異世界マイスターの知恵は一番強いチートだった

Impulse

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俺は王国の兵士長

思考

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 俺が見たものは、とても予想通りだった。
 竜は生きていた。でも傷はついていた。
 少量のダメージで最強を倒せるのなら、ここまで苦戦はしていない。

「ここまで勝てない事ってあるか!?」
「キェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエェ」

 痛みで叫んでいるようではなかった。
 そして竜はハードメテオを放ち、俺は食らってしまった。痛みを無視していく。
 だが俺は問答無用で魔法を連発する。

「光の槍! シャインバレット! シャインバレット! ドラグシャイニング!」

 すべて当たったが傷は見れない。俺は魔法の効力が切れそうな体を限界まで苦しめる。
 勝つ方法何てあれしかないだろう。エンシェントブレイドの再構築。
 そして撃つ。

――――覇王の型 四の太刀 破竜暫斬ドラグスマッシュ

 最強の技で竜を打ち抜く。
 竜殺しの剣技・・・・・・これで倒せなかったらもうあきらめるしかない。
 竜は問答無用で斬りかかって来る。
 俺は避けながら、詠唱を始める。光の勇者のただ一つの治癒魔法。

「光を唱え闇を撃つ。鼓動に触れた時血は騒ぐ。内の心見た時光を詠唱する。サンシャインクルシャンク!」

 傷付いたものすべてを癒す。だが無くなったものまでを治す魔法ではない。
 斬りつけて来る竜の猛攻を反射的に避けられるまで、集中力と力を高める。
 エンシェントブレイドの再構築は無理に等しい。俺の覚えている中でその実績はない。
 集中力をどんどん高めていく。
―――――そんな時――――俺と竜以外の声が聞こえる

「セカイ!」

 後ろを振り向くと、姫様の姿があった。
 でもそれは喜べる状況じゃなかった。
 竜の狙いは姫様に代わってしまった。それを助けたのが・・・・・・・

「キーサ!? 今までどこに行ってたのですか?」

 キーサだった。竜はまだ自我があったのか、驚いているようだ。裏切られたのだからな。
 この状況は本当にやばい。俺はこの子を助けるのに戦っていたが、こいつはおとりに使って、姫様の信頼を受ける気だ。
 この子はキーサードを攻撃できるはずがないのを知っての事だろう。

「姫様―――すいません。少し用事があって。」
「セカイを助けてあげて」

 助けないといけないのはこの子だぞ。
 ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバイ、このままこいつに殺させちゃだめだ。この子の反応で分かった。こいつはアスタルテ王国のキーサードだ。
 全然体は回復していない。今エンシェントブレイドを出して、剣技を放ったら俺の体はボロボロになるだろう。
 だがもう時間はない。

「エンシェントブレイド!」

 俺は無理矢理エンシェントブレイドを再構築し、最強の剣技を放つ。

――――覇王の型 四の太刀 破竜暫斬ドラグスマッシュ

 俺はキーサードが手を出す前に放った。
 大地が割れ、大量の鎌鼬が竜を襲う。
 竜は超硬質の鱗を持っており、それを破壊するために大量の傷を負わせないといけない。それで大量の鎌鼬を竜にぶつける剣技が、破竜の技の仕組みだ。

「いっけぇえええええええぇ! 強制軌道修正!」
《了解です》

 大量の粒子が首に下げている紫の宝石に集まりだす。
 そして放たれた。
 目に傷を与えるほどの閃光が。

 閃光が収まったころ、俺は目を開けた。
 そこには倒れている女の子がいた。

「や・・・・ったか・・・・・」

 俺は倒れそうな体を無理矢理起こして耐える。
 その女の子は気を失っており、危険はない。

「セカイ! ありがとうございます! まずは・・・・・・キーサ! あの子を医務室に!」

 喜んでいる姫様に、キーサはとんでもないことをする。

「チッ」

 舌打ちし、姫様の首にナイフを立てる。
 やはり嫌な予感が的中した。

「おい! そこの汚れ魔術師。俺がキーサードってことは分かってんだろ! てめぇがどこのだれか知らねえが、動いたらこいつを殺す。」

 人質に取ったってことだ。本当に怯懦だ。気持ち悪いほど卑怯で卑劣だ。
 そして姫様はとても怖がる。

「どういうことですか!? キーサ・・・・・やめっ・・・・て。」
「うるせえ! 俺はアスタルテ王国王子、キーサード・アスタルテだよ! お前に振られたせいでな!・・・・・・今は関係ねえ・・・・お前剣を消せ!」

 俺は言う通りにしないと姫様の命が危ないと思い、俺は言う通りに消す。

「次は・・・・・そのネックレスを捨てろ!」

 俺は言う通りにしようと、首に回すと心に訴えが聞こえてくる。

《やめてください!》
(姫様の命がかかってるんだぞ!?)
「おい! 早くしろ!」
《私に考えがあります・・・・・・》
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