私の中の日常が終わりを告げる

ライ

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閑話休題

閑話・緊急家族会議(父を除く)

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父と共に父の実家に行く直前の話だ。
私はその日誘拐されて死んでいると聞かされた父が現れて、目まぐるしい事態になりながらも、実家に行く前に家族と話させてくれと頼み、母と姉が待つ家に帰った。
家に帰ると母が仁王立ちし、腕を組みながら玄関の前にいた。
はっきり言って怖かった。いつもは笑顔でなくても母が怒ることはなく怒鳴るといった行為をしたことがない母が、鬼の形相で私をにらみつけている。
これを怖いと言わなければ怖いものなしだろうと思えるほどにはこわい。
そんな怒った母の後ろから救世主が現れた。姉だ。
姉は私の怯えた顔に安心するようにと言い含める顔をし、「おかえりお父さんに会ったのね何もされなかった?」と心配した声音で聞いてくれた。
私はその声音に安心し「父にはなにもされなかったが父の実家が大変らしく私に一族の長になれと言われた」と答えたら無言を貫いていた母が「あのくそったれ〇〇〇野郎」と女性にあるまじき言葉を吐いてしまった。
あれほど怒っていたのは私にではなく父にだったようだ。
怒りの対象が自分でなくとも怖いのにかわりはないが、とりあえず安全を確保できたようだ。
それにしても姉は父が生きていることを知っていたのか?疑問に思い「姉さんは父が生きていることを知っていたの?」と聞いたらあっさり「ええ知ってはいたわよ会ったことはなないけどね」と答えた。
「じゃあなぜ私には嘘をついていたの」と母に聞いたら、母は「あなたが天才であのバカの家の当主に祭り上げられることは火を見るよりも明らかなのはわかっていたし、言えばあなただって気になってあのバカに会いたいと言いそうだったからこれがベストだと思ったのに、まさかあの御当主が危篤だなんて驚いたしここをかぎつけられるなんて誤算だったわ」とまくし立てた。
「えーと母さんはわかっていて隠したのか」と私が納得し「そうよあなたが生まれて目を見たとき確信したわあなたは天才だと、あのバカの血を色濃く継いでいると」母さんが補足で説明してくれた。
しかし私は父の実家のいいなりになることはしない。
母さんに「私は祖父の見舞いに行くだけだから安心して」と言ったが母は、微妙な顔をしてため息交じりに「そうだといいけどね」と答えこの話を黙って聞いていた姉が「そううまくはいかないと思うけど」と言った。
しかしこの時の私には母を慰めることでていっぱいで姉の言葉は耳に入らなかった。
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