます。例えばこれとか」
王太子の側妃を認める書類や王太子妃の歳費を一旦王妃宮で預かり再配分するとの書類、などの写しを差し出す。
「陛下は知っておられます。そして、クロエ王太子妃は白い結婚と言うことでヴォロディーヌ公爵令嬢に戻られます」
王妃は部屋の中にいる味方に目を走らせるが、一番手懐けていた子爵の三男はその場にいないし幾人かはあからさまに目を合わせない。
「王妃様っ」
王妃付きの女官、エルメ公爵家の遠縁の女性が不躾に走り込んでくる。
「陛下が、お部屋を、あ、荒らして」
王妃はきっときつい顔になり挨拶もなしに走り去っていった。
「やれやれ、窓を開けてください。あの方の香水の匂いで頭が痛い」
無言で年上の文官の青年が窓を開ける。むせかえる果物のような甘い香りに不快感があるものは半分、残りが王妃派もしくは中立かとシャルルは読んでいた。
「王妃よ……、残念だな」
近衛兵が全ての荷物を改めている間、王妃女性騎士数人に拘束されていた。
「今頃バイユ公爵家にも近衛が行っておる。それと王太子とライザは王籍はく奪になりかねないぞ。婦女暴行の計画を立ておったらしくてな。……我が国の高貴な女性の入れ知恵でな。王妃よ、本当に残念だ」
猿轡を嚙まされた王妃は髪を振り乱して陛下を睨む。
「出会った頃の自由闊達で邪気の無い君はどこに行ったんだろうな?……王宮に毒蛇を導き入れてしまったのは痛恨の極みだ」
全ての荷物は分類され分析に回されるという。分析者には第五妃の実家からの香水の影響を無にする丸薬が配布されているので王妃の荷物の分析も可能であった。
「王妃の香水は念入りに梱包して」
など指示が飛んでいる。その指示をしているのは王妃が味方だと思っていた前宰相の息子、と言っても陛下や王妃と同年配だ。今は王弟殿下が宰相として動いている。
前宰相嫡男、マリウス・バルテは文官として最近王宮にあがるようになった。10年バルテ侯爵領で父親の仕事を手伝いつつ第五妃の実家が手を尽くして療養生活を送っていたのだ。今は第五妃の実家に婿入りしている。ただ結婚が最近かつ令嬢が結婚が二度目だったので式などは内輪で済ませたのだ。普段は第5妃付の文官として王宮にいたので王妃は気が付いてなかった。
「王妃を貴賓牢へ。丁重にな。あとはライザと王太子と第二王子は自室軟禁で。ライザとエドは部屋にいない。丁重にバイユ公爵家からお連れしろ」
陛下はそういうとまだ仕事をしているポールを個人的な応接室に呼べと小姓に声をかけ応接室に向かった。
「ヴィくトリアとダニエルの婚約の書類を出しなさい」
シャルルはのぼぼんと答える。
「それは王弟殿下本人か王弟殿下がご一緒じゃないと見せられません」
「シャルル。いいから。王妃命令です。みせなさい」
「無理ですぅ。王弟殿下がいないとファイル開けませんから」
シャルルは少しでも馬鹿っぽく見せる為時々語尾を伸ばす。サラがよく語尾を伸ばすのだがサラがやると、可愛いように見えるが客観的にはバカに見えると気が付いて話すときに混ぜ込むようにしたら面白いくらいに他人が自分を侮る。シャルルはそうやって擬態を完璧にしていた。
「は?」
「誰でも開けたら僕が全部の書類見れてしまうでしょう?だからここの書類を全部見れるのは陛下だけになってます」
「え?」
「陛下はすべての書類をチェックできますし、ここ数年の身に覚えのない書類は原本を陛下が保管されてます。例えばこれとか」
王太子の側妃を認める書類や王太子妃の歳費を一旦王妃宮で預かり再配分するとの書類、などの写しを差し出す。
「陛下は知っておられます。そして、クロエ王太子妃は白い結婚と言うことでヴォロディーヌ公爵令嬢に戻られます」
王妃は部屋の中にいる味方に目を走らせるが、一番手懐けていた子爵の三男はその場にいないし幾人かはあからさまに目を合わせない。
「王妃様っ」
王妃付きの女官、エルメ公爵家の遠縁の女性が不躾に走り込んでくる。
「陛下が、お部屋を、あ、荒らして」
王妃はきっときつい顔になり挨拶もなしに走り去っていった。
「やれやれ、窓を開けてください。あの方の香水の匂いで頭が痛い」
無言で年上の文官の青年が窓を開ける。むせかえる果物のような甘い香りに不快感があるものは半分、残りが王妃派もしくは中立かとシャルルは読んでいた。
「王妃よ……、残念だな」
近衛兵が全ての荷物を改めている間、王妃女性騎士数人に拘束されていた。
「今頃バイユ公爵家にも近衛が行っておる。それと王太子とライザは王籍はく奪になりかねないぞ。婦女暴行の計画を立ておったらしくてな。……我が国の高貴な女性の入れ知恵でな。王妃よ、本当に残念だ」
猿轡を嚙まされた王妃は髪を振り乱して陛下を睨む。
「出会った頃の自由闊達で邪気の無い君はどこに行ったんだろうな?……王宮に毒蛇を導き入れてしまったのは痛恨の極みだ」
全ての荷物は分類され分析に回されるという。分析者には第五妃の実家からの香水の影響を無にする丸薬が配布されているので王妃の荷物の分析も可能であった。
「王妃の香水は念入りに梱包して」
など指示が飛んでいる。その指示をしているのは王妃が味方だと思っていた前宰相の息子、と言っても陛下や王妃と同年配だ。今は王弟殿下が宰相として動いている。
前宰相嫡男、マリウス・バルテは文官として最近王宮にあがるようになった。10年バルテ侯爵領で父親の仕事を手伝いつつ第五妃の実家が手を尽くして療養生活を送っていたのだ。今は第五妃の実家に婿入りしている。ただ結婚が最近かつ令嬢が結婚が二度目だったので式などは内輪で済ませたのだ。普段は第5妃付の文官として王宮にいたので王妃は気が付いてなかった。
「王妃を貴賓牢へ。丁重にな。あとはライザと王太子と第二王子は自室軟禁で。ライザとエドは部屋にいない。丁重にバイユ公爵家からお連れしろ」
陛下はそういうとまだ仕事をしているポールを個人的な応接室に呼べと小姓に声をかけ応接室に向かった。
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