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ルトガーの章
01
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「おはようございます」
部屋で身支度を終えてルトガーは自室から出てきた。ニーアさんが朝ごはんの用意をしてくれている。本人は既に他の家事に移っている。この寮は父親の商会の持ち物で基本は単身者用である。ルトガーがいるのは父親の私室でキッチンとリビングのほかにベッドルームが3部屋ある。エドモンドに教えてもらったが、この部屋は父親が結婚当初住んでいた部屋だそうだ。
ならば母親が襲撃しそうだと思ったのだが、母親は方向音痴でかつここの住所は覚えてないらしい。それとここが寮になってて私室がここにある事は母親には教えていないらしい。ジョンがしってるのでは、と尋ねると
『貴方が思っているよりもジョンは奥様の味方ではないんですよ。どちらかというと我々と同じ立ち位置です。あと、ニーアさんがここに住んでるのでジョンが奥様にここの事を話すことはありません』
と言う。エドモンド曰くニーアさんのことを母親はとことん嫌っているらしい。ハーフエルフのニーアさんは普通の人間より年をとるのに時間がかかる。その上でニーアさんはどうもハイエルフとのハーフなのでかなり希少な存在で、この商会のトップシークレットに近いらしい。どうみても20歳前後の『お姉さん』にしかみえない。というか息子のジョンの方が年上に見える…。彼も自分の母親と同じ世代に見えないけどな、とルトガーは思う。
「おはようございます」
エドモンドがきっちり身支度して出てきた、というか既に朝食も終わらせて一仕事した後のようだ。今空いてるベッドルームは最近まで弟のエドガーの寝室だった。エドガーは今は自分たちのクラン、『竜の探索者』のクランハウスに引っ越した。マルクに部屋を移るか尋ねたら、自室が寮内にあるからそこがいい、との事だった。
ニーアさんがスープをよそってくれて、あっためた黒パンと塩気のちょっと強めなサラミを出してくれる。スープは豆と野菜の透き通ったスープだ。朝はいつもさらっとしたスープをニーアさんは用意してくれる、ルトガーがそういうスープの方が朝よく食べるからだ。
「今日も学校」
エドモンドに言う。
「わかりました。帰りは?」
「17時ごろのつもり。ちょっとノートとインク買ってくるからそのくらいになりそう」
「はい、了解しました」
エドモンドは手帳にルトガーのスケジュールを書き込む。
「迎えに来ないでよ?」
ルトガーの言葉にエドモンドは苦笑した。
「今のところ奥様絡みは大丈夫そうですしね。ブランカ嬢は?」
ルトガーが嫌な虫でも踏んだような表情になる。が、すぐに明るくなる。
「大丈夫。会う事がない。俺、昼は学校の外で食べてるし。あいつは大抵校内のカフェテリアで食べてるから」
ルトガーがふっと思い出したように言う。
「そういえば、週末、金曜からエドガーのところに泊まるから。アキラのスパルタダンジョン探索にエドガーと一緒に行くから」
エドモンドは頷きそれも自分の手帳に書き込んだ。
部屋で身支度を終えてルトガーは自室から出てきた。ニーアさんが朝ごはんの用意をしてくれている。本人は既に他の家事に移っている。この寮は父親の商会の持ち物で基本は単身者用である。ルトガーがいるのは父親の私室でキッチンとリビングのほかにベッドルームが3部屋ある。エドモンドに教えてもらったが、この部屋は父親が結婚当初住んでいた部屋だそうだ。
ならば母親が襲撃しそうだと思ったのだが、母親は方向音痴でかつここの住所は覚えてないらしい。それとここが寮になってて私室がここにある事は母親には教えていないらしい。ジョンがしってるのでは、と尋ねると
『貴方が思っているよりもジョンは奥様の味方ではないんですよ。どちらかというと我々と同じ立ち位置です。あと、ニーアさんがここに住んでるのでジョンが奥様にここの事を話すことはありません』
と言う。エドモンド曰くニーアさんのことを母親はとことん嫌っているらしい。ハーフエルフのニーアさんは普通の人間より年をとるのに時間がかかる。その上でニーアさんはどうもハイエルフとのハーフなのでかなり希少な存在で、この商会のトップシークレットに近いらしい。どうみても20歳前後の『お姉さん』にしかみえない。というか息子のジョンの方が年上に見える…。彼も自分の母親と同じ世代に見えないけどな、とルトガーは思う。
「おはようございます」
エドモンドがきっちり身支度して出てきた、というか既に朝食も終わらせて一仕事した後のようだ。今空いてるベッドルームは最近まで弟のエドガーの寝室だった。エドガーは今は自分たちのクラン、『竜の探索者』のクランハウスに引っ越した。マルクに部屋を移るか尋ねたら、自室が寮内にあるからそこがいい、との事だった。
ニーアさんがスープをよそってくれて、あっためた黒パンと塩気のちょっと強めなサラミを出してくれる。スープは豆と野菜の透き通ったスープだ。朝はいつもさらっとしたスープをニーアさんは用意してくれる、ルトガーがそういうスープの方が朝よく食べるからだ。
「今日も学校」
エドモンドに言う。
「わかりました。帰りは?」
「17時ごろのつもり。ちょっとノートとインク買ってくるからそのくらいになりそう」
「はい、了解しました」
エドモンドは手帳にルトガーのスケジュールを書き込む。
「迎えに来ないでよ?」
ルトガーの言葉にエドモンドは苦笑した。
「今のところ奥様絡みは大丈夫そうですしね。ブランカ嬢は?」
ルトガーが嫌な虫でも踏んだような表情になる。が、すぐに明るくなる。
「大丈夫。会う事がない。俺、昼は学校の外で食べてるし。あいつは大抵校内のカフェテリアで食べてるから」
ルトガーがふっと思い出したように言う。
「そういえば、週末、金曜からエドガーのところに泊まるから。アキラのスパルタダンジョン探索にエドガーと一緒に行くから」
エドモンドは頷きそれも自分の手帳に書き込んだ。
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