この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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4章:荳也阜縺ッ繝ッ繧ソ繧ッ繧キ縺ァ蜃コ譚・縺ヲ縺?k?

ようこそ、新異世界ハーレムへーー①

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「え、ええ……」

 お城に入ると、勝手にグロテスクだと思っていたはらわたの中は、どこを見渡しても、煌びやかな美少女美少女美少女美少女だらけ。なんか思わず声が漏れる。いわゆるドン引きってやつだ。大広間の時点でもうすでにこの有り様。

 よくもまあ、タイプも種族も違うこれだけの美少女を集められたもんだよ。ここまで徹底的だと逆に感心するわ。

 そして、完全に場違いの様相を呈するわたしとジーナ。彼女達の壮麗で豪奢なドレスと装備とは比べるまでもなく。これじゃあ、まるっきり初期装備でラスボスに挑む愚か者にしか見えない。

 でも、そんなわたし達の狼狽なんて気にしていないマナカはすたすたと先に行ってしまう。頼るもののないわたし達は不本意ながらマナカに付いて行くしかない。

「そうだ、キティちゃん、キミの種族は何なの? ヒューマン、ではなさそうだけど……」「あら、マナカ様でもわからないなんて不思議ね」

「あ、わ、わたし、き、記憶喪失みたいで自分が何者かも覚えていないみたいなの」

「へえ、そうなんだ、記憶喪失なんて大変だったね」「アタシも記憶がないわ、でも、マナカ様と出逢えたから……」

「……そんなことないわ、ところで……」

「ん? どうかした?」「ねえ、マナカ様、今日こそはデートに」「あら、約束はワタシが先よ?」

「い、いえ……」

 ん? どうかした? じゃあないんだよ、何なんだ、この女共は! やかましい! 鬱陶しいぞ! マナカが何か言うたび、いちいち解説だの自分の生い立ちだの称賛だのをねじ込んでくるせいで会話が成立しない。しかも、それをぞろぞろマナカに付いてきながら、ときにはマナカに抱きつきながら至近距離でやられるからたまったもんではない。このストレスがすごい。

「いちいち気にしない方がいいぜ、頭がおかしくなっちゃうから」ジーナ、こそっと。

「う、うん」

 そんなこと言われても、こんな近くで会話に口出しされて気にしない方が無理でしょ。今回ばかりはジーナのお気楽な性格がうらやましい。はあ、クエストのときの外野なんてまだかわいい方だったのね。

「ところで、お城の外には転生者がたくさんいたみたいけど、お城にはいないのかしら?」

 思わず訊いてしまったこれは単純に好奇心からの疑問。「お、おいッ」と小さくわたしを小突くジーナ。「あ」これはマズいか? 確かに、マナカを転生者だっていう認識で見ているのはできるだけ悟られていない方が殺りやすかったかも? こ、こうなったら強硬突破?

 わたしとジーナに不意に走る緊張。引きつる笑顔に少しだけぎこちなくなる歩み。でも、マナカはおろか周りの美少女達もわたし達の異変には気付いていないみたいで、

「ん? ああ、だってこの城はぼくの物だし、せっかくこうして異世界に転生したんだ、あのクソみたいな現実世界と似たようなところから来たような奴らとなんてつるみたくないし」

などと至極どうでもいい理由だったことを饒舌に語ってくれた。よっしゃ、みんな頭が弱くて助かる! マナカはどちらかというと、他の転生者達とひとくくりにされた方が気になったみたいだった。自分は他とは違うんだっていう、転生者には転生者なりのプライドがあるのでしょうね。知らんけど。

 っていうか、転生者のくだらないプライドとかそんなことより、ここだってちゃんと現実に存在する世界なんですけど。え、何、転生者ってこの世界を自分の思い通りにできる夢だとかおとぎ話の中のことだと思ってるわけ?
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