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香りの設計図
アルデヒド
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「なぁ、香水斗。僕を騙すために精液を入れたのは嘘でしたってことはないよな?」
僕は確認のためにっ手首につけた香水の匂いを嗅ぐ。空気に触れた後でも匂いは変わらず保ち続けていた。どうすれば精液がこんなにいい仕上がりになるのかわからない。
「そもそも石けんの香りはどんな香料で作られているのか知ってるか?」
「石けんの香りのメインは『花』だろ」
主にマグノリアやローズ、スズラン、ジャスミンなどお花が使われることが特徴的だ。
「その花の中に『アルデヒド』という合成香料があるだろ」
「あ……」
シャネルのNo.5にも調香されたことでも知られている香料だ。アルデヒドは別名『脂肪臭』と呼ばれるほど、脂っこく鼻がつくにおい。決していい香りとは言えない。むしろ不快感を覚えるぐらいの香りだ。
「だが、高濃度で抽出しフローラルと混ぜ合わせることで花の香りを引き立てる」
「そういうことか……」
いい匂いばかり調合しても互いのいいところで打ち消し合い、ちぐはぐな匂いになってしまう。あえて、対照的な匂いを混ぜ合わせることで奥深さが加わりいい香りへと仕上げる。
「アルデヒドは香料を際立たせる性質があるが、人から出る物質だからな」
香水斗はアルデヒドと書かれた香料が入った瓶を差し出す。試しに嗅いでみれば人の体臭を思わせるようなセンシュアルな香りがした。人が石けんの香りに惹かれるのは香料に含まれるセンシュアルな部分に関係しているのかもしれない。
僕は確認のためにっ手首につけた香水の匂いを嗅ぐ。空気に触れた後でも匂いは変わらず保ち続けていた。どうすれば精液がこんなにいい仕上がりになるのかわからない。
「そもそも石けんの香りはどんな香料で作られているのか知ってるか?」
「石けんの香りのメインは『花』だろ」
主にマグノリアやローズ、スズラン、ジャスミンなどお花が使われることが特徴的だ。
「その花の中に『アルデヒド』という合成香料があるだろ」
「あ……」
シャネルのNo.5にも調香されたことでも知られている香料だ。アルデヒドは別名『脂肪臭』と呼ばれるほど、脂っこく鼻がつくにおい。決していい香りとは言えない。むしろ不快感を覚えるぐらいの香りだ。
「だが、高濃度で抽出しフローラルと混ぜ合わせることで花の香りを引き立てる」
「そういうことか……」
いい匂いばかり調合しても互いのいいところで打ち消し合い、ちぐはぐな匂いになってしまう。あえて、対照的な匂いを混ぜ合わせることで奥深さが加わりいい香りへと仕上げる。
「アルデヒドは香料を際立たせる性質があるが、人から出る物質だからな」
香水斗はアルデヒドと書かれた香料が入った瓶を差し出す。試しに嗅いでみれば人の体臭を思わせるようなセンシュアルな香りがした。人が石けんの香りに惹かれるのは香料に含まれるセンシュアルな部分に関係しているのかもしれない。
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