お姫様と愉快な仲間たちの珍道中

ライ

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崩壊寸前の大国偏

お姫様の部下は盲目的なまでの愛を持つ

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こうなってしまったものは仕方が無い。
せっかくだし先ほども思ったことなので、部下たちの力も有効活用しよう。
カインに他の部下たちのことを詳しく聞いた。
その話によると、彼らは私の行きそうな場所にそれぞれ行ったようで、カインはここシャロークに、アベルもシャロークに来たようだが手分けして探したほうが良いだろうと別行動をしている。
あるものは水害のひどい国へ、またあるものは鎖国状態の国へ、またあるものは魔物の地下帝国へ行ったようで、全部私が行こうと思っていたところなのが恐ろしい。
そんなに私は分かりやすい人間だろうか?
胸の中でそう自問しているとカインが、
「あなた様のことだから分かるのです」
と目をキラキラさせながら言ってきた。
どうやら私の心の中は部下たち限定で、分かりやすいらしい。
「まあそれは置いといて、他のみんなと連絡できるか?」
その質問にカインは、
「もちろん可能です。姫が見つかればそれぞれ持つこの連絡用の白鳩で、知らせるようになっております。今俺が見つけたのですぐに皆に知らせましょう。ここに集まれでよろしいですよね?」
カインの言葉に私は首を縦に振ることで答え、とりあえず宿をとることにした。
この国の状況的には野宿の方がいくらかましな気がするが、カインに絶対ダメですと言われ、仕方なくその街で一番上等な宿をとることになった。
一番上等な宿といっても襲われないように、護衛がいるだけで部屋も汚いし食事もついていないような仕様だったが、今のこの国の現状からすればこれが精一杯なのかもしれないな。
部屋はカインと私で一部屋を使うことになった。
最初は自分だけでも野宿をするとカインがほざいたが、なら私も野宿で良いと言うと渋々引き下がった。
仕方ないだろう一部屋しか空いていなかったのだから。
宿賃はカインが国に入る前に盗賊団を見つけて、その盗賊団からぜひとも財宝をもらってほしいと頼まれたので、仕方なくもらったという財宝を金品に変えたもので賄った。
本人はこう言ってるがあらかた、壊滅の危機に瀕した盗賊どもが財宝をやるから、命だけは見逃してくれと言ったに違いない。
カインは線の細い体つきをしているが、服の下は無駄のない筋肉のつきかたをしていて、我がデストランタ国の兵士を一度に100人くらい相手に出来るほどに強い。
そこら辺の盗賊団を壊滅させるくらい朝飯前だろう。
騎士団長がよくカインとアベルをスカウトしていたが、二人ともすげなく断っていたが、騎士団長の気持ちが私にもよく分かる。
私の秘書をさせているが、文官をやらせるより武官にしたほうがいいくらいには、あの二人の戦闘能力は高い。
まあと言っても、あの二人が文官に向かないと言うことでもない。
二人とも頭がよく人を騙すことも上手く、尚且つ相手の心を読むことにも長けている。
しかし武芸というものは、持って生まれた以上のことはできない
と私は思う。
ある程度の域には到達できるだろうが、それから先の域には努力だけでは決して届かないと。
私がそう思っているだけだが。
それでもあの二人にとっての幸せが、私の元でその力を振るうことだと言われると、何も言えなくなるのだ。
他の部下たちもそういう考えのようで、部下たちに愛される上司というのはとても幸せなことだと思う。
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