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37. 始まりは順調
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夕食前にヴィヴィアンヌが戻ってきた。手には小さな香りのよい鉢植えとフィールズ侯爵家の紋章で封をされた手紙があった。
「ペールから『昼間の謝罪です』ってさ」
「そのすぐ後の授業で謝罪のお手紙頂いてます」
レイラがびっくりした顔でヴィヴィアンヌに告げる。
「ま、本人が納得するための謝罪だし受け入れても大丈夫。……ペールも気苦労が多くてね。リリス嬢と女子の揉め事は早めに火消したいんだろう」
レイラは釈然としなかったが、飲み込んだ。
翌日、授業前にリリスがまたレイラの前に立った、と思ったらペールがリリスを引きずって席に座らせた。リチャード・オーエンがレイラに声をかける。
「ドゥエスタン嬢、俺と席を変わらないか?君が端っこだとリリス嬢が前に立ちやすいから絡みに来るんだと思う。俺とジョルジュの間になるけど……、どうだろうか?」
リチャードはにこっと笑い、続けた。
「ペールはただでさえ気苦労が多いから。君とリリス嬢の事が落ち着いた方がペールの為になるしね。……そろそろリリス嬢とネージュ嬢がひと悶着ありそうなんで、巻き込まれても面倒だろ?」
リチャードの言葉はもっともでリリスvsシャルロッテ・ネージュの話はクラスでも感じ取っていた。平民対下位貴族令嬢は良く勃発するとルシアの母親に聞いていた。レイラはそう言うところ疎そうなのでルシアの母親が心配してレイラとルシアにレクチャーしてくれていた。
これがそういうことかとレイラはやっと理解した。レイラのクラスの女子はそれに関わっているのは下位貴族令嬢と令息だった。
「ご迷惑をかけますが、お願いできますか?」
レイラがそう言い、リチャードはにこっと笑って頷いた。
「オーエン様が席を変わってくださって」
帰宅してお茶の用意をしてくれたセドリックに話す。学校での話をするレイラは楽しそうだ。セドリックはやっと、やっとお嬢様の子供の顔を見られたと心の中でシルヴィに報告する。
シルヴィが己が体の不調がこれ以上回復しないと判断すると、セドリックの父親とセドリック、そしてヴィヴィアンヌとで話し合い。そこで決めたことをクリスは分家会に知らしめた。レイラの父親、ブリスの家はかなり詰められたが代替わりしたブリスの兄はブリスをさっくりと切り捨てた。
幼いレイラにも『将来の為』とシルヴィは言い聞かせた。クリスもセドリックも背景と化しブリスを観察する。シルヴィが亡くなった後のブリスは愛人を引き込み、ドゥエスタンの伯爵であると振舞い始めた。もちろん、兄や父親にも『当主』と振舞う。愛人は今、レイラが通っている国立魔法学園に成績的に行けなかったブリスが通った私立の学園で出会ったようである。この私学には副教皇も通っていたらしい。
同年代の宰相や教皇、陛下とは学校が違い接触はなかったが、宰相の弟や王宮の文官が通っていてブリスの評判は大抵よくなかった。
「レイラ様、魔法学園、楽しそうです」
この家のメイド長になったマーサがセドリックと話しそれをヴィヴィアンヌに話す。
「今の所レイラは学校に馴染めそうだね」
ヴィヴィアンヌもほっとしていた。
「ヴィヴィアンヌ様、お手紙です」
マーサから渡された手紙は側妃 エルシノアからの物であった。
「ペールから『昼間の謝罪です』ってさ」
「そのすぐ後の授業で謝罪のお手紙頂いてます」
レイラがびっくりした顔でヴィヴィアンヌに告げる。
「ま、本人が納得するための謝罪だし受け入れても大丈夫。……ペールも気苦労が多くてね。リリス嬢と女子の揉め事は早めに火消したいんだろう」
レイラは釈然としなかったが、飲み込んだ。
翌日、授業前にリリスがまたレイラの前に立った、と思ったらペールがリリスを引きずって席に座らせた。リチャード・オーエンがレイラに声をかける。
「ドゥエスタン嬢、俺と席を変わらないか?君が端っこだとリリス嬢が前に立ちやすいから絡みに来るんだと思う。俺とジョルジュの間になるけど……、どうだろうか?」
リチャードはにこっと笑い、続けた。
「ペールはただでさえ気苦労が多いから。君とリリス嬢の事が落ち着いた方がペールの為になるしね。……そろそろリリス嬢とネージュ嬢がひと悶着ありそうなんで、巻き込まれても面倒だろ?」
リチャードの言葉はもっともでリリスvsシャルロッテ・ネージュの話はクラスでも感じ取っていた。平民対下位貴族令嬢は良く勃発するとルシアの母親に聞いていた。レイラはそう言うところ疎そうなのでルシアの母親が心配してレイラとルシアにレクチャーしてくれていた。
これがそういうことかとレイラはやっと理解した。レイラのクラスの女子はそれに関わっているのは下位貴族令嬢と令息だった。
「ご迷惑をかけますが、お願いできますか?」
レイラがそう言い、リチャードはにこっと笑って頷いた。
「オーエン様が席を変わってくださって」
帰宅してお茶の用意をしてくれたセドリックに話す。学校での話をするレイラは楽しそうだ。セドリックはやっと、やっとお嬢様の子供の顔を見られたと心の中でシルヴィに報告する。
シルヴィが己が体の不調がこれ以上回復しないと判断すると、セドリックの父親とセドリック、そしてヴィヴィアンヌとで話し合い。そこで決めたことをクリスは分家会に知らしめた。レイラの父親、ブリスの家はかなり詰められたが代替わりしたブリスの兄はブリスをさっくりと切り捨てた。
幼いレイラにも『将来の為』とシルヴィは言い聞かせた。クリスもセドリックも背景と化しブリスを観察する。シルヴィが亡くなった後のブリスは愛人を引き込み、ドゥエスタンの伯爵であると振舞い始めた。もちろん、兄や父親にも『当主』と振舞う。愛人は今、レイラが通っている国立魔法学園に成績的に行けなかったブリスが通った私立の学園で出会ったようである。この私学には副教皇も通っていたらしい。
同年代の宰相や教皇、陛下とは学校が違い接触はなかったが、宰相の弟や王宮の文官が通っていてブリスの評判は大抵よくなかった。
「レイラ様、魔法学園、楽しそうです」
この家のメイド長になったマーサがセドリックと話しそれをヴィヴィアンヌに話す。
「今の所レイラは学校に馴染めそうだね」
ヴィヴィアンヌもほっとしていた。
「ヴィヴィアンヌ様、お手紙です」
マーサから渡された手紙は側妃 エルシノアからの物であった。
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