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第二部【6章】遠くの灯
22.成長
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「なんで俺の部屋で勉強するんだ」
生活感のない部屋で、ヨルツが植木鉢に水をやりながらため息を吐く。俺がベッドに座ってハッキングの練習をしているから、座る場所がないのだろう。
「特別房はカメラが少なくて、尚且つ入れる部屋に限ってはハッキングしやすいからな。困るようなことがあっても誤魔化しやすいから、つかってんだよ」
人間のデータベースへのセキュリティを解析しながら、俺はホログラムから目を離さずに答えた。
先日、ヌッラから特定の特別房へのアクセスの仕方を仕入れた。キレンツの部屋と、ヨルツの部屋のカメラは比較的自由に操れるようになっていたので、安心してハッキングを試みれるのはその二部屋だけだ。
特別房は変化が少ない映像を切り抜いて、都合の悪い部分を抜き取ってから、短くループさせるだけで誤魔化しが効く。
おそらく、リセット前にヌッラがキティの部屋に悪さをしに来た時も同じ手口を使ったに違いない。あの時にカメラやカードキーへの不正アクセスを確認されたとして、ヌッラにこんなことが出来たなら俺がはめられるのは確定事項だったのだろう。
「数日前までは全く来なかったから、快適だったんだがな…」
植木鉢の前で犬のように座りながら、ヨルツは不服そうに尻尾で床を叩く。
その傍の植木鉢には何か小さな木のようなものが生えていて、一応は何かを育てているようだ。ヨルツが何かを育てるなど、思ってもみなかったが。
「お前、普段何してんだ?週に一回、報告書を出す必要があるから、簡単に説明しろ」
特別房を担当している限り、受け持ちに看守る情報を定期的に上層に提出しなくてはならない。キティの時は毎日顔を出さないと不満が上に伝わるんじゃないかと、一応は足蹴く通っていたわけだが、ヨルツは逆に干渉を嫌う。
なんやかんやと受け持ってから一週間にして、今日はまだ3回目だ。俺が人間のデータベースにアクセスする時だけ顔を出している。それでもヨルツからすれば、まだ多すぎると言いたそうだが。
俺の質問にヨルツは面倒くさそうに眉間にシワを寄せたが、一日を振り返るように片手の指を折りながら斜め上を見上げた。
「起きて、飯を食って、水やって、寝て、飯食って、土の湿り具合を確認して、寝る」
「何もしてねーじゃねえか」
いつもぼーっとしている印象はあったが、話を聞く限りでは本当に何もしていない。
「暇じゃないのか?」
「忙しい」
「あーそー」
これで忙しいとか呆れてしまう。まあ、裏を返せば本人からすれば充実した毎日ではあるんだろう。俺には分からないが。
「その植木鉢に植えてる植物はなんだ?」
片手間に報告書にサラッとまとめる要項を箇条書きで打ち込んでいく。俺の視界の隅に映るヨルツは、横目で植木鉢を見ながらため息を吐いた。
「見れば分かるだろ、木だ」
「木の種類を聞いてんだよ」
特別房で取り寄せられる植物など限られている。物によっては俺が買って来ないといけない種類もあるのだが、ヨルツの育てている木は気が付いたらすでに植わっていた。
そもそも、木なんて取り寄せられるか…?俺は見たことがなかった。
重なる質問にヨルツはますます眉間の深いシワを寄せると、少しの沈黙を挟んでから口を開いた。
「これはケットだ」
「はあ?」
思わず聞き返す。ケットと言えば、牢獄エリアにいる木の怪物だろうが、目の前の植物は彼女の姿には重ならない。
「どこがケットだ。普通の植物にしか見えねえぞ」
「俺も知らない。気が付いたら生えてたし、水をやったら育った。会話も出来る」
「んなアホな…」
俺はホログラムを閉じると、植木鉢の方へと向かう。木をつついてみても反応はないが、植木鉢を持ち上げてみて俺は思わず目を見開く。
「マジかよ」
床を突き抜けて木の根のような物が植木鉢の中へと入り込んでいる。下の階に干渉しそうなものだが、誰にもバレていないあたり、恐らく配線などを通すところから上手く壁の中を通って侵入してきているのだろう。
