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第二章

酔っ払いはうるさい

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 「ふむ。一方的に送られてくる手紙はそこそこ安全になったのかな?」

アルは送られてきた手紙を見て呟く。

「……ま、国を知らせるのは砂漠の国出る時でいいかもね。どこにいるってはっきり書くと多分向こう父様たちも動きづらくなるんじゃない?」

マドレーヌは考えていた。父親にどうやって現在地を伝えようかと。

「それは銀の樹の通信で知らせる。あれはグランサニュー領の銀の樹の元に届く事になってるから」

「じゃ、そっちからうちの父様に知らせてもらえるように出来るかしら?」

「出来ると思うよ」




 「ふぅ。喰った喰った」

エディは食べ過ぎで丸くなった腹をさすっている。エディとエドが部屋に戻った時にはマドレーヌは自室に戻っていた。

「夕飯はだべられるか?」

「いまはむーりー。寝る」

「あ」も「う」もなくエディはがーがーと鼾をたてて眠ってしまった。

「夕飯……どうしましょうかね」

エドが困り顔なのでアルは提案した。

「エディはどうせ夜中に起きて腹減ったとか言い出すから、サンドイッチを作っといてもらおう」

「それでいいですかね。赤ワインでも着けてたら食べて寝るでしょう」

「そう言う事」

アルとエドはマドレーヌを誘って夕食へと向かった。




 夕食後ガーガーとエディが五月蠅い中、マドレーヌが二つ、マジックバッグをアルに渡す。

「なんで」

「うちの父が貴方の父親から頼まれた資金から買ってるから。今のギルド標準品より容量はあるわ。ついでにエディのもね。ギルドの奴の方は食べるもの、飲み物いれたらいいわ。これは」

と最新式のマジックバッグのギミックを説明した。

「もしかしてアルの父親ってお金持ち?」

エドが疑問を口にする。

「お金持ち。自分が自由に出来るお金から出してくれてるみたい。父親と母親とで」

マドレーヌはさらっと答える。アルは少し困惑気味ではあった。

「……ありがたく使わせていただく」

「この容量あったら、移動の間に鎧着なくていいでしょう?私服の移動の方が人に紛れやすいし」

マドレーヌはアルをこの地に送った存在から逃げる事を考えていた。最悪自分がなんとかする、とも思っている。アルは等レーヌの決意は知らないが、人に紛れやすい、はそれもそうだなと思った。

「私とエドはドワーフ作成のマジックバッグ持ってるからアルとエディの程大きいの要らないし」

アルはびっくりした顔でマドレーヌを見る。

「なんでそんなのドワーフ製品持ってるの?」

「銅貨で雑貨屋で買った」

「は?」

アルがエドを見るとエドは肯定の頷きを返した。

「あー、辺境っていうの?アル達も通ってるはずのエドの村に近い街の雑貨屋でね古い革製品を売ってて。ポシェットのところに置いてあったんだよね、これ」

つやつやとしたポシェットをマドレーヌは撫でる。

「これは個人の血を利用して持ち主に紐づけるっていう方式で、私のもエドのも容量は馬車1つ分くらいの荷物が入るの」

最新型の人の職人製品の4倍か、とアルは驚く。ただドワーフ製品は手軽に手に入れられるような物ではなく、運も見分ける目も必要なものだとアルも知っていた。

「とりあえず、最新型でもサイズ的には十分だと思うよ」

マドレーヌはにこっと笑った。
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