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トー伯爵令嬢
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「まずトー伯爵令嬢のことは洗脳されていたのとフランソワ殿下に恋してたのが混ざっておかしなことになってる。今も王宮の魔道士達が洗脳の解除を試みてるけど進捗はよろしくなくてね」
サマンの一族は表は香料を扱う商家だったよね?んで妾妃様の香水とか作ってて(原料聞いてげんなりだけど)……なにか、出てきそう。んーんーんー。
「あ、サマン一族が使ってた香料とかあるならそれで条件付けされてるかも。キトリー様の持ち物、できたら昨日学校へ持って行ったものを調べて欲しいです。侍女なら彼女の持ち物に条件付け香料を着けて持たせるのも可能ですし。……単なる想像ですけども」
シリル様が真面目な顔で考えている。
「面白くはある。洗脳を普段は隠していられるしな」
「他人が使う事が少ない香料の利用だと思います。皆が使えるような香料だとトリガーをそこここで轢かれてしまいますし」
「君、本当に令嬢?」
中はただの社畜OLだけどね。令嬢とはいいがたいな。
「さぁ?」
「次にだ、バルバストル公爵令嬢も洗脳されている疑惑がある」
「エリーゼはもう大公領にいますわよ?」
「サラ嬢のことだよ。偶に本気で素ボケるね、君」
シリル様が本当に面白そうに私を見る。
「いつそんなことができたのかわからない」
私が答えるとシリル様が肩をすくめる。
「君がマナー講習とか受けてた時に妾妃様の部屋にあの赤毛が入っていくのは何度か見たから、洗脳を受けたのならその頃だろ」
シリル様が事も無げに答えを投げてくる。
「俺はベッドに呼ばれる事が偶にあったからね。妾妃様の部屋の控室にいたりしてたから」
表情の読めない顔でシリル様が淡々と告げる。
「この洗脳騒動があってから思い出したんだよね、サラ嬢の事」
「兄様は知ってる?」
「ああ。フェルナンも何度かなんでサラ嬢が王宮に?っていう状況は記憶にあるって言ってた」
サラ姉様を洗脳して何をしたかったのか。というかなんでえサラ姉様狙ったの?
「自分自身思い出したけど、妾妃様の部屋に行く度、頭が痛くなってたんだよね。いつも同じ香が炊かれてて」
香がきつかったのか、あるいは……。
「シリル様自身は洗脳にかかってませんの?」
シリル様はうーん、と考え込む。
「自分が掛かってるとは思ってないけど王宮の魔術医師に診てもらうか。サラ嬢も王宮に連れてきてもらえる?」
「私に頼むよりベルトラン兄様に頼む方が早いかも。今日明日くらいは実家に戻られてますし」
シリル様は軽く頷く。そしていきなり腰を上げた。
「もしかして今、ブランシュだけなの?ここにいるの」
「使用人の方達もいらっしゃいますけど」
「まずいかも。……信用できないかもだけど今日は俺がボディガードね。君は今、残党にとって喉から手が出るくらいほしいと思う」
私にそんな価値はない。
「そんな価値ないですよ?」
「……一番単純な話として魔力量だよ。君の魔力量を利用できれば大がかりな魔術も使えるからね」
「私の魔力を利用できるのは母様と兄様だけですわ」
シリル様はこめかみを抑えてため息をつく。
「フェルナンや君の母上は君自身を人質に取られたら大がかりな魔法を使う手伝いをすることだってあり得る。そんなことになったら君も悔しいだろ?」
それは完全に否定はしきれない。
「なので、念のため護衛させてほしい。それと良いものをあげる」
シリル様は持っていた荷物から数枚の便せんと封筒をくれた。
「これは即連絡を取りたい時に使う魔道具。うちの商会で開発したもので、これはドヌーヴ公爵家からの依頼で作ったものの一つ、裏道具だね」
シリル様は屋敷が手薄な事で一旦屋敷にとどまる事やシリル様自身に洗脳がかかってるかもということ、またキトリー様の洗脳にサマン家の香を利用しているかもしれない事などを便せんに認める。
「これの使い方を見ててね。あと、封蝋借りれる?お遊び用のもってるならそれでいいし、あて先はフェルナンだからブランシュの封蝋でも構わない」
シリル様は封筒の枠の中に兄様の名前を書く。そうして手紙を封入した。封をしたところに模様が着いていて、針で指先を突き血を一滴そこに落とす。そしてその上に私の印、ユリの花の印を落とした蝋に押す。
「で、ほんの少し魔力を込めると宛名の所に届く、と。ブランシュ、ちょっと魔力を手紙に通してみて」