ケットとヨルツは何故か唯一テレパシーで会話ができる組み合わせだ。ヨルツがいなくなったらケットも暇が増すだろうとは思っていたが、まさかこんな力業で追いかけてくるとは思ってもみなかった。
思い出してみれば、ケットはリセット前ですらあれだけ巨大な木に進化していたのだ。時間さえかければ、彼女がこの施設を丸ごと樹海にするくらいは案外たやすいのかもしれない。
「お前らそんな仲良かったのか?」
植木鉢を元の場所に戻しながらヨルツに振り返ると、彼は眉間にしわを寄せたままゆっくりと首を傾げた。
「知らない。懐かれてはいるんじゃないのか?」
「知らないってお前…」
薄情だなと言いかけて、俺もリセット前にキティから一方的に言い寄られていた時は同じ感想だったなと思い出す。どこまでも似てて、呆れる。
同じ施設で生まれたのだから、製造工場でも似ているのかもしれない。どうやって作ってるのか、詳しくは知らんが。
だとしたら、いずれはケットとヨルツも似たような関係に落ち着く日も来るのかもしれない。
「報告書にケットのことを書くのか?」
「書いたって俺たちに何の得があんだよ。普通に観葉植物ってことにしておく。だから、あんまり目立つとこに根を伸ばしすぎんな。一応はカメラ付いてんだから」
ヨルツの質問に答えながら、俺は再びベッドに座る。
ケットのことは施設を壊す上で味方に回しておくのが明らかに得策だ。そういう意味ではヨルツを受け持ちにしたことは、やはり正解だったかもしれない。
再び、ホログラムを開いて報告書でも仕上げるかと思っていると、不意に画面にメッセージの着信が表示された。
どうせエドヴィンだろう。メッセージのIDを教えたことがあるのは、エドヴィンだけだし、人間は勝手に調べて連絡してくるが、日常でやりとりするのはあの蛾しかいない。
「今週末、よかったら私のお部屋で一緒にお夕飯とかどうですか!ハルくんの大好きなチョコチップがザクザクのクッキーも作るね!」
渋々とメッセージを開封して出てきた内容に、俺の頭が一瞬だけ停止する。
アイツ、いよいよ頭でもおかしくなったのかと思いきや、差出人がなんとキティだった。
え…いつIDなんか教えたっけ。そもそも、クッキーの好みとか話した覚えねえぞ。そこまで考えてから、この間の失態を思い出す。
絶対、あの時だろ。俺が記憶ないだけで、多分教えたんだろう。本当に頭が痛い。
無視…は出来ないな。俺は仕方なく返信を打ち込む。
「食ったらすぐ帰るからな」
簡単な一文を打ち込んで返信していると、不意に頭の後ろに視線を感じて俺は顔を上げる。
「仲いいのか?」
いつの間にか気配なく、ヨルツが背後から俺のホログラム画面を覗いていた。ちょっと目を細めて鼻で笑うその姿は、先ほどの仕返しとでも言いたげだ。
「うるせーなあ!そんなことより、お前そろそろ自分のテストについて気を配っとけ」
「テスト?」
「どこまで進化が進んでいるか、特別房から看守にかけては定期的にテストを受けるんだ。数値が高くなると『卒業』だ。せいぜい卒業候補生に選ばれないようにしろ」
テストというのは、人間らしさを測るものだ。主にロボットとの質疑応答問題や筆記試験に分かれる。俺やエドヴィンも定期的に受けるし、特別房の怪物も実施期間は異なるが同じ頻度で受けることになる。
本来、怪物たちはこの施設を卒業するために血眼で試験に臨んでいくのだが、そこをクリアした先に待っているのは、人間の脳波をインストールされて肉体を乗っ取られるというお粗末なエンディングだ。
それをこの施設の者は知らない。話そうにも、公にバレたら人間に殺される危険性もある。ここがヨルツの部屋だから出来る話だ。
「今まで誰も卒業できなかったんだろ?俺が足掻いたところで卒業するわけがない」
「俺もそう思っているが、心がけはしとけ」
まるで他人事のようにヨルツは言うが、俺たちに関してはいわゆる二週目の存在なのだ。どんな変化が起きているか分かったものではない。
ヨルツが肉体を乗っ取られようと俺には関係ないが、今後のキティとの暮らしを取り戻すのに不利になるようなら、やすやすといなくなられては困るのだ。
