悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

文字の大きさ
30 / 65

王宮では

しおりを挟む
 その日すぐに妾妃様は宿下がりを申し上げに陛下の元へ向かったらしい。そこで待っていたのは正妃様と近衛騎士団だった。
 陛下は王子宮でアルベルト殿下とフランソワ殿下の相談に乗っていて不在、にさせたらしい。
 妾妃様に弱い陛下ですが、アルベルト殿下ととフランソワ殿下、ジャック殿下にはもっと弱いし、最近生まれた内緒の側妃様のとこにいる姫様にはもっと弱い。その上でアルベルト殿下が陛下本人は得意分野だと思ってる『恋愛相談』を持ちかけたものだから喜んで王子宮に向かう。(あと、政務をサボれるので……、らしい)

 王子宮では恋愛話と称して陛下の学生時代の思い出を話してもらう。主に妾妃様との出会いや学園での過ごし方などを聞いていたらしい。
 興がのった陛下も話し込んだらしい。その間に妾妃様は正妃様の宮から何処かに運び出されたようで。(この時にアルベルト殿下にハニトラがかけられている事が発覚した、と)

「陛下、妾妃様捕縛しました。陛下も一時療養でおとなしくしていただきます。持続性のある特殊な媚薬を盛られ続けていた疑いがあるので侍医が診察します。しばらくの間、不自由だと思いますが私の宮の陛下のお部屋にお願いしますね。側妃様が看病に着きます」

 今、陛下は新しい側妃様に夢中だ。娘を産んだ若干19歳の侯爵令嬢だ。王妃様がスカウトしたらしい。愛らしい容姿に明晰な頭脳、しっかり自分の立ち位置を理解してる令嬢らしい。後で知ったのですが、キャロライン様の従姉に当たる方で、家の為に趣味のよろしくない男爵に嫁ぐ羽目になるところだったらしいです。

 陛下は形だけの抵抗をしつつ王妃様の宮に蟄居に納得したようです。王妃様が心配そうに声をかけてくるのも気分がいいらしい。妾妃様の使っていた媚薬は10日で薄れてくる、との事。
 いくら魔力量が薄いと言っても魅了されるのはおかしいと思った正妃様が調べてるうちに妾妃様の荷物の中にその媚薬を見つけたそうです。……そう、シリル様が妾妃様をちょっとあーしてこーしてる時に手に入れたとか。あの人何してるんだろう……。

『僕でだめならフェルナンと二人がかりで行こうかと思ってたんだけどね』

シリル様、相変わらず可愛い声と姿でえげつない。自分たちが童貞であると告白した三人の殿下とエリク様はシリル様のお父様の息のかかった高級娼館で手ほどきをうけたそうで。

 「三人とも女を手玉に取れとは言わないけど、女に免疫がないのは困る」

と兄様とアルフォンス様、ベルトラン兄様で説教をしたそうです。ええ、わりと偉そうに言ってたアルベルト様がハニートラップに絡め盗られそうだったんだって。
 私は彼らの童貞がどうなろうと興味も関係もないので。そのまま四人は一週間居続けたらしいから推して知るべし。
 エリク様には

「キャロライン嬢には内緒にしてください」

ってこっそりお願いされましたが。

「先輩の事、好きなんですか?」

「私は好きとか嫌いとかはよくわからないけど、容姿も声も性格も好ましいので妻にするならあの方がいいと思ってます」

だって。

「じゃ、ゆっくりでいいんで自分の言葉でそれを先輩に伝えないと。でももたもたしてると取られちゃいますよ?」

エリク様が腑に落ちないという顔をする。

「私に伝えてもだめです。そういう事は本人に言わないと」

「そんなものですか?」

私は偉そうに頷く。

「そんなものです。あれだけ可愛らしい人ですよ?容姿も性格も。売り切れる前に行動起こすべきです」

 その後、キャロライン先輩から伺ったエリク様の様子は、週1のお茶会の時には小さな花束やショコラを持ってくる程度には進化したとか。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】『恋心を凍らせる薬を飲みました』 - 残りの学園生活、どうぞご自由にお遊びください、婚約者様

恋せよ恋
恋愛
愛されることを諦めた。だから、私は心を凍らせた。 不誠実な婚約者・ユリアンの冷遇に耐えかねたヤスミンは、 伝説の魔女の元を訪れ、恋心を消し去る「氷の薬」を飲む。 感情を捨て、完璧な「人形」となった彼女を前に、 ユリアンは初めて己の罪と執着に狂い始める。 「お願いだ、前のように僕を愛して泣いてくれ!」 足元に跪き、涙を流して乞う男に、ヤスミンは冷酷に微笑む。 「愛?……あいにく、そのような無駄な感情は捨てましたわ」 一度凍りついた心は、二度と溶けない。 後悔にのたうち回る男と、心を凍らせた冷徹な公爵夫人の、 終わりのない贖罪の記録。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

契約結婚の相手が優しすぎて困ります

みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

処理中です...