【完結】秘める華が暴かれる時

七咲陸

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番外編

抱きしめて、キスをして④※

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「…フレイ兄さま、あの……出ました」

  寝室の扉を少しだけ開いてひょこ、と中を覗くように見る。ベッドの端に腰掛けてカチコチと固まっていたフレイ兄さまは「あ、ああ……」と返事をした。フレイ兄さまもぼくも順番にシャワーを浴びて、二人とも夜着の姿である。ぼくの頬はシャワーのせいだけでは無いもので火照っていて、フレイ兄さまの方を見てもそれは同じのようだった。

「あの……」

「な、なんだ!」

  おずおずと話しかけると、少し声が裏返った返事が聞こえてきた。

「…やっぱり今日は止めておきましょうか……?」

  フレイ兄さまは明らかに緊張されている。ぼくが言ったワガママですごく困っているのが伝わる。いつもは頼りがいのある獅子のような人なのに、まるで借りてきた猫のようだ。

  しかしぼくの言葉にフレイ兄さまは赤かった頬は一気に真っ青に変わった。

「な、なぜ。俺が何か至らなかったか。いや、緊張して上手くリード出来てないのは分かっているが、それでも何とか」

「でもフレイ兄さま…さっきは倒れて、今は身体が固まってます。これじゃ難しいのでは……」

「待ってくれ。俺は平気だ。少し倒れたくらいでどうにかなってしまうほどヤワな身体じゃない」

「でも……」

「っ、くそ……っ!」

  フレイ兄さまが汚い言葉を発するのに驚きつつも、腕を引かれ、ベッドに座るフレイ兄さまの膝の上に乗っかってしまう。フレイ兄さまの心臓の音が早い。でもぼくの心臓もきっと同じくらい早い。

「セティ、俺は本気でお前が好きで……一緒に寝ることも出来なくなったのは、セティに無理やりこういうことをしたくなかったからだ」

「フレイ兄さま……」

「嫌われたら死ぬ自信しかない。だから俺を嫌いになる前に、こういうことをされたくなかったら殴って欲しい」

「殴るなんて、しません」

  どうしてフレイ兄さまがそんなことを言うのか分からない。だってぼくが言ったワガママなのだ。抱いて欲しいと願ったのはぼくの方なのだから、怖がる理由なんてない。

「フレイ兄さま、大好きです。ぼくのこといっぱい可愛がってください…」

  お願い、そういう意味を込めて伝えると、フレイ兄さまはぼくの顔を大きな両手で包んでキスをしてくれた。

「ん……」

  一度目は触れるだけ。二度目はちゅ、と音を立てて。三度目は唇が食べられちゃうようなキスをして、四度目にはフレイ兄さまの長くて厚い舌がぼくの口の中に入ってきた。

  恋人になって何度かキスはしたけれど、こんな長く深いキスは初めてだった。角度をかえ、フレイ兄さまはぼくの口の中を余すことなく舐めるようにくちゅくちゅと音を立てて掻き回す。
  ぼくがフレイ兄さまの上に乗っかっているから、ほんの少しだけフレイ兄さまを見下げているせいでぼくの唾液はそのままフレイ兄さまに流れていってしまい、フレイ兄さまの喉がゴクリと音を鳴らした。

「っ、ん……は、ぁ……フレイ兄、さま…ん、もっと、っ!」

  揺らぐ炎を宿す瞳を見つめながらオネダリすると、炎が強くなってもう一度キスをしてくれた。さっきと同じくらい深いキスが気持ちよくて、ぼくはいつの間にかフレイ兄さまの背に腕を回して自分から舌を伸ばして絡ませた。

  親愛の情を込めた優しいキスなんかじゃなく、お互い獣のように激しいキスをした。唇はジンジンするし、鼻から息を吸っても酸素が足りなくてクラクラしている気がする。身体も火照ってどこもかしこもフワフワとしてきた。

「っ、ひぁんっ」

  スルスルと身体を撫でるように手が降りてきて、夜着の間から首筋、肩、胸と触れてフレイ兄さまの指がぼくの乳首に触れた時に変な声が出た。
  思わずキスを止めて口を抑える。