「まあ、頭の隅にはとどめておく」
抑揚のない声でそう言うと、ヨルツはジョウロを片手に洗面台へと消えて行った。
生活感のない部屋で、ヨルツが植木鉢に水をやりながらため息を吐く。俺がベッドに座ってハッキングの練習をしているから、座る場所がないのだろう。
「特別房はカメラが少なくて、尚且つ入れる部屋に限ってはハッキングしやすいからな。困るようなことがあっても誤魔化しやすいから、つかってんだよ」
人間のデータベースへのセキュリティを解析しながら、俺はホログラムから目を離さずに答えた。
先日、ヌッラから特定の特別房へのアクセスの仕方を仕入れた。キレンツの部屋と、ヨルツの部屋のカメラは比較的自由に操れるようになっていたので、安心してハッキングを試みれるのはその二部屋だけだ。
特別房は変化が少ない映像を切り抜いて、都合の悪い部分を抜き取ってから、短くループさせるだけで誤魔化しが効く。
おそらく、リセット前にヌッラがキティの部屋に悪さをしに来た時も同じ手口を使ったに違いない。あの時にカメラやカードキーへの不正アクセスを確認されたとして、ヌッラにこんなことが出来たなら俺がはめられるのは確定事項だったのだろう。
「数日前までは全く来なかったから、快適だったんだがな…」
植木鉢の前で犬のように座りながら、ヨルツは不服そうに尻尾で床を叩く。
その傍の植木鉢には何か小さな木のようなものが生えていて、一応は何かを育てているようだ。ヨルツが何かを育てるなど、思ってもみなかったが。
「お前、普段何してんだ?週に一回、報告書を出す必要があるから、簡単に説明しろ」
特別房を担当している限り、受け持ちに看守る情報を定期的に上層に提出しなくてはならない。キティの時は毎日顔を出さないと不満が上に伝わるんじゃないかと、一応は足蹴く通っていたわけだが、ヨルツは逆に干渉を嫌う。
なんやかんやと受け持ってから一週間にして、今日はまだ3回目だ。俺が人間のデータベースにアクセスする時だけ顔を出している。それでもヨルツからすれば、まだ多すぎると言いたそうだが。
俺の質問にヨルツは面倒くさそうに眉間にシワを寄せたが、一日を振り返るように片手の指を折りながら斜め上を見上げた。
「起きて、飯を食って、水やって、寝て、飯食って、土の湿り具合を確認して、寝る」
「何もしてねーじゃねえか」
いつもぼーっとしている印象はあったが、話を聞く限りでは本当に何もしていない。
「暇じゃないのか?」
「忙しい」
「あーそー」
これで忙しいとか呆れてしまう。まあ、裏を返せば本人からすれば充実した毎日ではあるんだろう。俺には分からないが。
「その植木鉢に植えてる植物はなんだ?」
片手間に報告書にサラッとまとめる要項を箇条書きで打ち込んでいく。俺の視界の隅に映るヨルツは、横目で植木鉢を見ながらため息を吐いた。
「見れば分かるだろ、木だ」
「木の種類を聞いてんだよ」
特別房で取り寄せられる植物など限られている。物によっては俺が買って来ないといけない種類もあるのだが、ヨルツの育てている木は気が付いたらすでに植わっていた。
そもそも、木なんて取り寄せられるか…?俺は見たことがなかった。
重なる質問にヨルツはますます眉間の深いシワを寄せると、少しの沈黙を挟んでから口を開いた。
「これはケットだ」
「はあ?」
思わず聞き返す。ケットと言えば、牢獄エリアにいる木の怪物だろうが、目の前の植物は彼女の姿には重ならない。
「どこがケットだ。普通の植物にしか見えねえぞ」
「俺も知らない。気が付いたら生えてたし、水をやったら育った。会話も出来る」
「んなアホな…」
俺はホログラムを閉じると、植木鉢の方へと向かう。木をつついてみても反応はないが、植木鉢を持ち上げてみて俺は思わず目を見開く。
「マジかよ」
床を突き抜けて木の根のような物が植木鉢の中へと入り込んでいる。下の階に干渉しそうなものだが、誰にもバレていないあたり、恐らく配線などを通すところから上手く壁の中を通って侵入してきているのだろう。