なんとなく魔導コンロを使う感じで手紙に魔力を込めると手紙は青い蝶に変わって飛んでいった。
「これでフェルナンに手紙が届く、と」
シリル様がにっこりと笑う。畜生、可愛いな、顔は。
サマンの一族は表は香料を扱う商家だったよね?んで妾妃様の香水とか作ってて(原料聞いてげんなりだけど)……なにか、出てきそう。んーんーんー。
「あ、サマン一族が使ってた香料とかあるならそれで条件付けされてるかも。キトリー様の持ち物、できたら昨日学校へ持って行ったものを調べて欲しいです。侍女なら彼女の持ち物に条件付け香料を着けて持たせるのも可能ですし。……単なる想像ですけども」
シリル様が真面目な顔で考えている。
「面白くはある。洗脳を普段は隠していられるしな」
「他人が使う事が少ない香料の利用だと思います。皆が使えるような香料だとトリガーをそこここで轢かれてしまいますし」
「君、本当に令嬢?」
中はただの社畜OLだけどね。令嬢とはいいがたいな。
「さぁ?」
「次にだ、バルバストル公爵令嬢も洗脳されている疑惑がある」
「エリーゼはもう大公領にいますわよ?」
「サラ嬢のことだよ。偶に本気で素ボケるね、君」
シリル様が本当に面白そうに私を見る。
「いつそんなことができたのかわからない」
私が答えるとシリル様が肩をすくめる。
「君がマナー講習とか受けてた時に妾妃様の部屋にあの赤毛が入っていくのは何度か見たから、洗脳を受けたのならその頃だろ」
シリル様が事も無げに答えを投げてくる。
「俺はベッドに呼ばれる事が偶にあったからね。妾妃様の部屋の控室にいたりしてたから」
表情の読めない顔でシリル様が淡々と告げる。
「この洗脳騒動があってから思い出したんだよね、サラ嬢の事」
「兄様は知ってる?」
「ああ。フェルナンも何度かなんでサラ嬢が王宮に?っていう状況は記憶にあるって言ってた」
サラ姉様を洗脳して何をしたかったのか。というかなんでえサラ姉様狙ったの?
「自分自身思い出したけど、妾妃様の部屋に行く度、頭が痛くなってたんだよね。いつも同じ香が炊かれてて」
香がきつかったのか、あるいは……。
「シリル様自身は洗脳にかかってませんの?」
シリル様はうーん、と考え込む。
「自分が掛かってるとは思ってないけど王宮の魔術医師に診てもらうか。サラ嬢も王宮に連れてきてもらえる?」
「私に頼むよりベルトラン兄様に頼む方が早いかも。今日明日くらいは実家に戻られてますし」
シリル様は軽く頷く。そしていきなり腰を上げた。
「もしかして今、ブランシュだけなの?ここにいるの」
「使用人の方達もいらっしゃいますけど」
「まずいかも。……信用できないかもだけど今日は俺がボディガードね。君は今、残党にとって喉から手が出るくらいほしいと思う」
私にそんな価値はない。
「そんな価値ないですよ?」
「……一番単純な話として魔力量だよ。君の魔力量を利用できれば大がかりな魔術も使えるからね」
「私の魔力を利用できるのは母様と兄様だけですわ」
シリル様はこめかみを抑えてため息をつく。
「フェルナンや君の母上は君自身を人質に取られたら大がかりな魔法を使う手伝いをすることだってあり得る。そんなことになったら君も悔しいだろ?」
それは完全に否定はしきれない。
「なので、念のため護衛させてほしい。それと良いものをあげる」
シリル様は持っていた荷物から数枚の便せんと封筒をくれた。
「これは即連絡を取りたい時に使う魔道具。うちの商会で開発したもので、これはドヌーヴ公爵家からの依頼で作ったものの一つ、裏道具だね」
シリル様は屋敷が手薄な事で一旦屋敷にとどまる事やシリル様自身に洗脳がかかってるかもということ、またキトリー様の洗脳にサマン家の香を利用しているかもしれない事などを便せんに認める。
「これの使い方を見ててね。あと、封蝋借りれる?お遊び用のもってるならそれでいいし、あて先はフェルナンだからブランシュの封蝋でも構わない」
シリル様は封筒の枠の中に兄様の名前を書く。そうして手紙を封入した。封をしたところに模様が着いていて、針で指先を突き血を一滴そこに落とす。そしてその上に私の印、ユリの花の印を落とした蝋に押す。
「で、ほんの少し魔力を込めると宛名の所に届く、と。ブランシュ、ちょっと魔力を手紙に通してみて」
なんとなく魔導コンロを使う感じで手紙に魔力を込めると手紙は青い蝶に変わって飛んでいった。
「これでフェルナンに手紙が届く、と」
シリル様がにっこりと笑う。畜生、可愛いな、顔は。
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