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ワイヤーワーク・2
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軟らかい針金で作ったワイヤーワークは、レイチェルが愛用する懐剣の鞘を飾ることになった。派手ではないが遊び心のあるデザインは、男女を問わない。
「鞘の拵えは、凝ると重いし武骨なものが多いから……これならとてもいい」
嬉しそうに微笑むレイチェルはずいぶん気に入ってくれたようで、ヴィオラとしても喜ばしい。
「お気に召したなら良かった。また何かあれば申し付けください」
「ああ、ありがとう。是非またよろしく」
実はレイチェルだけでなく、ジョゼフィーヌもヴィオラの作品を気に入っていて、彼女は自分でも作っている。
ベースだけヴィオラが作ったものに自分で彩りを添えたりして楽しんでいるので、また最初から自分で作ることもたまにはするかもしれない。なかなか時間が必要な作業だが、できればストレス解消のためではなく、自身が楽しんでほしい。
ジョゼフィーヌに渡したフェルティング用の針は、ヴィオラがスキルで作ったものだ。細いが硬く折れたり曲がったりしない。先端に細かい細工を施して羊毛が絡まり易くなっている。そしてその他に、その針を使うことで精神的な安寧を図る魔法を組み込んでみた。
今回レイチェルに渡したワイヤーワークにも、身につけておくことで冷静さを保てるような魔法を入れてある。
この辺りは魔女の面目躍如ということか、師匠の薫陶を経てこの手の魔法を、自分が作る作品に組み込むことができるようになった。
もっと汎用的で弱い効果なら、店に並べた雑貨にも幾らかはある。魔法という『力』はまだまだ新米魔女のヴィオラにはわからないことも多いが、可能性を広げることはできそうだ。
「それで師匠、ご相談があるんですが」
「なんだい」
ヴィオラの師匠たる魔女は魔法街の顔役だ。古参でもあり、個性の強い魔法使いや魔女達を上手く取りまとめている。本人に言わせると、よっぽど無茶をやらかさない限りは放っておく、という放任主義なのだが。
「お嬢様達と話してて思ったんですけど。……私、そろそろ錬金術スキルをレベルアップさせたいです」
「ふん。まあ、好きにおし……と言いたいところだが。どういう方向を目指してるかによるわな」
殆ど年頃も変わらないお嬢様達は、しかし家のため領民のため国のためと、己の行くべき途を見出だし、そのために努力している。それを見ていると、自分ももう少し頑張ろうかと思う。
「今は素材を使っての錬金術だけど、その先へ……素材を創る、術へ」
錬金術スキルは、素材を使って道具や薬などを作る。特にヴィオラは前世の記憶のおかげか、装飾品やそれに使う部品を作るのが得意だ。
錬金術で作る道具は魔法を組み込み易いのもあり、重宝されている。
しかし素材から作るとなれば話は変わってくる。普遍的な物質から、自分の望む形質を有する素材へ変換するのは、錬金術の一つの大きなステップだ。
「……まあ、やるだけやってご覧な。……今のままでも、食っていける程度の技能にゃなるけどねえ」
「鞘の拵えは、凝ると重いし武骨なものが多いから……これならとてもいい」
嬉しそうに微笑むレイチェルはずいぶん気に入ってくれたようで、ヴィオラとしても喜ばしい。
「お気に召したなら良かった。また何かあれば申し付けください」
「ああ、ありがとう。是非またよろしく」
実はレイチェルだけでなく、ジョゼフィーヌもヴィオラの作品を気に入っていて、彼女は自分でも作っている。
ベースだけヴィオラが作ったものに自分で彩りを添えたりして楽しんでいるので、また最初から自分で作ることもたまにはするかもしれない。なかなか時間が必要な作業だが、できればストレス解消のためではなく、自身が楽しんでほしい。
ジョゼフィーヌに渡したフェルティング用の針は、ヴィオラがスキルで作ったものだ。細いが硬く折れたり曲がったりしない。先端に細かい細工を施して羊毛が絡まり易くなっている。そしてその他に、その針を使うことで精神的な安寧を図る魔法を組み込んでみた。
今回レイチェルに渡したワイヤーワークにも、身につけておくことで冷静さを保てるような魔法を入れてある。
この辺りは魔女の面目躍如ということか、師匠の薫陶を経てこの手の魔法を、自分が作る作品に組み込むことができるようになった。
もっと汎用的で弱い効果なら、店に並べた雑貨にも幾らかはある。魔法という『力』はまだまだ新米魔女のヴィオラにはわからないことも多いが、可能性を広げることはできそうだ。
「それで師匠、ご相談があるんですが」
「なんだい」
ヴィオラの師匠たる魔女は魔法街の顔役だ。古参でもあり、個性の強い魔法使いや魔女達を上手く取りまとめている。本人に言わせると、よっぽど無茶をやらかさない限りは放っておく、という放任主義なのだが。
「お嬢様達と話してて思ったんですけど。……私、そろそろ錬金術スキルをレベルアップさせたいです」
「ふん。まあ、好きにおし……と言いたいところだが。どういう方向を目指してるかによるわな」
殆ど年頃も変わらないお嬢様達は、しかし家のため領民のため国のためと、己の行くべき途を見出だし、そのために努力している。それを見ていると、自分ももう少し頑張ろうかと思う。
「今は素材を使っての錬金術だけど、その先へ……素材を創る、術へ」
錬金術スキルは、素材を使って道具や薬などを作る。特にヴィオラは前世の記憶のおかげか、装飾品やそれに使う部品を作るのが得意だ。
錬金術で作る道具は魔法を組み込み易いのもあり、重宝されている。
しかし素材から作るとなれば話は変わってくる。普遍的な物質から、自分の望む形質を有する素材へ変換するのは、錬金術の一つの大きなステップだ。
「……まあ、やるだけやってご覧な。……今のままでも、食っていける程度の技能にゃなるけどねえ」
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