鬼のセンチネル

弓葉

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玖賀の存在

陰陽寮で家族と再会

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「母さん、椿!」

 陰陽寮で母さんと椿に再会した。一室を与えられているようで安心する。

「藤……そちらの方が」

 母さんは玖賀を指差す。椿も玖賀を様子見していた。

「初めまして。玖賀と申します」

 玖賀はペコリとお辞儀をした。藤は玖賀の礼儀正しい挨拶に驚く。

「玖賀……敬語を使えたんだな」

「常識はわきまえておるわ」

 当たり前だ、と言わんばかりに玖賀は言い返した。玖賀はどこで常識を弁えたのだろう?

「ふうん、あんたがセンチネルなんだ」

 椿は相変わらず、玖賀に敵対心を向けていた。

「椿、そんな言い方はしない」

 椿はすぐに喧嘩を売る。玖賀が人間化してなかったら、何かされていたかもしれない。玖賀は最初の頃に比べたら、多少成長したかもしれないが、まだまだ子どもっぽさが残っている。

「にいちゃんはお人好しだからな。いいように振り回されてんだろ」

 椿は玖賀に詰め寄った。藤はハラハラしながら二人を見守る。玖賀は椿を見下ろしていた。。玖賀と椿が並ぶと玖賀の方が背が高い。

「そうだな、藤はお人好しだ。危険と分かっていても単身で助けにいく」

「玖賀……」

 玖賀が直接言ったのは椿だ。藤ではない。それでも藤は褒められたようで嬉しかった。

「にいちゃん殺したら許さないからな」

 それでも椿は玖賀の言葉に納得しないようで、玖賀の首元に掴みかかる。

「椿!」

 いくら玖賀が人間の姿をしているからとはいえ、先ほどの一件がある。また鬼化してしまうかもしれない。藤は玖賀と椿の間に割り込んだ。

「同じ過ちは繰り返さない」

 玖賀は意味深なことを言った。同じ過ちを繰り返さない……それは前の陰陽師を殺した、ということ。

 信頼していたはずなのに、また疑心暗鬼にな陥る。

「同じ過ちってなんだよ。前科持ちじゃねぇか」

 やっぱりそこは血の繋がった兄弟。同じことを考えていた。

「椿!」

 正直、気になってはいた。でも聞けなかった。聞くのが怖かったのかもしれない。

「以前の私は未熟だった」

 玖賀が口を開く。たったそれだけの言葉で椿が黙った。玖賀がセンチネルの能力を使ったかと思ったが、見た目に変化はない。

「お、同じ過ちとやらを繰り返したら許さないからな!」

 時間が止まったような空間に支配され、黙っていた椿が慌てて叫んだ。

「あ」

 遠くに正一くんの姿が見える。陰陽師と一緒に歩いていた。玖賀も藤と同じ方向を見る。

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