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目的、この物語のテーマ
―― 【飢餓之太刀・饗宴姫】 ――⑨
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「あら、アヴァリスったらもうやられちゃったんだ」
まるで歌うような口調、それが仲間の死を悼んでいるようにはとても思えず。だからこそ、この天使のように光り輝く美少女も、心無き転生者なんだと再認識する。
その足取りは最強最悪の原作破壊者にしては、あまりにも軽やかで、そして、ワルツのように美しい。
彼女は他人が長い年月を掛けて築き上げてきた世界を土足で踏みにじりながら、我が物顔でこの物語を謳歌している。ここはアナタのための物語じゃないぞ。あ、いや、わたしだってこの世界に比べたらそりゃあポッと出だけど、そういうことじゃない、今まで紡いできた物語がそれでもわたしには確かにあるんだから。
「それじゃあ、今からこの物語の主人公は私ね」
「は? 何言って……」
「“現実改変世界終焉シナリオ・神堕ち(メアリー・スー)”」
突如、視点が切り替わるような錯覚。不可解な変質。世界から切り離された感覚。
わたし、という存在が塗り潰されていく。
なんだ、意味がわからない、けど、早く、早くなんとかしないと、主人公どころか、この物語自体が別の何かに変わってしまう。
「我に構うな、彼女を助けてくれ!」
「ッ、均衡機構、トイヒーロー!」
あの無機質な名無しの彼の叫びにハッとしながら。
急速に枯れていく少女の身体を抱えたまま、機構翼の展開、ばさり、後ろへと飛び退く。距離を取って対処できる類の脅威なのかわからない、でも、とにかく、とにかく離れなきゃ!
「外因衛星、マルドゥック・アーカム・ヴェロシティ! 定義指針、ラステスファルテス!」
意味不明、未知の脅威、未明の感覚。わからない、何もわからない、とにかく何かをしなければならない。あまりにも理不尽。カシャリ、自らの存在定義のさらなる固定、ピカッとわたしという形質の増強。わたしという色を染められないように、それだけを考える。
着地と同時、両足から錆び付いた指先が瞬時に展開、機械翼の防御機能をさらに強化しながら、わたしと少女を覆う。そして、さらに小さなバッグから放たれる光がまるで半透明で四角い防壁のように、さらにわたし達を取り囲む。とにかく、何か、わからないけど、とにかく、わたしの持てる全てを開放しなきゃ、この未知数の異能に対処すらできない。
「チケット・ゥ・ライド! 灼血、メルト! 魔剣、アヴァルギリオン!」
すでに展開していた絶対防御が物理的攻撃以外にも有効なのか不明、時間を加速したけど、メアリーは何事もなく悠然と、ほとんど半狂乱で物語を展開するわたしを見つめている、超高温、超回復、しかし、ダメージは受けていない、その異能が魔剣によって切り開かれた虚数へと取り込まれている様子はない。
他はきっと今の状況ではあまり意味がない。振動も物理的破壊も天変地異も魅了も、メアリーの異能を防げない。
明確な変化はない、それでも、何か不快な違和感がわたしに纏わりついて離れない。展開していた巨大な機械翼と光の防壁、そして錆び付いた指先がギシギシ軋む、今まさに原因不明な異常事態が起こっていて、わたし、という存在を脅かしている。
メアリーの異能に巻き込まれた彼はどうなった? 周囲の様子を半透明の防壁に映し出された映像を通して窺うけど、あの巨大なはずの彼の姿が見当たらない。
じとり、何か嫌な予感に背中を伝う汗。
「……な、何をしたの。その異能って一体何なの?」
「あら、まだ私の物語を受け入れないなんて可哀想ね」
まるで歌うような口調、それが仲間の死を悼んでいるようにはとても思えず。だからこそ、この天使のように光り輝く美少女も、心無き転生者なんだと再認識する。
その足取りは最強最悪の原作破壊者にしては、あまりにも軽やかで、そして、ワルツのように美しい。
彼女は他人が長い年月を掛けて築き上げてきた世界を土足で踏みにじりながら、我が物顔でこの物語を謳歌している。ここはアナタのための物語じゃないぞ。あ、いや、わたしだってこの世界に比べたらそりゃあポッと出だけど、そういうことじゃない、今まで紡いできた物語がそれでもわたしには確かにあるんだから。
「それじゃあ、今からこの物語の主人公は私ね」
「は? 何言って……」
「“現実改変世界終焉シナリオ・神堕ち(メアリー・スー)”」
突如、視点が切り替わるような錯覚。不可解な変質。世界から切り離された感覚。
わたし、という存在が塗り潰されていく。
なんだ、意味がわからない、けど、早く、早くなんとかしないと、主人公どころか、この物語自体が別の何かに変わってしまう。
「我に構うな、彼女を助けてくれ!」
「ッ、均衡機構、トイヒーロー!」
あの無機質な名無しの彼の叫びにハッとしながら。
急速に枯れていく少女の身体を抱えたまま、機構翼の展開、ばさり、後ろへと飛び退く。距離を取って対処できる類の脅威なのかわからない、でも、とにかく、とにかく離れなきゃ!
「外因衛星、マルドゥック・アーカム・ヴェロシティ! 定義指針、ラステスファルテス!」
意味不明、未知の脅威、未明の感覚。わからない、何もわからない、とにかく何かをしなければならない。あまりにも理不尽。カシャリ、自らの存在定義のさらなる固定、ピカッとわたしという形質の増強。わたしという色を染められないように、それだけを考える。
着地と同時、両足から錆び付いた指先が瞬時に展開、機械翼の防御機能をさらに強化しながら、わたしと少女を覆う。そして、さらに小さなバッグから放たれる光がまるで半透明で四角い防壁のように、さらにわたし達を取り囲む。とにかく、何か、わからないけど、とにかく、わたしの持てる全てを開放しなきゃ、この未知数の異能に対処すらできない。
「チケット・ゥ・ライド! 灼血、メルト! 魔剣、アヴァルギリオン!」
すでに展開していた絶対防御が物理的攻撃以外にも有効なのか不明、時間を加速したけど、メアリーは何事もなく悠然と、ほとんど半狂乱で物語を展開するわたしを見つめている、超高温、超回復、しかし、ダメージは受けていない、その異能が魔剣によって切り開かれた虚数へと取り込まれている様子はない。
他はきっと今の状況ではあまり意味がない。振動も物理的破壊も天変地異も魅了も、メアリーの異能を防げない。
明確な変化はない、それでも、何か不快な違和感がわたしに纏わりついて離れない。展開していた巨大な機械翼と光の防壁、そして錆び付いた指先がギシギシ軋む、今まさに原因不明な異常事態が起こっていて、わたし、という存在を脅かしている。
メアリーの異能に巻き込まれた彼はどうなった? 周囲の様子を半透明の防壁に映し出された映像を通して窺うけど、あの巨大なはずの彼の姿が見当たらない。
じとり、何か嫌な予感に背中を伝う汗。
「……な、何をしたの。その異能って一体何なの?」
「あら、まだ私の物語を受け入れないなんて可哀想ね」
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