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それぞれの
想いの中
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少し過激な表現が含まれてます。苦手な方はごめんなさい。
中学三年生の頃。ボクは受験に過度な程のストレスを感じていた。母の思いで進学を決めた高校は、ボクの成績ではかなり危なかった。けど、お母さんは毎日のように「貴女ならやれるんだから、諦めないで。」毎日毎日言われた。
特にやりたい事もなかったボクは、行く理由が無い高校の為に、なんでここまで……そう思うと辛かった。言えるのなら今すぐに進路を変えたかった。でも、お父さんは普段家にいない分お母さんには反論しない。お母さんもそこに入ると決めつけて聞いてくれなかった。
限界だった。学校に行くのも嫌になりそうなギリギリで耐えていた。
そんな時に気休めで見ていたネットである記事を見つけた。
「気分転換でリストカット?女子大生自殺未遂か。」
リストカットは知っていた、でもあれは自殺方法なのだから気分転換になるわけが無い。そう思っても、何故か興味は引かなかった。ネットで検索すると何件も出てくる、「傷を見ると落ち着く」「痛みが生きてる実感」中にはボクと同じ状況のような子も紛れていた…。
ふとボクは自分の手首が気になった。どんな感じなんだろう…。考えるより早くにカッターナイフを手に持ち、押し付けていた。冷たい痛みが体に流れてくる。手から流れ落ちる暖かな物…。1滴1摘落ちるそれを見てると、自然と気持ちが落ちついた。
「なんだ…簡単じゃん。」
それが初めてだった。でもそれから嫌な事やテストがある度にカッターナイフでそれを見た。そのうちカッターナイフが錆びると、ネットでメスを買った。
元より濡らす事を使用目的にしてるような刃物だから、そう簡単には錆びない。
月に2~3回使った。やる度に成績は安定していった。そして、合格ラインに到達する事が出来た。そして…合格した。
「こんなに簡単なら…もっと早くしてれば…でも。高校ではやめておこう。」
合格発表を受けたその日にメスは封印した………つもりだった。
結局高校でもストレスから開放される事は無く、度々封印を解いては無意識のように繰り返した。
勿論そんな事をしていれば体が持たない。そろそろ…まずいかなと思ってたその時期に
「好きです…柚紀さん!俺と付き合って下さい!」
いつものサボり場で、いつも会う男に告白された。正直そんな気分じゃない。
軽い貧血で気分も悪い…あれ。なんでこんなに気分が悪いんだっけ…
「…いいよ。」
頭とは違う言葉が出た。なんで…だろう。
家に帰ると何故か涙が流れる。分からない。頭がぐちゃぐちゃになり、また無意識のうちにメスを手に持つが…今回は何かが可笑しい。傷が凄く痛む……。
「なに…これ…。痛い…痛いよ!!」
吐き気が込み上げる。トイレに駆け込み、全てを落とした。
「おねーちゃん…?どうしたの?大丈夫?」
「…大丈夫だよ。ありがとう…。」
弟に見られた…。でも今はそんな事はいい…
メスを見る度に激痛が走り、記憶が呼び覚まされるように痛みが蘇ってくる。
「痛い…いたい…痛い痛い!!!」
腕が自分の物じゃないみたいに痛む…。地獄だった
「もう…もうやらないから許してよ!!」
腕を思いっきり床に叩きつける。すると少しだけ痛みが引き、気絶するようにその場に倒れる。
ほのかに暖かい。それが自分のもとだと気がつくとまた込み上げる物があった。今度は吐き気じゃない。顔から落ちてきてた…
「あれ…ボク…なんで?」
頬を伝う熱い物がどんどん落ちていく。
~~~♪♪
着信音。ふと我に帰り、ケータイを見ると
「深弥です。今日はありがとう。また明日。」
たった1文。けどその1文読む事で、少し気が晴れたみたいに軽くなる…。
もう二度としない。そう決めた。
◇ーーーーーーーーーーーーーーー◇
…あれ、なんでこんな懐かしい夢なんか…。あれ、ここどこだろう…暖かい。なんというか…心地いい…もう少し眠りたい…。
「……!」
なんだろう。うるさいな…
「…き!」
寝かせてよ…。
「柚紀!!!」
しん…や?なんでここにいるの…?
「柚紀!柚紀!なんで!!」
なんでって何が…?思い出せない。なんで…?分からない…
(ズキッ…)
…?なんだろう今の
(ズキッ…ズキズキズキッ!!)
!?…なにこれ痛い…いたい!
