傑作集

たばこ

じゅぼ!!

心地よい音が耳に広がる。ライターをつける時の感覚...。

なれた手つきでタバコに火を近ずける。
吸っては吐いて吸っては吐いて

その繰り返しだがなぜかそこには快感。安らぎがある。

今日は会社で怒られた。

家に帰ると明細書などがいっぱい届いていた。

妻には朝から怒られた。

子どもはそれを聞いて泣き出し再び怒られた。

上司は理不尽にキレる。


最近は後輩まで私を馬鹿にするようになった...。


住みにくい世の中の私の安らぎは一本のタバコだけだ。

据える時間は決まっているがその時間が唯一の心休まるじかんだ。

誰にも邪魔をされたくない。




あぁ...。やっと吸える...。
いつもの時間がやってきた。

いつもどおり手馴れた手つきでタバコを取り出しライターに火をつけた。

ジュボッ!
低い音をたてて赤い火が目の前に現れた。

その日が消えないように手で覆い隠してタバコを吸い今日の一服をはたした