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先輩が怒っている
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キャロライン先輩の『巻き込んでくれるなよ』という怒りを横で感じている。エリク様と兄様は既に知っていたようだった。
帰宅後兄様に聞いた。うまい具合にお茶の時間は二人きりだった。サラ姉様と母様は大公様と伯父様に話をつけに行っている。
「知ってたのですね?殿下のお考え」
「そりゃ知ってるさ。俺とエリクはアルベルト殿下の側近候補ではなく王太子、ひいては未来の王の側近として教育を受けてるんだ。知の部分が俺とベルトラン。武の部分がエリクとシリル。そういうことだよ」
兄様はしれっとしている。
「王家の話は大事な妹や婚約者でも話せないからね。心苦しいところもあるよ」
取り繕うつもりですね。
「キャロライン先輩を巻き込んだのは?」
兄様には直接的な言葉の方が良い、そう判断しました。言い抜けられない様に。
「エリクの方は婚約者に内定させてるから」
多分、それはただの言い訳。本当の意味があるはず、ブランシュ、考えなさい。脳みそを回転させなさい。ルヴィエ伯爵領と言えば……。
「運河の通行権」
「読めた様だね」
「運河の通行権、押さえる為ですか」
「そういうこと。まぁ、中立派の伯爵を今一歩こちらに近づけたくてね」
兄様はこういうところがある。だからべたべたのシスコンは『趣味』でやっているのだろうと私は考えている。ま、そうじゃなきゃ商売で成功はしないか。友人というだけならシリル様の小説を自分の所で売ろうとかしないだろうし。
「あとな、妾妃様派の一人がルヴィエ伯爵領狙ってるんだよ。だから相手はエリクとキャロライン嬢が婚約、結婚すると困るんだ。爵位のない家ではあるが、ピンクの会を操ってるともいえる家でね。家としては妾妃様の親戚ではある」
……ふむ、兄様は王家以外の話は話してくれるんだ。
「兄様へのピンクの会の攻撃はどうなってますの?」
「目の前でハンカチを落として拾わせて手を握りながら小さなメモ、連絡先とか待ち合わせ場所とか。シリルは待ち合わせ場所書いてた女性は全員落としてるみたいで少しだけ会員が減ってるとか。娘や息子をピンクの会に入れてない子爵や伯爵の妾妃派が本陣ではあるんだけどもね。ピンクの会所属の子の妾妃派の親はほぼいない。理由もわかってて妾妃派として駒ではあるが利が薄いってところなんだろう。騎士爵や準男爵だと親達は我々の親と接触する場面は少ないしね。本来なら学園でもそこまで接触はないはずなんだよな」
兄様が顎をかきながら口をとがらせている。今は私に話してる風ですがこれ、頭の整理ですわね。おとなしく聞いておこう。ブレインストーミングは大事。
「ピンクの会のトップはアニエス様ですよね?彼女の考えが反映されて過激になっているのでは?」
兄様は私をじっと見る。
「俺、ブランシュのそういうところが好きだな。……なぁ、ぶっちゃけて聞くけどブランシュのアルベルト様に対しての感情ってどんな感じだ?」
「どんな感じと言われましても。……王子殿下なんだな、子供の頃よりはまともになったな、みたいな」
「フランソワ殿下は?」
「図書室で会う人」
「ジャック殿下は?」
「体格がいい人」
兄様は溜息をつく。
「……もしかしてベルトランに惚れてる?」
「ないです」
私の言葉に兄様は大笑いした。ほぼ、アルベルト殿下の見立て通りだなと笑う。
「殿下はブランシュに惚れてるよ?恋愛したいと思ってるって相談を受けた。それと同時にブランシュは誰にも恋愛してない気がするとも言ってたな」
「……殿下は、幼いころにされたあれこれがあるので。新しいハサミを買ってもらったからって髪切られたり、新しいドレスを見ると『似合わない』っていじめられて大抵最後は噴水で『洗ってやるよ』とか。そういう時代の印象が悪すぎて」
