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マキシミリアン視点 ためらいがちに伸ばされる手
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そして、僕は卒業の前にディアナの両親に結婚を打診することになった。
シュナウザー侯爵は僕の目をまっすぐに見ていった。
「君は両親をどう思っているのだね」
「母のことは痛ましいと思っていました、父はもうとても遠い人です」
侯爵は難しい顔をしていた。
「君の父親の後ろ暗い商売には陰でそう言う噂自体はあった。しかしあまり感心しない連中の中での噂だ。そのような噂を信じるなんてまともな貴族のすることではないというのが我々の言い分だ」
「そうですか」
「だが、君の父親は全く評価するところはないが、君の親族は全く持って立派な貴族ではないか」
侯爵はそう言ってにっこりと笑う。
「誇りを捨ててはいけない、悪は悪と判断し、それが家名に傷をつけると分かっていてもそれを自らの手で裁く、実に見事な自浄を行うそのような立派な親族がいるのは君は誇るべきことだ」
そして侯爵は僕の手を取った。
「あれだけのことをした父親の息子は次代の侯爵にできない。それはそうだろう、だが君のことは罪はないと思っているようだ、あちらの親戚も君のことをよろしくと言ってきたよ」
僕はすべてを失ったわけではないのか。
「そういえば、弟はどうなるのでしょうか」
あの弟は全く変わらずに暮らしている。なんでもあくどいことをして資産を蓄えている男爵家の令息と何やら後ろ暗い金のやり取りをしているという情報も入ってきていた。
弟が両輪の悪徳の影響下にあるのは間違いないのだ。
「辺境に領地を与えて、そこで生涯を過ごさせるそうだ。そうすれば監視もしやすいし、あくどい連中も近寄りづらいだろうという向こうの判断だ」
だとすれば、弟は学園を卒業したら二度と会うことは無いのだ。
邪悪の代償と思えば仕方ないのかもしれないが。
弟はそのような将来が待っていると分かっていないのだろうか。辺境で幽閉同然の身になると聞けばもっと取り乱すのではないだろうか。
「お父様、わかってくださってうれしいわ」
ディアナは涙を流しながら祈るように指先を胸元で組んだ。
「そうだな」
侯爵はディアナから視線を逸らす。
「あの子はちょっと頼りない子だ、君のようなしっかりした男性に支えてもらいたい。それに君は悪徳の中にあってもそれに染まらなかった。そこに可能性を見出したい」
侯爵の真摯な言葉に僕は頷いた。
そして、ディアナの妹たちが部屋に入ってきた。
ディアナそっくりだが、セレスはよく見るとディアナより少しだけ身長が高く、目鼻立ちもほんの少しだけだが大ぶりだ。
そして、小さなルナ。
「セレス、お前は次代グレイハウンド侯爵チャールズフォックステリア卿に嫁ぐことになる。フォックステリア家は悪とみなせば当主にも裁きをと求める貴族の中の貴族だ、そのような素晴らしい方をお前の婿にできること誠に光栄と思う」
セレスの顔に一切の表情はなかった。だがルナは満面の笑みを浮かべていた。
「よかったわね、お姉様、これで全部決まったのね」
「ルナ、祝福してくれるの」
「もちろんよ、セレスお姉様、本当におめでとう」
ルナはそっとセレスの手を取った。
「私とっても嬉しいわ」
だけどどうしてだろう、ルナの手には小さなみみずばれがあった。どうしてそんなところにけがをしたのか。
シュナウザー侯爵は僕の目をまっすぐに見ていった。
「君は両親をどう思っているのだね」
「母のことは痛ましいと思っていました、父はもうとても遠い人です」
侯爵は難しい顔をしていた。
「君の父親の後ろ暗い商売には陰でそう言う噂自体はあった。しかしあまり感心しない連中の中での噂だ。そのような噂を信じるなんてまともな貴族のすることではないというのが我々の言い分だ」
「そうですか」
「だが、君の父親は全く評価するところはないが、君の親族は全く持って立派な貴族ではないか」
侯爵はそう言ってにっこりと笑う。
「誇りを捨ててはいけない、悪は悪と判断し、それが家名に傷をつけると分かっていてもそれを自らの手で裁く、実に見事な自浄を行うそのような立派な親族がいるのは君は誇るべきことだ」
そして侯爵は僕の手を取った。
「あれだけのことをした父親の息子は次代の侯爵にできない。それはそうだろう、だが君のことは罪はないと思っているようだ、あちらの親戚も君のことをよろしくと言ってきたよ」
僕はすべてを失ったわけではないのか。
「そういえば、弟はどうなるのでしょうか」
あの弟は全く変わらずに暮らしている。なんでもあくどいことをして資産を蓄えている男爵家の令息と何やら後ろ暗い金のやり取りをしているという情報も入ってきていた。
弟が両輪の悪徳の影響下にあるのは間違いないのだ。
「辺境に領地を与えて、そこで生涯を過ごさせるそうだ。そうすれば監視もしやすいし、あくどい連中も近寄りづらいだろうという向こうの判断だ」
だとすれば、弟は学園を卒業したら二度と会うことは無いのだ。
邪悪の代償と思えば仕方ないのかもしれないが。
弟はそのような将来が待っていると分かっていないのだろうか。辺境で幽閉同然の身になると聞けばもっと取り乱すのではないだろうか。
「お父様、わかってくださってうれしいわ」
ディアナは涙を流しながら祈るように指先を胸元で組んだ。
「そうだな」
侯爵はディアナから視線を逸らす。
「あの子はちょっと頼りない子だ、君のようなしっかりした男性に支えてもらいたい。それに君は悪徳の中にあってもそれに染まらなかった。そこに可能性を見出したい」
侯爵の真摯な言葉に僕は頷いた。
そして、ディアナの妹たちが部屋に入ってきた。
ディアナそっくりだが、セレスはよく見るとディアナより少しだけ身長が高く、目鼻立ちもほんの少しだけだが大ぶりだ。
そして、小さなルナ。
「セレス、お前は次代グレイハウンド侯爵チャールズフォックステリア卿に嫁ぐことになる。フォックステリア家は悪とみなせば当主にも裁きをと求める貴族の中の貴族だ、そのような素晴らしい方をお前の婿にできること誠に光栄と思う」
セレスの顔に一切の表情はなかった。だがルナは満面の笑みを浮かべていた。
「よかったわね、お姉様、これで全部決まったのね」
「ルナ、祝福してくれるの」
「もちろんよ、セレスお姉様、本当におめでとう」
ルナはそっとセレスの手を取った。
「私とっても嬉しいわ」
だけどどうしてだろう、ルナの手には小さなみみずばれがあった。どうしてそんなところにけがをしたのか。
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