7 / 21
俺は王国の兵士長
瓦解した監視塔
しおりを挟む「いや――――専属メイドだからって一緒に寝ちゃダメじゃない?」
「いえ、ベッドは別々です。」
「そうじゃなくて、一緒の部屋じゃダメじゃない?」
「ここ私の部屋なので。」
「え?」
俺は今異世界到着初のフラグが立った。
だって一緒の部屋何て―――――じゃなくて、やっぱ今の時点で国外追放なんてされちゃ困るんだ。そんな事しないけどさ。
「では野宿になりますが。」
「何で?」
「空き部屋が私の部屋しかないからです。」
「嘘・・・・・・」
本当はうれしい状況なのだが、今は一人の時間が惜しい。
絶対に疑われる状況はやばい。
「それにたぶん野宿すると死にますよ。」
「今度こそ意味が分からないのだけれど。」
「とにかく私の部屋に住んでください。私はあなたの命も姫様から預かっております。」
「どゆこと?」
「私元この国の兵士長やっておりましたから。」
ドアの前でこんな会話を続けていたが、この言葉で変わった。
「分かりました。」
部屋のドアを開けて、その中に入った。
その中はベッドと化粧台に日用雑貨を入れる入れ物にタンス。普通の部屋だ。
女の子が住んでいる雰囲気はなかった。
「ここに来たのは3日前なので。」
「3日前!?」
「そう。あのキーサという男が、兵士就任一週間で兵士長になって、私はそのままメイドになったんです。」
「やっぱりキーサって男怪しいんだな。」
俺はそこにあったベッドに腰を掛ける。
「何かあったのですか?」
「いろいろ説明すると長くなるんだけど・・・・・・」
――――――――――キーサの一件を説明
「そう。やっぱりつけていたのね。」
「何かあったのか?」
「たぶんあいつはアスタルテ国の王子、キーサ―ド・アスタルテだと思います。根拠はないですが。」
「まあ、その話は後々していこう。今は一人にしてくれないか?」
「はい。了解致しました。」
そう言ってサーシャはこの部屋を退室した。
てかいつの間に服乾いていたんだ。
そのベッドに寝っ転がると一つ思う。
(このベッドはサーシャが・・・・・・)
そんな事をふと思ったが、劣情など生まれない。
俺は昔から女経験が一切なく、喋ることもなかった。小学生のころからラノベを読んでてオタクと言われ、嫌われていた。
それで何故か分からずいじめに―――――何て昔にあったことだ。もう忘れたはずだったんだがな。
《セカイさん、事件の臭いです》
(女神。これは事件で済むもんじゃねえぞ。たぶんこれは姫様の暗殺が目的か、この国を乗っ取るつもりかのどっちかだな)
《異世界マイスターとしての浪漫じゃないですか》
(これは俺がいなかったらやばかった問題だ。早急の対応が必要だな)
俺はそのまま睡魔に襲われ寝てしまった。
俺はとてつもなく大きな音が聞こえ起きる。
俺はいつの間にか夕暮れ時魔で寝ていたようだ。
ベッドから起き上がり、部屋を出る。
(何があったんだ?)
《何かが崩れ落ちた音が聞こえたわね》
俺は階段を下り外に出る。
そこには瓦解し続けていた監視塔があった。
俺はその近くにいた姫様とレイに問いかける。
「何があったんですか?」
そう言うと俺に気付いたレイが問いに対し答えてくれる。
その現場には多くの兵と親衛隊らしき人が見えたが、キーサの姿は見えない。
サーシャの姿もあったが、俺には気付かない。
「なぜかいきなり監視塔が崩れ始めて・・・・・・」
そうレイが言うと、監視塔の方から遁走してくる兵が二人来てこういった。
「変な魔術師が来て逃げろって言ってきてそれで・・・・・」
とても焦っている。
二人の兵が来たと同時にサーシャもこちらに向かって来てこう小さく言う。
瓦解が収まってやっと大きな音は収まる。
「キーサ―ドのせいかもしれません。」
「分からない。証拠もないし決定づけることはできないがな。」
そう小さな会話を終わらすと、二人の兵士が衝撃的な事を言う。
「姫を殺す余興にお前らは必要ないと・・・・・・」
俺を入れたその場にいた全員が喫驚しただろう。そして憤怒しただろう。
《この展開に一言》
(最悪だな。そして面白い)
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
女神様、もっと早く祝福が欲しかった。
しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。
今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。
女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか?
一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる