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設定(≠核心)
―ーLIVE:【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】&【 】feat. ――⑨
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すると、そんな傍目から見るとただわがままを喚いているようにしか見えないわたしの無様な姿に、いつもは無表情なクールビューティお姉さんの表情が一瞬だけふっと柔らくなって、
「ありがとう、その回答を期待していました。良かった、あなたがまだこの物語を好きでいてくれて」
その少しはにかんだような小さな笑みに思わずキュンとしてしまう。うっ、ギャップが、ギャップがしんどい! それでも、わたしの心臓を締め付けるこの苦しみを知ってか知らずかお姉さんはすぐにいつものきりっとした表情に戻り、
「そう、私達はこの錯誤世界の秩序機能です。いくら可能だからといってもこの世界を諦める、という選択肢はありません」
と、きらりんッとメガネを光らせる。ふう、危ねえ、あやうく尊死するところだったぜ。
「では、あなたがこの物語を女神より奪い返す、ということで話を続けましょう」
「お、おう?」
改めて言葉で再確認されると、それはとても不穏で、なんだかわたしの方が悪役みたいな錯覚に陥ってしまう。もしかしたら、神によって新たに創り直されてしまったこの新異世界ではもうすでに、わたし達“始源拾弐機関”、もとい、旧支配者は滅ぼされるべき悪なのかもしれないけど。
「この物語の鍵を握っているのは3つの要因ね。まずは、この物語の主人公であるアナタ、【透明幻想・錯綜少女基底】ね」
そう、それはそうよ。これはわたしのための物語なんだもの。これはもうわかっていること。だから、この物語を紐解くための残りの鍵はあと2つ。
「そ、そして、2つ目の鍵が、え、えっと、この物語の外からやって来たと予測される読者、つまり、ラフィーナという少女。だ、だけど……」
ん? どうしたんだろう。彼女の人格は引っ込み思案だけど、それは性格がそうなだけでその思考や結論はどの人格でも変わらない。だから、そんな彼女達にしては珍しく言い淀んでいるのがとても不安になる。確かにラフィーナはあまりにも破天荒で、よくわからない不確定要素はいっぱいあるけど。
「私達には、彼女がこの世界に存在した、という痕跡すらも観測できないの」
「え、どういうこと? わたしはラフィーナとお話もしているし、そうだ、【心励起/仇多羅急行】では一緒に戦ったりもしているわ? それが見つけられなかったなんて……」
伏線のへったくれもない、読み返してみてもいい。
実は誰ともお話していませんでした、だとか、戦っていたのは実はわたしでした、だとか、そんなのは全くない。
ラフィーナは確かにそこにいたんだ。
だって、ラフィーナという存在は確かに周りに影響(迷惑)を与えていたし、アズや転生者とも、そう、それに【心励起/仇多羅急行】とだって会話もしている。
それなのにラフィーナの姿を観測できなかった? そんなことがあるかしら? それじゃあ、まるっきりこの世界に空いた空白じゃない。
「ラフィーナという少女が一体何者なのかは不明だが、異邦人であるはずの彼女こそがこの世界における重要なファクターであることは間違いない。だからこそ彼女は正真正銘この物語の読者だとも言える」
ただの読者がこの物語の登場人物よりも重要人物、って、そんなのってあるのかしら。ラフィーナはときおり現れる物語には直接関係ない舞台回し的な立ち位置じゃないの? がっつり出てきちゃまずいんじゃないの?
「だから、いつか彼女に出会えたなら、いや、きっと出会うだろう、その時は気をつけてほしい」
え? 気をつける? あのふわふわお姫様のラフィーナを? 確かに彼女の手綱は誰にも握れやしないだろう。彼女は自由奔放、天真爛漫、超絶怒涛、空前絶後の圧倒的お姫様なのだから。だけど、それでも。
「アナタの物語で、アナタの物語ではない者の注意を払うのは当然よ? それらはただ単にこの物語に加筆修正されたってわけじゃないんだから」
彼女達は、なんだか変な表情で訝しがっていたに違いないわたしを見てそんなことを言った。
まあ、なんだか彼女達がホントに感情の機微を理解しているみたいに見えるわね。機能性ばかり重視してカタチだけを取り繕っているだけだと思っていた【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】だけど、目の前のどことなくエルルカに似たおっとりとした雰囲気のお姉さんが仮想偶像じゃなくてホントに実在しているような気になってきたわ。
「ましてや、お相手はこの物語の読者だ、私達にも、彼女が何者で何ができるのかわからないんだから」
この世界に相容れない空白は、わたしだけじゃなかった。
本来なら、物語には必要ないはずの異物。
この物語を綴る筆者であるわたし、という空白。
この物語の読者であるラフィーナ、という空白。
この空白の何がいけないかはわからない。物語のセオリーから明確に外れていることだけはわかる。だけど、何かが引っ掛かった、わたし達はいくらこの世界を冒険したって、決してこの世界とは相容れない、とでも告げられたような。なんとなく疎外感。
