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■■ 【■■■■・紙■■】■■■■③
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「そのために、ありとあらゆる世界から、厨二病の乗せやすいお調子者のおバカゲフンゲフン神に選ばれし真の勇者となる転生者を召喚したのですよ」
さっきから何を言ってるかさっぱりわからない。【心励起/仇多羅急行】で遭遇した転生者、リョウガ達はそんなこと言ってなかった。オレ達はこの世界を救うんだって、だから、まずはこの列車を止めるんだって。結局、そう言っておいて手当たり次第に周りを破壊しようとしていただけだったけど。
あんなのが勇者? いや、違う、この世界でかつて、勇者、と呼ばれた人はきっと傍若無人な乱暴者なんかじゃないはずだ。そうじゃなきゃ後世に伝説なんて残りはしない。残ったとしても悪名だろう。
彼女が言うことは何もかも信用できない。
彼女は明確にわたしの物語をめちゃくちゃにする存在だ。
「それにしても……、」
小烏丸は、わたしのことなんて見向きもせず、ふらりと視線を上に。
「〝鬱々没個性は半神付随劣等感(デミゴッド・アノマライザー)‟、神の権能を与える力で、異世界転生最強スローライフ悪役令嬢主人公を大量生産したはずなのに、」
小烏丸は大きくため息を吐き出すと、やたらとわざとらしくやれやれと首を横に振る。
「こいつら、全然使えねえじゃん」
さっきまでの軽々しい口調から一変、淡々と言い放つ。その口調の急激な変化に、「ッ……!」背筋にゾッと寒気が走る。
「……あなた、何者なの?」
「だ・か・らー、神様だって言ってるじゃないですかー。この世界の創造神にして、今から始まるこの物語の主人公です、おわかりー?」
至極軽々しく。得体の知れない小烏丸の冷たさに、なぜか凍り付いたように動けずにいるわたしとは対称的に。でも、
「これはわたしの物語よ、突然出てきた登場人物なんかが壊さないで」
きっとこの声の震えは寒さじゃない、だけど、たとえどんなに怖くてもどうしてもこれだけは言っておかなきゃいけなかった。
わたしこそがこの錯誤世界を創ったのだから。
わたしだって“始源拾弐機関”なのだから。
だって、わたしこそがこの物語の主人公なのだから。
「はあ? 何の力も持たない無能なモブが何を言ってるんですか? 名前もないNPCが主人公気取りですか?」
もうわたしとの会話にすらうんざりしているのか、小烏丸はこんな緊迫した状況ですら気にも留めていない。いや、もしかしたら、別に緊迫しているとすら思っていないのかもしれない。
「メタ的な発言は読者に好まれませんよ? 独り善がりの自慰では相手は喜びませんからね」
「この世界を壊そうとしているアナタには言われたくない」
「え、なんかワタクシが悪者みたいに言うじゃないですか~。いやいや、どちらかというと悪者はあなた達の方ですよ~、神に仇なす旧支配者、なんて構図は」
「そもそもアナタがこの世界を壊さなきゃいいだけの話じゃない」
「いいえ、そうはいきませんよ、この世界は刷新されるべきなのです」
訳がわからない。この神っぽくない少女の方こそがメタ思考していて、その本質は悪意だ。人を小馬鹿にしたような作為的な言動にぴりぴりとイラつく。それっぽいことをつらつらと宣っている“風”でいて、だけど、わたし達は何も相互理解できていない。
この世界の神様であるはずのこの少女がどうして、壊してやろうとするほどにこの世界を憎んでいるのか。ただの子どもでしかないわたしには、神様の気持ちなんて計り知れない。
さっきから何を言ってるかさっぱりわからない。【心励起/仇多羅急行】で遭遇した転生者、リョウガ達はそんなこと言ってなかった。オレ達はこの世界を救うんだって、だから、まずはこの列車を止めるんだって。結局、そう言っておいて手当たり次第に周りを破壊しようとしていただけだったけど。
あんなのが勇者? いや、違う、この世界でかつて、勇者、と呼ばれた人はきっと傍若無人な乱暴者なんかじゃないはずだ。そうじゃなきゃ後世に伝説なんて残りはしない。残ったとしても悪名だろう。
彼女が言うことは何もかも信用できない。
彼女は明確にわたしの物語をめちゃくちゃにする存在だ。
「それにしても……、」
小烏丸は、わたしのことなんて見向きもせず、ふらりと視線を上に。
「〝鬱々没個性は半神付随劣等感(デミゴッド・アノマライザー)‟、神の権能を与える力で、異世界転生最強スローライフ悪役令嬢主人公を大量生産したはずなのに、」
小烏丸は大きくため息を吐き出すと、やたらとわざとらしくやれやれと首を横に振る。
「こいつら、全然使えねえじゃん」
さっきまでの軽々しい口調から一変、淡々と言い放つ。その口調の急激な変化に、「ッ……!」背筋にゾッと寒気が走る。
「……あなた、何者なの?」
「だ・か・らー、神様だって言ってるじゃないですかー。この世界の創造神にして、今から始まるこの物語の主人公です、おわかりー?」
至極軽々しく。得体の知れない小烏丸の冷たさに、なぜか凍り付いたように動けずにいるわたしとは対称的に。でも、
「これはわたしの物語よ、突然出てきた登場人物なんかが壊さないで」
きっとこの声の震えは寒さじゃない、だけど、たとえどんなに怖くてもどうしてもこれだけは言っておかなきゃいけなかった。
わたしこそがこの錯誤世界を創ったのだから。
わたしだって“始源拾弐機関”なのだから。
だって、わたしこそがこの物語の主人公なのだから。
「はあ? 何の力も持たない無能なモブが何を言ってるんですか? 名前もないNPCが主人公気取りですか?」
もうわたしとの会話にすらうんざりしているのか、小烏丸はこんな緊迫した状況ですら気にも留めていない。いや、もしかしたら、別に緊迫しているとすら思っていないのかもしれない。
「メタ的な発言は読者に好まれませんよ? 独り善がりの自慰では相手は喜びませんからね」
「この世界を壊そうとしているアナタには言われたくない」
「え、なんかワタクシが悪者みたいに言うじゃないですか~。いやいや、どちらかというと悪者はあなた達の方ですよ~、神に仇なす旧支配者、なんて構図は」
「そもそもアナタがこの世界を壊さなきゃいいだけの話じゃない」
「いいえ、そうはいきませんよ、この世界は刷新されるべきなのです」
訳がわからない。この神っぽくない少女の方こそがメタ思考していて、その本質は悪意だ。人を小馬鹿にしたような作為的な言動にぴりぴりとイラつく。それっぽいことをつらつらと宣っている“風”でいて、だけど、わたし達は何も相互理解できていない。
この世界の神様であるはずのこの少女がどうして、壊してやろうとするほどにこの世界を憎んでいるのか。ただの子どもでしかないわたしには、神様の気持ちなんて計り知れない。
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