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起《承》転結
ーー異世界仲直りーー②
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「オレの村が魔物の群れに襲われた」
「……え」
ぽつり、ケヴィンはそれだけを絞り出すように呟く。苦々しく、苦しそうで。
「村のみんな殺されて、何も残っていなかった」
「ひどい、そんな……」
囁き森のひと達は、正体不明の怪しい少女であるわたしにも優しく気さくに接してくれた。そんなひと達がいなくなってしまったなんて。非現実的すぎて実感もない、悲しみすら湧いてこなかったわたしは非情な女なのかしら。
でも、もし魔物が襲ってきたっていつもみたいにみんなで協力してやっつけちゃうんじゃないの? どうして、どうしてそんなことになってしまったの?
あまりのショックで立ち尽くすわたしの様子になんて構わず、ケヴィンはわたしに向けて、黄金の柄に大きな宝石をいくつも散りばめた豪華な両刃の切っ先を突きつける。
「ねえ、ケヴィン、あの大事にしていた剣はどうしたの?」
「あんななまくらなんてとっくに売ったよ、ほとんどタダ同然だったけどな。今は、女神様から授かったこの聖剣、ブラドムーンがある」
「そっか……」
やっぱり、わたしはケヴィンのこと、何も知らなかったみたい。あんなに大切にしていたと思っていた剣は、ケヴィンにとってはそれだけの価値しかなかった。
今、自分に向けられているピカピカの大剣よりも、あの素朴で、でも、手入れの行き届いた小さな剣の方が絶対にかっこよかったのに。
「そうか、さては、キティ、お前、魔物だろ。そして、お前が魔物どもを手引きしたんだな」
「は? なんでそうなるの?」
「いくら探したってあの街でお前を見つけられなかった。きっと、村にオレとリイサがいない隙を狙って……」
「待ってください、ケヴィンさん。キティさんはずっと私と一緒にいました。それにキティさんは魔物じゃありません!」
エルルカがわたしを庇うようにぎゅっと抱き寄せる。エルルカのこんなに強い口調は初めてだ。それに、そんな強い眼差しも。
わたしはまた、何もできないままエルルカに守られてばかりいる。なんだか胸がまたぽっかりと空いてしまったような感覚は、きっと強い喪失感。魔剣を浴びて理解してしまった。わたしは、失ってばかりいて、得るものは少しだけ。
ああ、わたしはまだ、何もできないの?
いろんな街に行って、いろんなひととお話して、いろんな物語を読んで。
それでも、わたしはまだ、立ち尽くしたままなの?
「おいおいおいおい、アタシの友達に剣を向けるとはいい度胸だな、人間? ああ?」
そして、意外にも友達想いなアズの口がガパリと大きく裂け、両手の爪がじゃきんッと伸びる。こっちはこっちでイラついているみたい。
「……え」
ぽつり、ケヴィンはそれだけを絞り出すように呟く。苦々しく、苦しそうで。
「村のみんな殺されて、何も残っていなかった」
「ひどい、そんな……」
囁き森のひと達は、正体不明の怪しい少女であるわたしにも優しく気さくに接してくれた。そんなひと達がいなくなってしまったなんて。非現実的すぎて実感もない、悲しみすら湧いてこなかったわたしは非情な女なのかしら。
でも、もし魔物が襲ってきたっていつもみたいにみんなで協力してやっつけちゃうんじゃないの? どうして、どうしてそんなことになってしまったの?
あまりのショックで立ち尽くすわたしの様子になんて構わず、ケヴィンはわたしに向けて、黄金の柄に大きな宝石をいくつも散りばめた豪華な両刃の切っ先を突きつける。
「ねえ、ケヴィン、あの大事にしていた剣はどうしたの?」
「あんななまくらなんてとっくに売ったよ、ほとんどタダ同然だったけどな。今は、女神様から授かったこの聖剣、ブラドムーンがある」
「そっか……」
やっぱり、わたしはケヴィンのこと、何も知らなかったみたい。あんなに大切にしていたと思っていた剣は、ケヴィンにとってはそれだけの価値しかなかった。
今、自分に向けられているピカピカの大剣よりも、あの素朴で、でも、手入れの行き届いた小さな剣の方が絶対にかっこよかったのに。
「そうか、さては、キティ、お前、魔物だろ。そして、お前が魔物どもを手引きしたんだな」
「は? なんでそうなるの?」
「いくら探したってあの街でお前を見つけられなかった。きっと、村にオレとリイサがいない隙を狙って……」
「待ってください、ケヴィンさん。キティさんはずっと私と一緒にいました。それにキティさんは魔物じゃありません!」
エルルカがわたしを庇うようにぎゅっと抱き寄せる。エルルカのこんなに強い口調は初めてだ。それに、そんな強い眼差しも。
わたしはまた、何もできないままエルルカに守られてばかりいる。なんだか胸がまたぽっかりと空いてしまったような感覚は、きっと強い喪失感。魔剣を浴びて理解してしまった。わたしは、失ってばかりいて、得るものは少しだけ。
ああ、わたしはまだ、何もできないの?
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それでも、わたしはまだ、立ち尽くしたままなの?
「おいおいおいおい、アタシの友達に剣を向けるとはいい度胸だな、人間? ああ?」
そして、意外にも友達想いなアズの口がガパリと大きく裂け、両手の爪がじゃきんッと伸びる。こっちはこっちでイラついているみたい。
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