【完結】悪役令嬢娼館エンド、その後

あくの

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本編

書類仕事

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 「研究書は一期一会」

陛下はしれっという。疲れているのか、最初の紅茶は甘めにしている。セシルがあれこれ皿に取り分けて、アランの前に置く。

「あなた、また昼抜いてでしょ。だから倒れるのよ。この人、お父様や叔父様と同じタイプなのよ」

「……書類、手伝いましょうか?」

エリクが申し出る。

「宰相手伝ってやってよ。あそこで処理できるものが増えたら俺は楽になる」

「今、下っ端で宰相の執務室に入ってます」

エリクが言うとアランはサンドイッチを頬張りながら考える。

「なら、宰相につけるように言っておく」



 「君が書類の分類とか得意なんだって?」

宰相に声をかけられエリクが言う。

「うちの兄弟全員得意です。王太子と王子の執務手伝ってましたから」

「ああ、そうか。君たちはローラン陛下絡みで来た子だちだったな。ではお手並み拝見しようかな。滞ってる書類が溜まってるからな」

ラファイエット家の兄弟は役人が溜まっている部屋に連れてこられた。この三人が仕訳をするので各自執務に戻れ、と。
 己の出身地や養子先のことに忖度し、書類の仕分けが滞っているらしい。ラファイエット家の兄弟は今、忖度するのは王宮だけなので適任だ、ということでもあった。



 「ドコも似たようなもんだねぇ」

三男のエミリアンが言う。

「ま、ここの方がましだな。騎士がちゃんと仕事して袖の下持ってきてるやつを入口で排除してくれてる」

四男のエドモンも同意する。今はせっせと三人で書類の年度と月別に並べている。

「広い机はいいねぇ」

エリクがにっこりする。

「たしかに。前の王宮より仕事しやすいな」

「エドワードもローランも自分以外に金かけない男だったしな」

兄弟三人で頷きあう。

「そいつらから金引っ張ってきてる聖女様は凄腕だよなぁ」

エミリアンがしらっとしながら呟く。

「ああ、いまの側近たちからも大分巻き上げてるみたいだぞ」

エドモンが教えてくれる。エドモンは長兄ウスターシュの命令で暫くエリカを調べていた
らしい。

「わからないようにビロン男爵の家に買い取り屋が通ってたからな」

「宝石は出来るだけ流行のにたようなデザインでねだってたよ」

女生徒たちとの会話から聞いた事をエリクも伝える。エリクは不思議と女性に警戒されない男であった。そこに座っていると女子生徒たちの会話にするっと溶け込んで話をしていた。かといって男子に嫌われる、というわけでもなかった。妙に周りに溶け込むのだ。
 お陰で子供の頃からセシルやソフィーと仲が良くなっていった。エレーヌは年上の子息たちに囲まれてお姫様扱い(ほっておくときーきー暴れだすのでジェルマンが可愛そうだ、と他の子息達が対応していた)を満喫していたが、セシルとソフィーとエリク、そしてジェラールとエドモンは木剣で騎士ごっこや各家にある大きな木をどこまで上れるか競争したりとかなり活発な子供時代を過ごしていた。
 淑女と呼ばれる年齢院なってもセシルもソフィーも鍛錬は怠ってなかったのだ。

「4年前の年度末が一番古いか」

ざっと分け終えた書類を見てエミリアンが言う。

「まずこっからだな」

「うん。橋の補修は実情調査だね」

「祭りの申請とか放置されてたんかぁ」

書類を見ながら3人はここの役人なにやってんの、と思った。

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