異世界マイスターの知恵は一番強いチートだった

Impulse

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俺は王国の兵士長

汚れ魔術師

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 俺は3人の体を持って外に向かう。
 廊下を歩いていると、外から何者かの声がする。

「残念だったな姫よ。あの男のところにはアスタルテ王国幹部が3人向かったのだ。今頃焼き殺されているだろう!」

 そいつはとても自信があっていっているのだろう。どこか誇らしげな感じだった。
 てかこいつら幹部だったの!? よっわ。
 俺はこいつらをあいつに見せる時が楽しみでたまらなくなった。

「あの人は関係ないじゃない!」

 姫様の叫び声が聞こえてくる。
 軋轢している魔術師と姫様と魔術師を見て、心苦しくなる。
 だってボコボコにされたのこいつらの方なんだから。
 
 そんな時、一つ思ったことがある。

(空飛んでるな・・・・・・)

 俺の予想通り相手の魔術師は空を飛んでいた。
 そしてこっち側の兵は誰も飛んでいなかった。要するにこちらの技術じゃ構築不可能な魔術回路ってわけだ。
 
 俺は一つ疑問に思った。
 キーサが指示を出していたとしたら、どこにいるのだろうか・・・・と。
 今は分からないから頭の中から消した。

 俺が門の前に立つと、周りのメイドさんたちが一気に注目してくる。
 すごく恥ずかしかったが、何か滾って来るものもあった。
 一人の兵士が自分の前にあるとても巨大な扉を開いてくれた。

「ありがとう。」

 そう言って俺は外に出た。


 俺が外に出ても、飛んでいる魔術師は何かを言っている。
 近くで聞いて気付いたが、女の子の声だった。

「ははっ。今頃はあの3人に・・・・・・・」
「それはこいつらの事か。」

 俺は持っていた人間の体をすべて離す。鈍い音も聞こえたが今は重要じゃない。
 俺の声に気付いたのか、魔術師も合わせて全員こちらを向く。
 そしてとても面白い顔の数々だった。良かったという顔もあれば何でここにいるのという顔もあった。そして肝心の魔術師はというと・・・・・・顔が見えなかった。

「セカイ!」

 姫様が喜びの声を上げる中、魔術師は気に食わない結果だったらしい。
 俺はズカズカと王様気分で前に歩いていく。見るものが見れば滅茶苦茶うざいだろう。

「お前! どうやってアスタルテの最強魔術師と呼ばれた幹部3人を倒せた!?」
「何でって――――――こいつらが雑魚だったからだよ。」

 その声に男の兵士は男の雄たけびを張り上げる。俺のその言葉に共鳴したのだろう。とても盛り上がっている。
 緊張感が無いなと思ったがいいやと思った。
 
「雑魚って・・・・・まあいい。飛んでるこっちの方が有利だしな。」

 俺はその有利な状況を徹底的に潰す。
 女神の出番だ。

(あの飛行魔法の展開妨害を頼む)
《分かりました。ネックレスを外してあの魔術師に向けてください》

 俺は言うとおりに、ネックレスを外して魔術師に向ける。
 みんなが俺に何をするんだと期待の目を向けている。ここでミスったら赤っ恥だ。

「いけッ! 展開妨害!」

 そういったと同時に、その魔術師は大地に落ちている途中顔が見れた。
 その顔はどこか初々しく、とても可愛かった。
 でも今は敵だ。女も男も関係ねえ。

「お前! 何をした。」

 俺は退いてくださいとつぶやきながら、兵の大軍を潜り抜けた。
 魔術師の前に行くと、顔は可愛かったのだが、とてつもない殺気が感じられた。ド素人の俺でも感じ取れたんだ、プロだったら。
 そう思い、近くにいたサーシャの顔を見ると、憤怒のに文字が良くわかる表情、顔色をしていた。

「何って・・・・・君には関係ないよ。」
「チッ。まあいい。私が勝負しよう!」

 相手は勝負体勢に入ったので、俺もちょっとだけ力を見せよう。
 みんなの期待を背中に感じる。そして叫ぶ。


―――――――エンシェントブレイド!


 俺の手にはここに一回しか見せていないあの剣を出した。
 とてつもなく硬いから、一回でもあの子に当たればこっちの勝ちだ。でも女の子を斬るのは気が引けてきた・・・・・戦いをするのが漢だ。

「ああいいだろう。姫様たちは下がってて。」

 俺は姫様たちを後方に寄せ、姫様たちになるべく被害が渡らないようにする。
 広い庭園でのバトル。浪漫を感じるぜ。

「早速終わらしてあげる。ハードメテオ!」

 先ほどとは比べ物にならない威力の炎球魔法だった。
 俺はそれをあの技で破壊する。

「シャインバレット」

 光の銃弾を打ち破壊する。
 普通の人間が見ればすごいと思うのだが、あちらの女の子は違うようだった。

「汚れ魔術師か・・・・・」

 汚れ魔術師とは黒歴史ワールドにもいた。魔術師とはもともと魔法を大衆に魅せるのが目的だった。だが汚れ魔術師は、完成させた魔法を大衆に広めないで、自分だけとか、自分のグループだけだとか。それが汚れ魔術師だ。

「汚れ魔術師ね・・・・・それなら君もそうじゃない? 君の国もこっちの国にひこう魔法とか教えてなかったじゃん。俺と一緒だよ。俺が汚れ魔術師なら君も一緒だ。」

 その言葉を不快に思ったのか、激怒する。
 その顔はとても見ていられるものじゃなかった。

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ! そんな高度な技術の国は聞いたこともない!」
「だったら教えてやるよ。俺がいた国の名前は・・・・・・・ニッポンだ!!」


《ニッポンって魔法なんかなかったんじゃ・・・・・》
(日本は空想魔法の宝庫だぜ)


 
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