いや、違う、何か、今までの旅路の中に、この物語の構造自体を疑うような空白があるかもしれない、これはそんな違和感だ。誤字や脱字、表記ブレ、謎の――や記号、そもそも文法自体も疑った方がいいのかもしれない。
「ありがとう、その回答を期待していました。良かった、あなたがまだこの物語を好きでいてくれて」
その少しはにかんだような小さな笑みに思わずキュンとしてしまう。うっ、ギャップが、ギャップがしんどい! それでも、わたしの心臓を締め付けるこの苦しみを知ってか知らずかお姉さんはすぐにいつものきりっとした表情に戻り、
「そう、私達はこの錯誤世界の秩序機能です。いくら可能だからといってもこの世界を諦める、という選択肢はありません」
と、きらりんッとメガネを光らせる。ふう、危ねえ、あやうく尊死するところだったぜ。
「では、あなたがこの物語を女神より奪い返す、ということで話を続けましょう」
「お、おう?」
改めて言葉で再確認されると、それはとても不穏で、なんだかわたしの方が悪役みたいな錯覚に陥ってしまう。もしかしたら、神によって新たに創り直されてしまったこの新異世界ではもうすでに、わたし達“始源拾弐機関”、もとい、旧支配者は滅ぼされるべき悪なのかもしれないけど。
「この物語の鍵を握っているのは3つの要因ね。まずは、この物語の主人公であるアナタ、【透明幻想・錯綜少女基底】ね」
そう、それはそうよ。これはわたしのための物語なんだもの。これはもうわかっていること。だから、この物語を紐解くための残りの鍵はあと2つ。
「そ、そして、2つ目の鍵が、え、えっと、この物語の外からやって来たと予測される読者、つまり、ラフィーナという少女。だ、だけど……」
ん? どうしたんだろう。彼女の人格は引っ込み思案だけど、それは性格がそうなだけでその思考や結論はどの人格でも変わらない。だから、そんな彼女達にしては珍しく言い淀んでいるのがとても不安になる。確かにラフィーナはあまりにも破天荒で、よくわからない不確定要素はいっぱいあるけど。
「私達には、彼女がこの世界に存在した、という痕跡すらも観測できないの」
「え、どういうこと? わたしはラフィーナとお話もしているし、そうだ、【心励起/仇多羅急行】では一緒に戦ったりもしているわ? それが見つけられなかったなんて……」
伏線のへったくれもない、読み返してみてもいい。
実は誰ともお話していませんでした、だとか、戦っていたのは実はわたしでした、だとか、そんなのは全くない。
ラフィーナは確かにそこにいたんだ。
だって、ラフィーナという存在は確かに周りに影響(迷惑)を与えていたし、アズや転生者とも、そう、それに【心励起/仇多羅急行】とだって会話もしている。
それなのにラフィーナの姿を観測できなかった? そんなことがあるかしら? それじゃあ、まるっきりこの世界に空いた空白じゃない。
「ラフィーナという少女が一体何者なのかは不明だが、異邦人であるはずの彼女こそがこの世界における重要なファクターであることは間違いない。だからこそ彼女は正真正銘この物語の読者だとも言える」
ただの読者がこの物語の登場人物よりも重要人物、って、そんなのってあるのかしら。ラフィーナはときおり現れる物語には直接関係ない舞台回し的な立ち位置じゃないの? がっつり出てきちゃまずいんじゃないの?
「だから、いつか彼女に出会えたなら、いや、きっと出会うだろう、その時は気をつけてほしい」
え? 気をつける? あのふわふわお姫様のラフィーナを? 確かに彼女の手綱は誰にも握れやしないだろう。彼女は自由奔放、天真爛漫、超絶怒涛、空前絶後の圧倒的お姫様なのだから。だけど、それでも。
「アナタの物語で、アナタの物語ではない者の注意を払うのは当然よ? それらはただ単にこの物語に加筆修正されたってわけじゃないんだから」
彼女達は、なんだか変な表情で訝しがっていたに違いないわたしを見てそんなことを言った。
まあ、なんだか彼女達がホントに感情の機微を理解しているみたいに見えるわね。機能性ばかり重視してカタチだけを取り繕っているだけだと思っていた【外装起因機関・電葬経土:七人姉妹】だけど、目の前のどことなくエルルカに似たおっとりとした雰囲気のお姉さんが仮想偶像じゃなくてホントに実在しているような気になってきたわ。
「ましてや、お相手はこの物語の読者だ、私達にも、彼女が何者で何ができるのかわからないんだから」
この世界に相容れない空白は、わたしだけじゃなかった。
本来なら、物語には必要ないはずの異物。
この物語を綴る筆者であるわたし、という空白。
この物語の読者であるラフィーナ、という空白。
この空白の何がいけないかはわからない。物語のセオリーから明確に外れていることだけはわかる。だけど、何かが引っ掛かった、わたし達はいくらこの世界を冒険したって、決してこの世界とは相容れない、とでも告げられたような。なんとなく疎外感。
いや、違う、何か、今までの旅路の中に、この物語の構造自体を疑うような空白があるかもしれない、これはそんな違和感だ。誤字や脱字、表記ブレ、謎の――や記号、そもそも文法自体も疑った方がいいのかもしれない。
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