「可愛い…セティ。声も、もっと聞かせてくれ」

「や……ぁ、だめぇ…っ」

  僕の胸に顔を埋めて、触られて芯を持った飾りの周囲を舌で撫ぜられた。ゾワゾワと身体全体が沸き立つような感覚に襲われていると、フレイ兄さまはそのまま赤ちゃんがするようにぼくの乳首をチュウチュウと吸い始める。

「ぁっ、あ……、あんんっ」

  何も出ないところを吸われ、反対の乳首もフレイ兄さまの指でコリコリと刺激された。ピリピリと全身に響くような愛撫に、思わず声が出てしまう。

  フレイ兄さまが弄る手を止め、そのまま夜着の隙間からぼくの中芯を取り出して優しく触れた。いつの間にか熱を持って勃ってはいたもののさほど大きくないので、フレイ兄さまの手ではすっぽりと包まれてしまう。

「自分で触ったことは?」

「ぁ……す、少し、あんまり、気持ちよくなくて…っ」

「だからこんなに色が薄いのか」

  マジマジと見ているその眼は何だか怖いほどギンギンしている。どうしてそこを見てこんなに興奮できるのかは分からないけれど、フレイ兄さまがガッカリされるよりはずっと良い。

「あっ、あっ、……っ!な、んで、ぇ……?」

  気持ちいい、スゴく気持ちいい。フレイ兄さまがグチュグチュと擦る度に腰が勝手に揺れてしまうし、フレイ兄さまの手に押し付けてしまうくらいおかしくなってしまった。

「可愛い、可愛いよセティ。自分でも弄ってごらん」
「や、わかんな…」

  ぼくの手を掴んで芯に触れさせると、もう一度ぼくの手の上から包んでくれる。 優しく教えるようにもう一度擦り始めてくれた。巧みに動く手に翻弄されて、ぼくは荒波のような快楽に飲み込まれ、頭の中がぐちゃぐちゃになっていった。

「あっ、ああ…っだめ、や、な、ひ……怖い、怖いぃ……!」

「大丈夫、平気だ。気持ちよくてイきそうなだけだ…、大丈夫。愛してる、セティ」

「ぁ、あああ…っ!」

  目の前がパチパチと弾け、高揚した身体がフレイ兄さまで溺れた。白い何かがフレイ兄さまの夜着にかかってしまったが気にすることも出来ず、はぁはぁと息を整えながらフレイ兄さまの身体にクタリと脱力した。

  カッツェはスゴい、こんなのほぼ毎日してたなんて。たったこれだけでこんなに疲れちゃうんだもの。戻ったらいっぱい助けてあげよう。

「平気か?」

「あ……はい。えへへ…、気持ちよくてびっくりしちゃいました。はぁ……」

「そうか。なら」

  フレイ兄さまは脱力しきったぼくを軽々と抱き上げて、ベッドに寝かせてくれた。あれ? 今度は僕がフレイ兄さまを気持ちよくさせようと思ってたのだけれど。あれ……?

  ぼくの脚を掴んでかぱりと開かれる。いつの間にか夜着のズボンは脱がされていて恥ずかしい部分が全部さらけ出された。

「ひゃっ!! ふ、フレイ兄さま?!?!」

「セティ…お前はどこもかしこも可愛い、あー……すまない。たぶんもう止まれない。殴られてもだ」

  見るとフレイ兄さまの中心もぼくのとは違い猛々しく、雄々しく主張されている。はち切れんばかりのモノを見て疲れていたのを忘れ、ぼくは逞しいソレをジッと見てしまう。
  怖いかと聞かれれば、ほんの少しだけ恐怖はある。けど、これがぼくの中にこれから入る?触られただけであんな風に気持ちよくされちゃうのに……勝手に口内に溜まった唾液を喉がゴクリと嚥下した。

「……これを見てそんな物欲しそうに見られるとは思わなかった。セティ、お前は本当は凄いエロいんだろうな」

「ぁっ……ごめんなさ…」

「謝るな。それよりも、どうして欲しいか言って欲しい」

  そう言われて、ぼくはフレイ兄さまを見上げて首に抱きついた。

「フレイ兄さまといっぱい……いっぱい気持ちよくなりたいです…」


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