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第五章

公爵邸での日々 1

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パソコン修理中につき短いです。

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公爵邸ではマドレーヌはエマの話し相手という位置づけになっている。色んな所の令嬢が短期間エマの相手としてこの館に存在するという。

「エマ様、……その、土いじり、私も一緒にしても?」

「大歓迎。私のお話相手で来てくれるお嬢さんたちは土いじりとかしない方が殆どなの」

「そうなんですか?……じっとしてると体が鈍る感じがして」

「そうねぇ。早朝にうちの私兵達の訓練があるから一緒にやってみる」

マドレーヌが喜ぶ。

「ぜひ!」

「じゃ、うちの騎士団長の所に行きましょう」

騎士団長に色々聞かれて学園の騎士科に所属している、というと

「うちより、ベルティエの騎士団に週に何度か行く方がいいのでは?うちは冒険者崩れも多いので女性騎士を構う余裕ないです。正直に言うとうちのアホ共の教育で手が足りない」

騎士団長はこの時とばかりに訴える。

「そもそも公爵様が訳アリばっかり拾ってくるから」

マドレーヌとエマは顔を合わせてくすっと笑った。マドレーヌ自身が訳アリ、というわけだったからだ。

「ベルティエ家のカリキュラム盗んできてほしいくらいですよ。あの箸にも棒にもかからんネイサン王子が使い物になってるし」

「ネイサン殿下は学園の武闘大会でも毎回いい成績でいらっしゃいますよ」

マドレーヌが面白そうに言う。

「それは王族だから斟酌されてるんだろうし」

「まさか。……ロクサーヌ嬢が大会優勝なんですがネイサン王子は準々決勝でこてんぱにされてました」

「へぇ……。でもそれまでも」

「騎士科の人員は脳筋過ぎて斟酌をするって余裕はないです。……成績がいいと学食のチケットが貰えるんでみんな必死ですよ」

騎士団長はガリガリと頭を掻いて笑った。

「ま、うちでは王都の騎士団に入団するまでに変な癖とかついても困るし。学校かベルティエ家がいいかと思う」

「わかりました。お手を煩わせてしまったわね、訓練頑張って」

エマはにっこり笑ってその場を外れた。

「そうね……、教会の聖騎士の訓練に混ざるのもありかしら」

マドレーヌは小首を傾げた。

「王都みたいに女性がたかってないなら。女性がたくさんいらっしゃるなら私が一緒に居ると彼女たちからあらぬ憶測をうけますから」

エマはマドレーヌの心配も最もだな、と思った。

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