ケットとヨルツは何故か唯一テレパシーで会話ができる組み合わせだ。ヨルツがいなくなったらケットも暇が増すだろうとは思っていたが、まさかこんな力業で追いかけてくるとは思ってもみなかった。
思い出してみれば、ケットはリセット前ですらあれだけ巨大な木に進化していたのだ。時間さえかければ、彼女がこの施設を丸ごと樹海にするくらいは案外たやすいのかもしれない。
「お前らそんな仲良かったのか?」
植木鉢を元の場所に戻しながらヨルツに振り返ると、彼は眉間にしわを寄せたままゆっくりと首を傾げた。
「知らない。懐かれてはいるんじゃないのか?」
「知らないってお前…」
薄情だなと言いかけて、俺もリセット前にキティから一方的に言い寄られていた時は同じ感想だったなと思い出す。どこまでも似てて、呆れる。
同じ施設で生まれたのだから、製造工場でも似ているのかもしれない。どうやって作ってるのか、詳しくは知らんが。
だとしたら、いずれはケットとヨルツも似たような関係に落ち着く日も来るのかもしれない。
「報告書にケットのことを書くのか?」
「書いたって俺たちに何の得があんだよ。普通に観葉植物ってことにしておく。だから、あんまり目立つとこに根を伸ばしすぎんな。一応はカメラ付いてんだから」
ヨルツの質問に答えながら、俺は再びベッドに座る。
ケットのことは施設を壊す上で味方に回しておくのが明らかに得策だ。そういう意味ではヨルツを受け持ちにしたことは、やはり正解だったかもしれない。
再び、ホログラムを開いて報告書でも仕上げるかと思っていると、不意に画面にメッセージの着信が表示された。
どうせエドヴィンだろう。メッセージのIDを教えたことがあるのは、エドヴィンだけだし、人間は勝手に調べて連絡してくるが、日常でやりとりするのはあの蛾しかいない。
「今週末、よかったら私のお部屋で一緒にお夕飯とかどうですか!ハルくんの大好きなチョコチップがザクザクのクッキーも作るね!」
渋々とメッセージを開封して出てきた内容に、俺の頭が一瞬だけ停止する。
アイツ、いよいよ頭でもおかしくなったのかと思いきや、差出人がなんとキティだった。
え…いつIDなんか教えたっけ。そもそも、クッキーの好みとか話した覚えねえぞ。そこまで考えてから、この間の失態を思い出す。
絶対、あの時だろ。俺が記憶ないだけで、多分教えたんだろう。本当に頭が痛い。
無視…は出来ないな。俺は仕方なく返信を打ち込む。
「食ったらすぐ帰るからな」
簡単な一文を打ち込んで返信していると、不意に頭の後ろに視線を感じて俺は顔を上げる。
「仲いいのか?」
いつの間にか気配なく、ヨルツが背後から俺のホログラム画面を覗いていた。ちょっと目を細めて鼻で笑うその姿は、先ほどの仕返しとでも言いたげだ。
「うるせーなあ!そんなことより、お前そろそろ自分のテストについて気を配っとけ」
「テスト?」
「どこまで進化が進んでいるか、特別房から看守にかけては定期的にテストを受けるんだ。数値が高くなると『卒業』だ。せいぜい卒業候補生に選ばれないようにしろ」
テストというのは、人間らしさを測るものだ。主にロボットとの質疑応答問題や筆記試験に分かれる。俺やエドヴィンも定期的に受けるし、特別房の怪物も実施期間は異なるが同じ頻度で受けることになる。
本来、怪物たちはこの施設を卒業するために血眼で試験に臨んでいくのだが、そこをクリアした先に待っているのは、人間の脳波をインストールされて肉体を乗っ取られるというお粗末なエンディングだ。
それをこの施設の者は知らない。話そうにも、公にバレたら人間に殺される危険性もある。ここがヨルツの部屋だから出来る話だ。
「今まで誰も卒業できなかったんだろ?俺が足掻いたところで卒業するわけがない」
「俺もそう思っているが、心がけはしとけ」
まるで他人事のようにヨルツは言うが、俺たちに関してはいわゆる二週目の存在なのだ。どんな変化が起きているか分かったものではない。
ヨルツが肉体を乗っ取られようと俺には関係ないが、今後のキティとの暮らしを取り戻すのに不利になるようなら、やすやすといなくなられては困るのだ。
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