「痛いよ!!!」
目を覚まして、最初に見る顔はやっぱりこいつだった。
…でも安心した。
「遅いよ…柚紀…。」
「ごめん…ただいま…。」
中学三年生の頃。ボクは受験に過度な程のストレスを感じていた。母の思いで進学を決めた高校は、ボクの成績ではかなり危なかった。けど、お母さんは毎日のように「貴女ならやれるんだから、諦めないで。」毎日毎日言われた。
特にやりたい事もなかったボクは、行く理由が無い高校の為に、なんでここまで……そう思うと辛かった。言えるのなら今すぐに進路を変えたかった。でも、お父さんは普段家にいない分お母さんには反論しない。お母さんもそこに入ると決めつけて聞いてくれなかった。
限界だった。学校に行くのも嫌になりそうなギリギリで耐えていた。
そんな時に気休めで見ていたネットである記事を見つけた。
「気分転換でリストカット?女子大生自殺未遂か。」
リストカットは知っていた、でもあれは自殺方法なのだから気分転換になるわけが無い。そう思っても、何故か興味は引かなかった。ネットで検索すると何件も出てくる、「傷を見ると落ち着く」「痛みが生きてる実感」中にはボクと同じ状況のような子も紛れていた…。
ふとボクは自分の手首が気になった。どんな感じなんだろう…。考えるより早くにカッターナイフを手に持ち、押し付けていた。冷たい痛みが体に流れてくる。手から流れ落ちる暖かな物…。1滴1摘落ちるそれを見てると、自然と気持ちが落ちついた。
「なんだ…簡単じゃん。」
それが初めてだった。でもそれから嫌な事やテストがある度にカッターナイフでそれを見た。そのうちカッターナイフが錆びると、ネットでメスを買った。
元より濡らす事を使用目的にしてるような刃物だから、そう簡単には錆びない。
月に2~3回使った。やる度に成績は安定していった。そして、合格ラインに到達する事が出来た。そして…合格した。
「こんなに簡単なら…もっと早くしてれば…でも。高校ではやめておこう。」
合格発表を受けたその日にメスは封印した………つもりだった。
結局高校でもストレスから開放される事は無く、度々封印を解いては無意識のように繰り返した。
勿論そんな事をしていれば体が持たない。そろそろ…まずいかなと思ってたその時期に
「好きです…柚紀さん!俺と付き合って下さい!」
いつものサボり場で、いつも会う男に告白された。正直そんな気分じゃない。
軽い貧血で気分も悪い…あれ。なんでこんなに気分が悪いんだっけ…
「…いいよ。」
頭とは違う言葉が出た。なんで…だろう。
家に帰ると何故か涙が流れる。分からない。頭がぐちゃぐちゃになり、また無意識のうちにメスを手に持つが…今回は何かが可笑しい。傷が凄く痛む……。
「なに…これ…。痛い…痛いよ!!」
吐き気が込み上げる。トイレに駆け込み、全てを落とした。
「おねーちゃん…?どうしたの?大丈夫?」
「…大丈夫だよ。ありがとう…。」
弟に見られた…。でも今はそんな事はいい…
メスを見る度に激痛が走り、記憶が呼び覚まされるように痛みが蘇ってくる。
「痛い…いたい…痛い痛い!!!」
腕が自分の物じゃないみたいに痛む…。地獄だった
「もう…もうやらないから許してよ!!」
腕を思いっきり床に叩きつける。すると少しだけ痛みが引き、気絶するようにその場に倒れる。
ほのかに暖かい。それが自分のもとだと気がつくとまた込み上げる物があった。今度は吐き気じゃない。顔から落ちてきてた…
「あれ…ボク…なんで?」
頬を伝う熱い物がどんどん落ちていく。
~~~♪♪
着信音。ふと我に帰り、ケータイを見ると
「深弥です。今日はありがとう。また明日。」
たった1文。けどその1文読む事で、少し気が晴れたみたいに軽くなる…。
もう二度としない。そう決めた。
◇ーーーーーーーーーーーーーーー◇
…あれ、なんでこんな懐かしい夢なんか…。あれ、ここどこだろう…暖かい。なんというか…心地いい…もう少し眠りたい…。
「……!」
なんだろう。うるさいな…
「…き!」
寝かせてよ…。
「柚紀!!!」
しん…や?なんでここにいるの…?
「柚紀!柚紀!なんで!!」
なんでって何が…?思い出せない。なんで…?分からない…
(ズキッ…)
…?なんだろう今の
(ズキッ…ズキズキズキッ!!)
!?…なにこれ痛い…いたい!
「痛いよ!!!」
目を覚まして、最初に見る顔はやっぱりこいつだった。
…でも安心した。
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「ごめん…ただいま…。」
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