兄様相手だから本音を話しておく。そうすろ大抵『よしな』にしてもらえるし。兄様は遠い目になる。
帰宅後兄様に聞いた。うまい具合にお茶の時間は二人きりだった。サラ姉様と母様は大公様と伯父様に話をつけに行っている。
「知ってたのですね?殿下のお考え」
「そりゃ知ってるさ。俺とエリクはアルベルト殿下の側近候補ではなく王太子、ひいては未来の王の側近として教育を受けてるんだ。知の部分が俺とベルトラン。武の部分がエリクとシリル。そういうことだよ」
兄様はしれっとしている。
「王家の話は大事な妹や婚約者でも話せないからね。心苦しいところもあるよ」
取り繕うつもりですね。
「キャロライン先輩を巻き込んだのは?」
兄様には直接的な言葉の方が良い、そう判断しました。言い抜けられない様に。
「エリクの方は婚約者に内定させてるから」
多分、それはただの言い訳。本当の意味があるはず、ブランシュ、考えなさい。脳みそを回転させなさい。ルヴィエ伯爵領と言えば……。
「運河の通行権」
「読めた様だね」
「運河の通行権、押さえる為ですか」
「そういうこと。まぁ、中立派の伯爵を今一歩こちらに近づけたくてね」
兄様はこういうところがある。だからべたべたのシスコンは『趣味』でやっているのだろうと私は考えている。ま、そうじゃなきゃ商売で成功はしないか。友人というだけならシリル様の小説を自分の所で売ろうとかしないだろうし。
「あとな、妾妃様派の一人がルヴィエ伯爵領狙ってるんだよ。だから相手はエリクとキャロライン嬢が婚約、結婚すると困るんだ。爵位のない家ではあるが、ピンクの会を操ってるともいえる家でね。家としては妾妃様の親戚ではある」
……ふむ、兄様は王家以外の話は話してくれるんだ。
「兄様へのピンクの会の攻撃はどうなってますの?」
「目の前でハンカチを落として拾わせて手を握りながら小さなメモ、連絡先とか待ち合わせ場所とか。シリルは待ち合わせ場所書いてた女性は全員落としてるみたいで少しだけ会員が減ってるとか。娘や息子をピンクの会に入れてない子爵や伯爵の妾妃派が本陣ではあるんだけどもね。ピンクの会所属の子の妾妃派の親はほぼいない。理由もわかってて妾妃派として駒ではあるが利が薄いってところなんだろう。騎士爵や準男爵だと親達は我々の親と接触する場面は少ないしね。本来なら学園でもそこまで接触はないはずなんだよな」
兄様が顎をかきながら口をとがらせている。今は私に話してる風ですがこれ、頭の整理ですわね。おとなしく聞いておこう。ブレインストーミングは大事。
「ピンクの会のトップはアニエス様ですよね?彼女の考えが反映されて過激になっているのでは?」
兄様は私をじっと見る。
「俺、ブランシュのそういうところが好きだな。……なぁ、ぶっちゃけて聞くけどブランシュのアルベルト様に対しての感情ってどんな感じだ?」
「どんな感じと言われましても。……王子殿下なんだな、子供の頃よりはまともになったな、みたいな」
「フランソワ殿下は?」
「図書室で会う人」
「ジャック殿下は?」
「体格がいい人」
兄様は溜息をつく。
「……もしかしてベルトランに惚れてる?」
「ないです」
私の言葉に兄様は大笑いした。ほぼ、アルベルト殿下の見立て通りだなと笑う。
「殿下はブランシュに惚れてるよ?恋愛したいと思ってるって相談を受けた。それと同時にブランシュは誰にも恋愛してない気がするとも言ってたな」
「……殿下は、幼いころにされたあれこれがあるので。新しいハサミを買ってもらったからって髪切られたり、新しいドレスを見ると『似合わない』っていじめられて大抵最後は噴水で『洗ってやるよ』とか。そういう時代の印象が悪すぎて」
兄様相手だから本音を話しておく。そうすろ大抵『よしな』にしてもらえるし。兄様は遠い目になる。
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