37 / 57
玖賀の存在
陰陽寮で家族と再会
しおりを挟む
「母さん、椿!」
陰陽寮で母さんと椿に再会した。一室を与えられているようで安心する。
「藤……そちらの方が」
母さんは玖賀を指差す。椿も玖賀を様子見していた。
「初めまして。玖賀と申します」
玖賀はペコリとお辞儀をした。藤は玖賀の礼儀正しい挨拶に驚く。
「玖賀……敬語を使えたんだな」
「常識は弁えておるわ」
当たり前だ、と言わんばかりに玖賀は言い返した。玖賀はどこで常識を弁えたのだろう?
「ふうん、あんたがセンチネルなんだ」
椿は相変わらず、玖賀に敵対心を向けていた。
「椿、そんな言い方はしない」
椿はすぐに喧嘩を売る。玖賀が人間化してなかったら、何かされていたかもしれない。玖賀は最初の頃に比べたら、多少成長したかもしれないが、まだまだ子どもっぽさが残っている。
「にいちゃんはお人好しだからな。いいように振り回されてんだろ」
椿は玖賀に詰め寄った。藤はハラハラしながら二人を見守る。玖賀は椿を見下ろしていた。。玖賀と椿が並ぶと玖賀の方が背が高い。
「そうだな、藤はお人好しだ。危険と分かっていても単身で助けにいく」
「玖賀……」
玖賀が直接言ったのは椿だ。藤ではない。それでも藤は褒められたようで嬉しかった。
「にいちゃん殺したら許さないからな」
それでも椿は玖賀の言葉に納得しないようで、玖賀の首元に掴みかかる。
「椿!」
いくら玖賀が人間の姿をしているからとはいえ、先ほどの一件がある。また鬼化してしまうかもしれない。藤は玖賀と椿の間に割り込んだ。
「同じ過ちは繰り返さない」
玖賀は意味深なことを言った。同じ過ちを繰り返さない……それは前の陰陽師を殺した、ということ。
信頼していたはずなのに、また疑心暗鬼にな陥る。
「同じ過ちってなんだよ。前科持ちじゃねぇか」
やっぱりそこは血の繋がった兄弟。同じことを考えていた。
「椿!」
正直、気になってはいた。でも聞けなかった。聞くのが怖かったのかもしれない。
「以前の私は未熟だった」
玖賀が口を開く。たったそれだけの言葉で椿が黙った。玖賀がセンチネルの能力を使ったかと思ったが、見た目に変化はない。
「お、同じ過ちとやらを繰り返したら許さないからな!」
時間が止まったような空間に支配され、黙っていた椿が慌てて叫んだ。
「あ」
遠くに正一くんの姿が見える。陰陽師と一緒に歩いていた。玖賀も藤と同じ方向を見る。
陰陽寮で母さんと椿に再会した。一室を与えられているようで安心する。
「藤……そちらの方が」
母さんは玖賀を指差す。椿も玖賀を様子見していた。
「初めまして。玖賀と申します」
玖賀はペコリとお辞儀をした。藤は玖賀の礼儀正しい挨拶に驚く。
「玖賀……敬語を使えたんだな」
「常識は弁えておるわ」
当たり前だ、と言わんばかりに玖賀は言い返した。玖賀はどこで常識を弁えたのだろう?
「ふうん、あんたがセンチネルなんだ」
椿は相変わらず、玖賀に敵対心を向けていた。
「椿、そんな言い方はしない」
椿はすぐに喧嘩を売る。玖賀が人間化してなかったら、何かされていたかもしれない。玖賀は最初の頃に比べたら、多少成長したかもしれないが、まだまだ子どもっぽさが残っている。
「にいちゃんはお人好しだからな。いいように振り回されてんだろ」
椿は玖賀に詰め寄った。藤はハラハラしながら二人を見守る。玖賀は椿を見下ろしていた。。玖賀と椿が並ぶと玖賀の方が背が高い。
「そうだな、藤はお人好しだ。危険と分かっていても単身で助けにいく」
「玖賀……」
玖賀が直接言ったのは椿だ。藤ではない。それでも藤は褒められたようで嬉しかった。
「にいちゃん殺したら許さないからな」
それでも椿は玖賀の言葉に納得しないようで、玖賀の首元に掴みかかる。
「椿!」
いくら玖賀が人間の姿をしているからとはいえ、先ほどの一件がある。また鬼化してしまうかもしれない。藤は玖賀と椿の間に割り込んだ。
「同じ過ちは繰り返さない」
玖賀は意味深なことを言った。同じ過ちを繰り返さない……それは前の陰陽師を殺した、ということ。
信頼していたはずなのに、また疑心暗鬼にな陥る。
「同じ過ちってなんだよ。前科持ちじゃねぇか」
やっぱりそこは血の繋がった兄弟。同じことを考えていた。
「椿!」
正直、気になってはいた。でも聞けなかった。聞くのが怖かったのかもしれない。
「以前の私は未熟だった」
玖賀が口を開く。たったそれだけの言葉で椿が黙った。玖賀がセンチネルの能力を使ったかと思ったが、見た目に変化はない。
「お、同じ過ちとやらを繰り返したら許さないからな!」
時間が止まったような空間に支配され、黙っていた椿が慌てて叫んだ。
「あ」
遠くに正一くんの姿が見える。陰陽師と一緒に歩いていた。玖賀も藤と同じ方向を見る。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる