13 / 25
それぞれの
目覚め?
しおりを挟む
それからしばらく柚紀は悶え続けた。
鎮静剤を打ち込むしか手は無いのだが、暴れ過ぎているためか、針が折れる危険性があるからと、中々出来なかった。
落ち着いた一瞬を狙って的井がすばらしい注射した。
安心は出来なかったが、柚紀の痛いという言葉が耳に残って仕方なかった。
聞いた事がない程の声で、迫力で叫ぶ柚紀は今まで見てきた姿からはかけ離れていた。
「…不安か?」
待合室で頭を抱えている俺に、的井は先程と違って、甘いカフェオレを差し出してきた。
「こういう時は甘いものでも飲め。糖分は脳にいい。安心にもなる。 」
確かに、封を開けて香ってくる甘い匂いは、どこか安心出来る。
「……甘い。」
そうだ…今は焦っても仕方ない…。落ち着いて、現状を理解するのが先決だ。
「先程の広紗君のは恐らくトラウマなどによるフラッシュバックに似た物だと思うが…心当たりは?…無さそうだね」
無い。少なくとも俺が知ってる間には。
「先程ご家族と連絡取れたんだが、リストカット癖すら知らなかったらしい。唯一知ってるのは柚治君だけだったらしいね…。今日は帰って休んだらどうだね。また何かあったら連絡するから」
気がつけばもう朝だった。こんな時にも腹は減るのが人間だった…。
帰る途中に適当に見つけた牛丼屋に入り、朝飯を済ましてから帰ることにした。
病院から出ると黒い車が見える。そういえば車が待ってるんだった。
「すいません。適当に飯屋よってください。腹減ったんで」
予想通りの牛丼屋に寄り、運転手さんに奢ってもらったが、正直味なんて感じなかった…。
家に帰っても携帯のメール欄で柚紀とのやり取りを確認し、節が無いかを見るだけだった。1つ1つのやり取りが懐かしく感じる。自然と眠くなり…深い淵に落ちるような感覚で眠ってしまった。
(柚治の時間)
ねーちゃんは未だに起きない。的井先生の話だと、今は軽いショック状態で、少し深い眠りに落ちてるようなものだそうだけど、さっきの暴れはそうだと思えない。
「ねーちゃん…なんでまた…」
自然と目頭が熱くなる…。
~コンコン~
ノックが聞こえ、涙を慌てて拭うと…
「柚紀!?大丈夫なの!?」
そう言って飛び入って来たのは
「し、皺さん!?」
ねーちゃんの親友の皺さんだ…。
「あ!ごめんね柚治君久しぶり!さっき深弥君から連絡が合ってね、つい…。」
皺さんは部屋着にパーカーのような格好だった。それだけ驚いて飛び出て来てくれたんだろう。僕は皺さんに合ったことを話した。話してる間皺さん、泣いていた
「…以上が、ここまでに合った事の説明です。」
皺さんはしばらく泣いていた。不覚にも少しドキッとしてしまう。
「ありがとう柚治君。柚紀がそんなになるなんて初めてみた…前からやってたの…?それは」
「入試前位からやってたらしいんですが、止めれずに…」
皺さんは何かを考えていた。
「あのね…?勘違いなら悪いんだけど…少し思い当たる節があるかなー…って」
その時に聞いた話は深弥さんは勿論。僕も知らなかった中学校の柚紀の裏の話だった。
鎮静剤を打ち込むしか手は無いのだが、暴れ過ぎているためか、針が折れる危険性があるからと、中々出来なかった。
落ち着いた一瞬を狙って的井がすばらしい注射した。
安心は出来なかったが、柚紀の痛いという言葉が耳に残って仕方なかった。
聞いた事がない程の声で、迫力で叫ぶ柚紀は今まで見てきた姿からはかけ離れていた。
「…不安か?」
待合室で頭を抱えている俺に、的井は先程と違って、甘いカフェオレを差し出してきた。
「こういう時は甘いものでも飲め。糖分は脳にいい。安心にもなる。 」
確かに、封を開けて香ってくる甘い匂いは、どこか安心出来る。
「……甘い。」
そうだ…今は焦っても仕方ない…。落ち着いて、現状を理解するのが先決だ。
「先程の広紗君のは恐らくトラウマなどによるフラッシュバックに似た物だと思うが…心当たりは?…無さそうだね」
無い。少なくとも俺が知ってる間には。
「先程ご家族と連絡取れたんだが、リストカット癖すら知らなかったらしい。唯一知ってるのは柚治君だけだったらしいね…。今日は帰って休んだらどうだね。また何かあったら連絡するから」
気がつけばもう朝だった。こんな時にも腹は減るのが人間だった…。
帰る途中に適当に見つけた牛丼屋に入り、朝飯を済ましてから帰ることにした。
病院から出ると黒い車が見える。そういえば車が待ってるんだった。
「すいません。適当に飯屋よってください。腹減ったんで」
予想通りの牛丼屋に寄り、運転手さんに奢ってもらったが、正直味なんて感じなかった…。
家に帰っても携帯のメール欄で柚紀とのやり取りを確認し、節が無いかを見るだけだった。1つ1つのやり取りが懐かしく感じる。自然と眠くなり…深い淵に落ちるような感覚で眠ってしまった。
(柚治の時間)
ねーちゃんは未だに起きない。的井先生の話だと、今は軽いショック状態で、少し深い眠りに落ちてるようなものだそうだけど、さっきの暴れはそうだと思えない。
「ねーちゃん…なんでまた…」
自然と目頭が熱くなる…。
~コンコン~
ノックが聞こえ、涙を慌てて拭うと…
「柚紀!?大丈夫なの!?」
そう言って飛び入って来たのは
「し、皺さん!?」
ねーちゃんの親友の皺さんだ…。
「あ!ごめんね柚治君久しぶり!さっき深弥君から連絡が合ってね、つい…。」
皺さんは部屋着にパーカーのような格好だった。それだけ驚いて飛び出て来てくれたんだろう。僕は皺さんに合ったことを話した。話してる間皺さん、泣いていた
「…以上が、ここまでに合った事の説明です。」
皺さんはしばらく泣いていた。不覚にも少しドキッとしてしまう。
「ありがとう柚治君。柚紀がそんなになるなんて初めてみた…前からやってたの…?それは」
「入試前位からやってたらしいんですが、止めれずに…」
皺さんは何かを考えていた。
「あのね…?勘違いなら悪いんだけど…少し思い当たる節があるかなー…って」
その時に聞いた話は深弥さんは勿論。僕も知らなかった中学校の柚紀の裏の話だった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる