神の贈り物

ソラ

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本編

後編 悪夢の再来 そして決断

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帰国した後、人と話すことが怖くなった。
既にあの運命の日からは7ヶ月経っている。
旅行のあの日から人の言葉に対してとても過敏になった。勿論あのこども達が悪いと思っている訳ではない。彼らに取っての一番の得を願った結果だ。

しかし、自分の家だと何が起こるか分からない、そうとしか思えなくなった。勿論、家は特定されてこようと思えば誰でも来ることができる。しかし、そうはならなかった。この国で良かったな。

移り住んだ場所の管理人の方はとても優しく、事情を話すと快く了承してくれた。きさくな方でここで住むのだったら安心だ、そう思った。

持ってきたのはスマホ一台。今は親と離れた場所にいるから連絡手段はこれだけだ。
しかし、そうなると今まで無視していた連絡が嫌でも目に入る。
一番目は、、最悪だ。
俺を虐めていた奴らからだった。
内容も最悪だ。

「なんでお前が生きているの?」や

「お前が死んだら世界のためになるぞ」だとか

「お前だって世界のために死ねて嬉しいだろ?」なんてものもあった。

なぜ俺の気持ちをお前らが決める?
全く理解できない。
激しい怒りとともに衝動のままに奴らの連絡先尾削除する。
はあ。こんなことをしてたら体力的にも精神的にもダメになってしまう。

・・・敢えて無視していたが彼女からの連絡が一番多かった。
そう、彼女とは俺の元カノ、花崎水仙のことだ。
やはり、急に彼女のことを思い出すと何か胸の奥に疼くものがある。
メールの内容を確認してみる。

「大丈夫!?信じられないことが起きてるけど私は悠太の味方だからね!」

「最近は話せて無いけどめげずに生きて!死なないで!」

俺の目から涙が溢れる。
必要じゃ無いと言われていた命が大切に思えた。

ちょっとばかり生きてみようかな、そう感じることができた。
きっとこんな毎日が続く、そう絶望してたけど

君のことが好きだから、生きる。


久しぶりに親以外にメールをした。
宛先は勿論彼女だ。
すぐに返信が返ってきた。

「優太!? 良かった、、、。 本当に良かった、、、。」

「何がだよ?笑 俺は大丈夫。」

その日は2時間近く彼女とやり取りを重ねた。とにかく楽しかった。
あのころが戻ってきたようで、、、!
もう戻ってくるはずないのに。

そんなことを続けて遂にあと1ヶ月でタイムリミットとなる。
彼女も暇ではないはずなのに毎日話すことができている。この時間は俺にとって安寧の時となっている。この時間が続くと嬉しいのだが。
そんなある日、彼女からある提案をされた。

学校に来てみない?と。

学校には良い思い出がないし好んで行きたい場所ではない。しかし、誰でもない彼女の誘いだ。行くしかないだろう。

俺は休日に彼女と会う約束をして、あの日と同じ屋上に行った。

彼女は徐に言う。

「なんでわざわざあなたのいきたくないだろう場所に私が連れて行ったと思う?」

急な質問で驚いた。しかし

「あの頃を思い出すため?」と返した。
すると彼女は

「うーんちょっと違うかな。私はこの場所で起きたことを整理して欲しいの。」

「どういうこと?」

「私はあなたがこの先どんな選択をするかわからない。今回のことで色んな人に選択を迫られたと思う。だけど強く生きて。自分を大事にして。私の願いはそれだけ。」

彼女は俺のことをまっすぐな目で見た。それはとても凛々しくいつもの彼女じゃないみたいだった。
だけど、俺の答えは一つ。

「わかった。約束するよ。」

俺ができる返答はこれだけだった。
その時だった。
またあの日と同じ閃光が空に広がる。
忘れもしない。奴が来た。

「残り1ヶ月となった。まだ行動を起こせずにいるようだな?」

俺の心臓の鼓動はまるで早鐘を打つようだった。恐ろしさのあまり声も出ない。彼女が俺の横で心配そうに見ている。
彼は言った。

「チャンスを与えてやろう。浅黄優太以外の人間、千人の命を代わりに私に差し出せば同様のことをしてやる。
繰り返し言おう。正しい選択をすることを期待する。」

そういうと彼は前回と同じように轟音とともに消えた。


世界の政府はこの申し出に大喜びだった。
この広大な世界の中から自殺志願者をたった千人集めるだけで貧困をなくせるのだから。
すぐさま日本政府は募集を始めた。

「自殺志願者募集。
志願者の親族の方は事が済み次第、全員に100万円の補償金をお渡しします。」
このようなメッセージとともに。

狂っている。これはつまり人の命を金に換算しよう、そう言う事だ。政府には倫理観というものがないのだろうか。
・・・しかしこれのおかげで自分が助かる、そう考えるととても複雑な気持ちだった。
果たして自分のせいで千人が死んだ世界で生きることは楽しいだろうか?

募集は1日も掛からずに終わった。それほど志願者が多かったのだろう。
日程は時間切れの二週間前となった。
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